老後の生活には様々な不安が付き物です。特定非営利活動法人「老いの工学研究所」のアンケート調査の結果を元に、老後の生活における不安を解消する方法を4つご紹介したいと思います。
目次
老後の生活不安ランキング
老後の生活における不安に関して、調査データを確認すると、やはり70%以上の方が身体能力低下など健康面での不安が大きいようです。それ以外にも支出が大きい住宅の老朽化や介護問題などやはり老後の生活における不安は人それぞれ様々な不安を抱えています。今回はこの数多ある老後の生活不安を大きく「健康」・「住宅」・「生活」・「老後資金」の4つの分類に分け、老後の不安を解消する方法をお伝えしたいと思います。
順位 | 項目 | 割合 | 分類 |
1 | 身体能力の衰え | 72% | 健康 |
2 | 認知症 | 66% | 健康 |
3 | 家の周辺環境 | 53% | 住宅 |
4 | 大きな病気やケガ | 53% | 健康 |
5 | 外見の衰え | 38% | 健康 |
6 | 親の世話や介護 | 38% | 介護 |
7 | 自宅の老朽化 | 35% | 住宅 |
8 | 配偶者の死 | 34% | 健康 |
9 | 転倒や事故 | 32% | 健康 |
10 | 家事の煩わしさ | 31% | 生活 |
11 | 地震などの災害 | 25% | 住宅 |
12 | 自分の死 | 24% | 健康 |
13 | やることがない状況 | 23% | 生活 |
14 | 蓄えの少なさ | 21% | 老後資金 |
15 | 孤独や寂しさ | 21% | 生活 |
16 | 年金の受給額 | 16% | 老後資金 |
17 | 子供の状況 | 15% | 生活 |
18 | お墓 | 15% | 生活 |
19 | 相続 | 13% | 老後資金 |
20 | 親の死 | 3% | 生活 |
老後の生活不安①:健康に関する不安を解消する
まず、健康に関する不安解消方法を挙げていきます。
- 体を動かす習慣を身につける
- 定期検査はこまめに受ける
- 栄養バランスを整えた食生活を心がける
体を動かす習慣を身につける
老後は激しい運動は避け、体に負担のかからない運動に絞ることがオススメです。手軽なところでウォーキングは誰でも簡単に始めることができますね。最近ではノルディックウォーキングという運動が流行り始めています。これはスティックを両手に持ちウォーキングするのですが、背筋が伸び歩幅も大きくなることからウォーキングよりも体を使いますが、スティックが体をサポートしてくれるので、負担を掛け過ぎずに運動ができます。また、家族や知人など一緒に運動することでコミュニケーションも生まれ認知症の予防にも繋がるでしょう。
定期検査はこまめに受けましょう
重い病気になる前にこまめに定期検査を受けるようにしましょう。最近は医療技術が発達していますのでガンなども早期発見ができれば完治する病になったと言えます。早期発見であれば治療費も削減できますのでまさに一石二鳥です。自宅から病院までをウォーキングコースにすることで運動も一緒にできるなど工夫することで病院を身近にすることができるでしょう。
栄養バランスの良い食事を心がける
栄養バランスの良い食事は生きる上での基本です。生活習慣病の予防や改善などにも繋がりますが、一方で無理に健康メニューに偏りすぎ味気ない食事にならないように注意しましょう。
老後の生活不安②:住宅に関する不安を解消する
次に住宅に関する不安ですが、主に老朽化や老後に住みやすい住宅にリフォームすることが該当します。ここで住宅に関する不安を解消させる方法をご紹介します。
- 住宅のリフォームはやりすぎ注意
- リフォームの際は耐震強化も検討を
- バリアフリーリフォームによる固定資産税の減額を活用する
住宅のリフォームはやりすぎ注意
自宅に手すりを付けるだけ。など、最初はちょっとした目的で住宅のリフォームを検討しますが、いざ、リフォーム会社に相談を行うとあれこれと住宅のリフォームプランの提案を受けます。その際、必要であることは間違いありませんが、やり過ぎてしまうとリフォーム資金が余剰に発生したり、自宅で体を動かす機会が減少し身体能力の低下に繋がりますので、リフォームはほどほどにしましょう。
