障害年金の申請は何度も役所や年金事務所に足を運ぶ必要があり非常に手間と労力をかけて行う必要があると言われています。
そのため社労士に申請を代行してもらうなどの方法もありますが、代行費用が発生するため、今回は自分で申請を行う場合の流れと必要書類をお伝えしたいと思います。
ただし、申請が受理された場合でも審査が通過する訳ではありませんのでご注意ください。
目次
障害年金は自分で申請できる?
障害年金の手続きは非常に複雑であり、何度も年金事務所に足を運び、やっと申請は出来たが審査に落ちてしまう。など通常の老齢年金などに比べると障害年金は受給することが難しい年金制度です。
ただ、国の制度である以上は自分で申請することは可能です。
手続きをスムーズに行うためにも受給できる条件や事前に必要書類を用意するなど障害年金の申請に必要な知識を身につけておくことが重要になりますので早速解説を行いたいと思います。
障害年金の申請ができる条件
まずは、障害年金の申請ができる条件をお伝えしたいと思います。国民年金加入者の場合は、障害者等級が1級または2級であり、厚生年金加入者の場合は障害等級が1級、2級、3級の方が申請することが可能になります。
また、病気や怪我を負った時の前日までに加入している年金保険料の2/3以上を納付していないと障害年金の受給資格を得ることができませんので注意が必要です。ただし、救済措置もあり初診日の前々月から1年間の間に年金保険料の滞納が無ければ同様に申請が可能になります。
障害等級の基準や受給できる金額の詳しい解説は「障害年金とは?受給資格・受給金額・申請方法・更新手続きを徹底解説」にてお伝えしておりますのでご参照ください。
障害年金の申請はいつから可能か
それでは、障害年金の申請はいつから可能なのか確認をしてみましょう。
障害年金の申請手続きが出来るのは障害状態に至った病気や怪我の初診日から1年6ヶ月後となります。その前に完治した場合はその完治した日となり、人工透析など症状が重たい病気や怪我の場合は症状が固定した日となります。
障害年金の申請時によくあるトラブルとしては、初診日がいつだったのか覚えておらず、手続きに手間や時間がかかってしまうということがあります。また、1年6ヶ月の間に症状が重症化し病院側が初診日のカルテを廃棄してしまった場合は、さらに請求手続きを行うことが困難になるでしょう。
このようなトラブルを防ぐためには、初診日を証明することができる「受診状況等証明書」を取得しておくことをおすすめします。
最近はうつ病で障害年金を受給する方も増えています。症状が見えづらく審査が厳しい側面がありますが、うつ病の疑いで病院に行く場合は「受診状況等証明書」を記入するようにすると良いでしょう。
障害年金の申請から受給できるまでの期間
初診日から1年6ヶ月後から申請が可能となりますが、受給までの期間はどのくらいの期間が必要なのでしょう?
障害年金の申請手続き後、「裁定決定」と呼ばれる審査期間があります。この審査期間は3ヶ月から7ヶ月かかり、ようやく裁定決定の通知が来たと思っても、受給までさらに2ヶ月の時間が必要になります。
従って、障害年金の申請から受給までは、5ヶ月から9ヶ月の期間が必要になるということを覚えておきましょう。
障害年金の申請手順・受給開始・更新までの流れ
障害年金の申請手順は①〜⑤、受給開始の案内は⑥・⑦、更新手続きは⑧となります。
- 受給要件、受給資格を満たしているか確認する
- 受診状況等証明書を取得する
- 診断書を取得する
- 病歴・就労状況等申立を作成する
- 年金請求書を作成し上記の必要書類一式を提出する
- 年金証書・年金決定通知書を受け取る
- 障害年金の受給
- 障害状態確認届と診断書を誕生月の月末までに提出する
障害年金の申請に必要な書類
障害年金の申請書類は年金事務所などで受け取ることが出きるのですが、窓口で必要な書類を渡さないというケースが多頻度で発生しております。
これは、受給資格に該当していない方に必要書類を渡し診断書などお金の発生する書類を用意させてしまうのが申し訳ない。という判断から面談を通じて申請書類を渡さないというケースがあるようです。
障害年金は申請を行えば必ず受給ができる。という訳ではないので上記のような対応になることも理解できます。
ただし、窓口の担当者が審査を行う訳ではないので本来渡すべき書類を渡さないということが問題となり、厚生労働省から日本年金機構に指摘が入りましたので現在は多少改善されているケースがあるでしょう。
それでは、障害年金の申請に必要な書類をお伝えします。
- 診断書(指定の書式がありますので持参するようにしましょう。)
- 病歴・就労状況等申立書(症状を唯一自分の言葉記述することが可能)
- 受診状況等証明書(複数の病院を受診している場合は最初の病院を記載)
- 年金裁定請求書
- 年金手帳
- 戸籍謄本
- 年金証書(既に年金を受給している場合)
- 振込口座の通帳コピー
- 委任状(本人が申請できない場合)
配偶者・子どもがいる場合の追加書類
また、配偶者や子どもがいる場合は上記に加えて追加の書類が必要となりますので確認してみましょう。
- 世帯全員の住民票(請求日から起算して3ヶ月以内のもの)
- 配偶者の所得証明書、年金手帳、被保険者証
- 高校生の子供がいる場合は学生証
- 20歳未満の障害者の子どもがいる場合は診断書
- 配偶者が年金を受給している場合は年金証書
障害年金の手続きが出来ない場合は代行を検討
ここまで自分で障害年金を申請するための手順を解説しましたが、上記のように何枚も書類を書き、受給できるまで何度も申請を行うことが難しい場合は社労士に代行を依頼することを検討して良いかもしれません。
代行費用は障害年金受給額のおよそ2ヶ月分程度となりますので、安くはありませんが、手続きに手間を取られてしまい受給が遅れてしまうよりは少しでも早く代行を依頼し受給する方が得策と言える場合もあります。
まとめ
障害年金を自分で申請するための手続き方法と必要書類について解説を行いました。
障害年金は制度が非常に複雑で症状によって審査結果も大きく変わります。仮に審査に落ちた場合も再審査請求が可能になりますので、諦めずに申請を行うようにしましょう。
また、申請書類の提出から受給できるまでの期間は5ヶ月から9ヶ月程度の時間がかかりますので、その点も踏まえて計画的に準備を行うようにしましょう。