離婚時に父親が親権を獲得するために知っておくべき条件を解説







まだまだ一般的には「父親が大黒柱として家庭を支えおり、母親は子供の面倒を見ている。」という家庭は非常に多いのではないでしょうか。母親が働いている場合でも、時短勤務などを活用し家事を行なっているケースが大半だと言えます。

このような場合、離婚時に親権獲得を父親が希望したとしても8割〜9割は母親が親権を獲得している実態があります。

それでも、「離婚時になんとかして親権を獲得したい。」強く希望する父親の方に向けて、今回は父親が親権を獲得することが難しい理由と親権を獲得するための条件をお伝えしたいと思います。

親権者を決める方法

そもそも、親権者はどのようにして決めるのか?これは、「夫婦で協議して決める場合」と「調停や裁判によって決める場合」の2つがあります。

基本的に「調停前置主義」という言葉があるように、「協議・調停・裁判」の順で親権者の獲得についても話し合いが進むことになります。

親権を夫婦の協議で決める場合

親権者を夫婦の協議で決める場合は、その判断自体が夫婦に委ねられます。そのため、父親が親権を獲得することに母親も同意しているならば特段大きな問題もなく親権を獲得できるでしょう。

夫婦の話し合いで決着が付かない場合は「調停」に進むことになります。

また、親権者を決めていない場合は離婚することは出来ませんので、離婚届を提出する前に必ずどちらが親権を獲得するのか決めておきましょう。ただし、一度親権を獲得すると後々の変更は出来なくなりますのでその点は注意してください。

親権を調停や裁判で決める場合

さて、夫婦の協議によって親権が決まらない場合は「調停」へ進むことになります。

その際、家庭裁判所調査官と呼ばれる人が派遣され、夫婦どちらが親権を獲得するにふさわしいのか調査された上で、家庭裁判所が親権を獲得することが適当な方を判断することになります。

その際、以下の5つのポイントについて調査されております。

親権を獲得するための条件1.父母の事情

父親、母親の監護に対する意欲や監護するために必要な能力(親の年齢、健康状態、経済力、実家の援助など)が現在から将来に渡って遂行することが出来るののかが判断される。

親権を獲得するための条件2.子供の事情

子供の年齢、性別、発育状況、兄妹の関係、環境変化、親との関係性など複合的に判断される。

親権を獲得するための条件3.継続性の原則

継続性の原則は、これまでより多くの時間を監護してきた母親もしくは父親が親権を獲得するにふさわしい。という判断であり、5つの判断基準の中では非常に重要視されるポイントになる。

親権を獲得するための条件4.子供の意思

子供の年齢が15歳以上の場合は、子供の意思が尊重される。

親権を獲得するための条件5.兄弟姉妹不分離の原則

兄弟姉妹がいる場合は、原則として離れ離れにならないように配慮する必要がある

父親が親権を獲得することが難しい理由

親権を獲得するための条件を5つご紹介しましたが、父親が仕事をして母親が子供の監護をしている夫婦の場合は、①、②、③の部分で母親が有利になる。というのは言うまでもないでしょう。

①の「父母の事情」は、母親の経済面が心配されますが、これは教育費を父親が支払うことになりますし、母親の場合は離婚をきっかけに実家に戻るケースも多く家賃が掛からないなども利点となります。

②の「子供の事情」は、子供の年齢が幼いほど母親が有利になる傾向があります。特に幼児期は母親の存在が不可欠と言えますので、その点が考慮されることになります。

③の「継続性の原則」は、既に母親が長期間監護しているという実態があることでしょう。離婚をきっかけに急に父親が監護しようとしても難しい側面があります。

上記のように、親権獲得については父親は圧倒的に不利な状況と言えます。

父親が親権を獲得するための条件

父親が親権を獲得するためには、既にご紹介した5つの条件が母親よりも適している必要があります。では、この不利な状況を覆し親権を獲得するためどのような事を行う必要があるのでしょうか。

絶対に親権を獲得できる方法というのは存在しませんが、少しでも親権獲得に有利になる方法をお伝えします。

父親が親権を獲得するために出来ること

  1. 子供を監護している時間や内容を証明する
  2. 子供の意思
  3. 転勤や転校で家庭環境が大きく変わらないようにする
  4. 母親の監護状況の問題点を証明する

子供を監護している時間や内容を証明する

子供の監護実績を作ることは非常に重要と言えます。そのためには、フルタイムで働きながらも残業や飲み会などを極端に減らすことや子供が1人になる時間を無くす努力が必要になります。