耐震強化を検討する理由
日本は震災が多い国です。特に「地震」には注意が必要です。ただ、日本の建築基準法は非常に厳しい基準に設定されていますので簡単に崩れることはないでしょう。一方で阪神淡路大震災前に建築された物件は耐震強度が弱い物件もありますので該当する場合は耐震強化も検討しましょう。
固定資産税減額などの優遇措置を活用
国からの援助など自ら情報を探しに行かなければなかなか接点を持つことは少ないかもしれませんが、せっかく税制優遇の措置を提供しているので使わない手はないでしょう。バリアフリーリフォームもその1つなので自身が適用されるかを一度確認を行いましょう。
老後の生活不安③:生活に関する不安を解消する
生活に関する不安はやや幅広い内容を占めていますが、「やることがない状況」というのは、無駄な支出やうつ病、認知症など様々な問題につながるきっかけとなります。生活に関する不安を解消させる方法を挙げてみましょう。
- 趣味や学習に時間を使う
- 地域のコミュニティに参加する
- 親族とのコミュニケーションは定期的に行う
趣味や学習を行う
日々の予定を充実させるには趣味や学習に時間を使うことでメリハリが生まれるでしょう。新しい出会いにも繋がりますのでいつまでも若々しく老後の生活を営むにはアクティブな活動は必要と言えます。
地域のコミュニティに参加する
地域が主催するイベントには積極的に顔を出すようにしましょう。地方紙、回覧板、市役所などでイベントや催事の情報を収集できると良いでしょう。
親族とコミュニケーションは定期的に行う
詐欺など被害防止にも繋がりますので子供世帯と定期的に電話をするなどコミュニケーションを行うようにしましょう。その際、子供世帯から距離を置かれてしまっては元も子もないので、心配なのは分かりますがあまり小言を言わずに見守ることが重要でしょう。
老後の生活不安④:老後資金に関する不安を解消する
老後資金は全ての不安に共通する部分でもありますが、いかに貯蓄を増やすのか。増やすことが出来ずとも子供に迷惑をかけずに老後の生活を営みたいものです。「老いの工学研究所」のアンケート結果でも「子供に心配をかけない環境で暮らすこと」が重要と考える方は95%にも登ります。それでは老後資金の不安を解消させる方法を紹介します。
- 家計の収支計画を立てる
- できる限り長く働く
- リバースモーゲージを活用する
家計の収支計画を立てる
まず、老後の収入と支出のバランスを理解しましょう。どのくらいの収入があり、どの項目での支出が目立つのか。そして年間及び月間でいくらまでなら支出することができるのか。これを把握するだけでも使いすぎの防止になり、計画的に老後資金を活用することができるでしょう。
できる限り長く働く
これまでは人生80年と言われ、60歳で定年し80歳までの20年間を老後と考えることが一般的でした、しかしながら現在は、長寿化に伴い人生100年と考えるべきであると言われています。老後の計画も100年組み直した時に、60歳での引退は早すぎるかもしれません。理想は80歳まで働くことができると良いのですが、なかなか難しいかもしれませんので70歳くらいまでは頑張って働くということを念頭においた方が良いでしょう。
リバースモーゲージを活用する
とは言え、さまざな事情があり働けない方も多いかもしれません。その場合はリバースモーゲージの活用もひとつの手です。お住いの住宅を担保に金融機関から借り入れし返済はお亡くなりなった後になりますので、喫緊の資金需要に対応できますのでおすすめです。リスクなど注意するべき事項がありますので以下を参照してください。
まとめ
老後の不安は様々であり、そしてたくさんあるものですが、どれも整理して一つずつ解消することでそこまで気にする必要はありません。それよりも「どのような老後生活を送りたいのか?」をよくよく考え実りある時間にすることが重要です。