離婚をすることに対してネガティブな印象を覚える人も少なくないかもしれませんが、現在は3組に1組は離婚をしている状況であることから、離婚は決して珍しい選択ではないと言えます。
では、なぜ離婚という選択に至ったのか?
今回は、最高裁判所が開示する平成27年度司法統計のデータ(婚姻関係事件数)を参照し離婚原因を夫と妻別にランキング形式でご紹介をしたいと思います。
離婚原因を夫婦別にランキング|性格の不一致やセックスレスは離婚可能
離婚の原因は夫婦それぞれと言えますが、どのような場合に離婚することができるのか。ご存知でしょうか?
ここでは、離婚の原因を統計データからランキング形式で紹介することで該当するか否かを判断し、ご自身が離婚することが出来るのか判断材料の1つとしてお役立て頂ければと思います。
早速、夫と妻別に離婚原因をランキングで紹介したいと思いますが、先に気になる方も多い離婚理由として、「性格の不一致」や「セックスレスなどの性的不調和」も離婚事由に該当しています。
この点も踏まえ、夫と妻で離婚する原因がどのように違うのか?ランキングは何位なのか確認してみましょう。
夫が妻と離婚した原因
まずは、夫が妻と離婚するに至った原因について統計データから参照をしたいと思います。
順位 | 離婚原因 | 離婚件数 |
1位 | 性格の不一致 | 11,277件 |
2位 | 浮気などの異性関係 | 3,193件 |
3位 | 精神的な虐待(モラハラ) | 2,797件 |
4位 | 家族や親族との不仲 | 2,744件 |
5位 | 性的不調和 | 2,288件 |
6位 | ギャンブルなどの浪費 | 2,239件 |
7位 | 同居に応じない | 1,825件 |
8位 | 異常性格 | 1,776件 |
9位 | 暴力(DV) | 1,507件 |
10位 | 家庭を放棄する | 1,213件 |
夫が妻と離婚する原因の1位は「性格の不一致」となり、他の原因と比べても圧倒的と言えます。次いで、妻の浮気、精神的な虐待(モラハラ)と続いています。
「浮気は男性がするもの」という固定概念を持っている人も多いと思いますが、最近では女性の浮気が原因で離婚する夫婦も増えているのです。
また、3位のモラハラや8位、9位の異常性格やDVなど女性が男性を傷つけるケースも増えている結果となっております。
妻が夫と離婚した原因
次に、妻が夫と離婚するに至った原因について統計データから参照をしたいと思います。
順位 | 離婚原因 | 離婚件数 |
1位 | 性格の不一致 | 21,446件 |
2位 | 暴力(DV) | 14,167件 |
3位 | 生活費を渡してくれない | 12,460件 |
4位 | 精神的な虐待(モラハラ) | 11,381件 |
5位 | 浮気などの異性関係 | 10,789件 |
6位 | ギャンブルなどの浪費 | 6,535件 |
7位 | 家庭を放棄する | 5,165件 |
8位 | 性的不調和 | 4,045件 |
9位 | 家族や親族との不仲 | 3,950件 |
10位 | 飲酒 | 3,807件 |
妻が夫と離婚する原因も同様に「性格の不一致」が最も多い理由となりました。次いで、「男性からの暴力(DV)」、「生活費を渡してくれない」という原因が続いております。
夫と妻の離婚原因の違いを見ると「生活費を渡してくれない」というのが3位に入っているのは妻ならではと言えます。
女性の社会進出が増えているとは言え、まだまだ夫婦の収入は夫が支えている世帯が多いことや、子供が生まれた場合に育児休暇を取得したり子供の送り迎えをするのは女性の仕事である。という実態があり、時短勤務など収入格差が生まれていると言えます。
離婚原因ランキングで裁判所が離婚事由として認めるもの
離婚は協議離婚と呼ばれる夫と妻が話し合いによって離婚が成立する方法が最も一般的ですが、双方の合意が無ければ成立しません。そのため、双方の合意が一向に得られないような場合は、裁判離婚と呼ばれ、裁判所に離婚の判断を委ねることになります。
その際、裁判所が離婚として認める基準をお伝えしたいと思います。
- 不貞行為(夫または妻のいずれかが不倫をした場合)
- 悪意の遺棄(同居の拒否など)
- 3年以上の間生死が不明である
- 精神病になり回復の見込みがない
- 婚姻を継続することが難しい重大な事由
不貞行為(夫または妻のいずれかが不倫をした場合)