例えば、父親側の両親と同居することで子供の送り迎えを行なってもらうことも有効です。理想は、親権者争いになる前に子供と一緒に別居し1年ほど監護した結果、子供が健やかに育っていることが証明できると良いでしょう。

ただし、無理矢理子供連れて別居すると「連れ去り」に該当してしまい親権が不適格と判断されるリスクもありますので注意しましょう。

子供の意思

母親ではなく父親と一緒に暮らしたい。」と子供が希望している場合も有利に働きます。ただし、この意見が尊重されるのは15歳以上となります。

15歳未満の場合でも、全く考慮されない。と言う訳ではなく重要な意見として判断はされます。

とは言え、子供がどちらと一緒に暮らしたいかと言えば、子供と過ごした時間や思い出に関係すると言えますので、仕事ばかりで子供との時間を作れていないような場合は不利になると言えます。

転勤や転校で家庭環境が大きく変わらないようにする

継続性の原則の1つでもある子供の家庭環境を変えないという側面では、父親の仕事の都合で子供に転校させることは避けた方が良いと言えるでしょう。

母親であれば、父親だけが単身赴任することで転校を避けることが可能ですが、父親しかいない場合は、父親の転勤に合わせて子供も転校させることになってしまいます。

そのため、父親都合による転校が無いことはプラスにはなりませんが、マイナス要素を1つ潰すことができると言えます。

母親の監護状況の問題点を証明する

母親が家事育児を放棄している」「子供を置いて不倫していた」「子供に暴力を振るっていた」など母親の監護状況に問題がある場合は、証拠を提出し親権を与えるべきでは無い。と主張するのも有効です。

ただし、「皿洗いが雑」など母親の愚痴になってしまうと心象を悪くし逆効果となりますので、その点は注意してください。不倫の証拠に関しては探偵を活用し決定的な証拠を集める方が効果は大きいと言えます。

探偵に依頼する際は「探偵に浮気調査を依頼するメリット・調査方法・費用相場を解説」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。

父親が離婚時に親権を獲得した事例

では、実際に父親が親権を獲得できた事例をご紹介したいと思います。

30代男性の事例

妻の不倫によって離婚を決めた。

子供への影響もあると考え不倫した妻に親権を渡したくなかった。不倫は子供が学校に行っている間に行なっており、16時に子供が学校から帰ってくる前には帰宅していた。ただし、浮気前後に比べると家事が雑になっていた。

探偵に依頼し日中にラブホテルで浮気している写真を撮影できた。これを離婚調停時に提出し親権を獲得を要望したところ父親が親権を獲得することが認めてもらえた。

上記は、不倫の決定的瞬間を納めたことに加えて、子供がいない時間に不倫をしたいこと、家事が雑になっている実態を証明したことで父親の親権が認められた事例になります。

父親が親権を獲得した場合は母親に教育費を請求できる

父親が親権を獲得した場合も母親に教育費を請求することが可能になります。

ただし、教育費は扶養が出来る場合に支払うことが前提になりますので、母親の収入が低く子供を扶養することができない場合は、母親からの教育費をあてにすることはできないと言えます。

これも、母親が親権を獲得するためには有利になる理由の1つです。一般的には父親の収入が高く扶養する義務を負うことから母親は教育費と自分の収入で子育てができてしまいますが、父親の場合はそれができないので不利。という訳です。

親権を獲得出来なかった場合は面会交流権を活用する

ここまで、親権を獲得するための条件と父親が親権を獲得するためにできることをお伝えしましたが、それでも親権が獲得できなかった場合は、面会交流権を活用し離婚後も子供に会える機会を作る方が良いと言えます。

会う回数、頻度、場所、宿泊の有無などを離婚前に事前に取り交わしを行い、離婚協議書を公正証書にしておくことで離婚後も確実に子供に会うことは可能になります。

本望では無いと言えますが、それほど父親が親権を獲得することは難しいと言えますので最善の方法で子供に会えるようにしましょう

まとめ

離婚時に父親が親権を獲得するための方法についてお伝えをさせて頂きました。

父親の親権獲得は非常に難易度が高いと言えますが、諦める前にまずは行動をしてみましょう。ただし、父親も母親も双方の感情だけで物事を決めるのではなく、子供の教育に一番適している選択をするべきと言えます。

また、親権を獲得できなかった場合も面会交流権を活用し子供に会える機会を作ることは忘れずに行いましょう。









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