不貞行為は不倫だけでなく、一度限りの肉体関係なども不貞行為として認められる可能性が高いと言えます。ただし、不貞行為を立証するには証拠が必要になりますので、裁判で離婚を認めさせるには準備が必要と言えます。
不貞行為の証拠集めは、個人で行うことも可能ではありますが、探偵に依頼する方が確実とも言えます。
少々費用は掛かってしまいますが、浮気を疑っていることが相手にバレてしまうと証拠隠滅などによって離婚が成立しづらいだけでなく、慰謝料の請求などでも不利になってしまいますので注意が必要です。
探偵への相談に関しては「探偵に浮気調査を依頼するメリット・調査方法・費用相場を解説」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。
悪意の遺棄(同居の拒否など)
悪意の遺棄とは、「同居の義務」「協力義務」「扶助の義務」を怠っている状態を指す言葉です。
具体的には「同居の拒否」、「家事に非協力的」、「自宅にも帰らずに遊び呆けている」、「生活費を渡さずに浪費している」など、夫婦が協力して生活を営んでいるとは言い難い状態にあると言えます。
上記に該当するようにな行動は、「夫婦生活が破綻しても構わないと配偶者が考えている」と言えますので離婚理由として認められる可能性が高いでしょう
3年以上の間生死が不明である
3年以上も配偶者の生死が不明である場合も離婚できる可能性が高いと言えます。
このような事態に陥いるのも珍しいと言えますが、離婚が認められるためには「①:最後の音信から3年が経過していること」「②:生死不明であることが客観的に証明できること」が挙げられます。
①に関しては、着信履歴などによって証明することも可能ですが、②を証明するには、警察に捜索願を提出しても発見できない場合などに適用されることになります。
精神病になり回復の見込みがない
重度の精神病によって夫婦の「協力義務」を果たすことが難しいと判断された場合も裁判所は離婚を認める可能性があります。
精神病であれば夫婦で支えていきたい。と始めのうちは考えることでしょうが、就労することも家事や育児もすることが出来ないような場合は次第に関係にも亀裂が生じてくるでしょう。
離婚することに対して周囲からの目が気になってしまう理由ではありますが、個人にも自由に生きる権利はありますので、納得する選択を行うべきであると言えます。
婚姻を継続することが難しい重大な事由
ここまでお伝えした4つの離婚理由は具体的な内容でありましたが、これから紹介する「婚姻を継続することが難しい重大な自由」は、少々曖昧な表記と言えます。
その理由は、個別のケースに合わせて柔軟に離婚を認めるために設定されているのです。では、個別のケースとはどのようなものが当てはまるのかお伝えしたいと思います。
該当項目 | 詳細 |
性格の不一致 | 性格の不一致など価値観の違いも離婚が認められるケースがある |
暴行(DV)や精神的な虐待(モラハラ) | 肉体的、精神的な暴力は離婚が認められる可能性が高い |
浪費による金銭トラブル | 借金は離婚事由に該当しないが多額の借金など認めらる場合もある |
家族や親族の不仲 | 姑からの嫌がらせで旦那が守ってくれない場合は離婚が認められるケースもある |
宗教問題 | 宗教上夫婦関係を営むことが出来ない場合は離婚が認められるケースがある |
性的不調和 | セックスレスだけでなく過度な要求や性癖も離婚原因に該当する |
犯罪などの刑罰を受けた場合 | 重大な犯罪は離婚原因に該当する |
上記のように、先ほどお伝えした離婚原因のランキングの多くは裁判所の判決でも離婚を認めるケースが高いと言えます。今回ご紹介した離婚理由以外でも裁判所が認めるケースは多々ありますので、個別事情については弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
夫と妻別に離婚した原因をランキング形式でお伝えをさせて頂きました。
協議離婚の場合は、夫婦間が合意すればどのような理由でも離婚することは可能と言えますが、裁判離婚となった場合は、法廷離婚原因に該当しなくてはならず、その判断が裁判所に委ねられることになります。
その際、事情を正しく伝えるためにも弁護士に依頼する方が確実と言えますし、証拠を集めることは重要な準備になります。そのため、相談役の弁護士と調査役の探偵を依頼する方が確実と言えるでしょう。
探偵への相談に関しては「探偵に浮気調査を依頼するメリット・調査方法・費用相場を解説」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。