離婚調停の流れ|申し立てから成立まで有利に進める4つの手順を解説







離婚の話し合いがまとまらない場合は離婚調停の手続きに移ることになります。

離婚調停の申し立てを行うと、調停委員を介在させた上で双方の言い分を主張できることから、話し合いが進展しないような夫婦やDVなどそもそも話し合いが出来ない夫婦には非常に重宝される手続きになります。

とは言え、離婚調停とはどのような流れで申し立てし成立するのか?疑問は多いことだと思いますので、今回は離婚調停の流れを解説したいと思います。

離婚調停の流れを把握し事前準備をしっかりと行うことで有利に手続きを進めることも可能になりますので、事前知識として流れを把握するようにしましょう。

離婚調停の流れと期間

まずは、離婚調停の全体像から流れを把握したいと思います。大きくは以下の4つの手順によって離婚調停の手続きは進行することになりますが、離婚調停の期間はおおよそ6ヶ月が相場となります。

双方の合意が早期に得られる場合は、最短1ヶ月で成立する場合もありますが、合意が得られない場合は1年近くも離婚調停を行う場合もありますので案件次第で期間は大きく変わると考えましょう。

それでは、この4つの流れに沿って離婚調停の手続きの流れをお伝えしていきます。

離婚調停の流れ1.申し立ての準備を行う

まずは、離婚調停の申し立て準備から解説をしたいと思います。離婚調停の準備は以下の4つのポイントを抑えるようにしましょう。

離婚調停の準備におけるポイント

  1. 離婚調停の必要書類を準備する
  2. 離婚調停の申し立てを行う
  3. 離婚調停の費用を把握する
  4. 離婚調停に向けて準備した方が良いこと

離婚調停の必要書類を準備する

離婚調停の必要書類は以下の5つに加えて、用意した方が良い書類3つをお伝えします。

  1. 夫婦関係調整調停申立書書式のダウンロードと記入例
  2. 申立人の印鑑
  3. 申立人の戸籍謄本
  4. 相手方の戸籍謄本
  5. 年金分割のための情報通知書(年金分割を行う場合)
  6. 用意した方が良い書類
  • 陳述書(離婚調停に至る経緯を具体的に記述することが調停を有利に進めるためのポイント)
  • 照会回答書
  • 事情説明書

離婚調停の申し立てを行う

離婚調停の申し立ては家庭裁判所で行うことになります。

その際、申立人の最寄りの家庭裁判所で申し立てを行いたいところですが、基本的には相手方が住んでいる地域の家庭裁判所に申し立てを行うことになります。

家庭裁判所の場所は「家庭裁判所一覧」からご確認頂けます。

また、早く離婚したい気持ちから「離婚調停をせずに裁判離婚で早々に決着を付けたい。」と考える方もいるでしょうが、離婚には「調停前置主義」という考えがあることから離婚調停をする前に裁判をすることが出来ない取り決めとなっております。

離婚調停の費用を把握する

離婚調停の費用はおおよそ2000円〜3000円程度となります。基本費用の項目は以下の通りです。

  • 収入印紙代:1200円
  • 郵便切手代:約800円
  • 戸籍謄本取得費用:450円
  • 住民票取得費用:250円

また、慰謝料や教育費の請求も合わせて行うような場合は以下の費用も追加で発生します。

  • 婚姻費用分担請求:1200円
  • 財産分与請求:1200円
  • 慰謝料請求:1200円
  • 養育費請求:1200円(子供1人あたり)

離婚調停を弁護士に依頼する場合は、上記の金額以外に弁護士費用として70万円〜100万円程度の費用が発生することになりますので、依頼は慎重に検討するようにしましょう。

離婚調停で弁護士に依頼するメリットとは?

離婚調停は必ずしも弁護士に依頼する必要はありませんが、調停委員に対して、離婚の意思が固いことを主張することが出来るため調停を有利に進めることが可能と言えます。

離婚調停に向けて準備した方が良いこと

その他、離婚調停が始まる前に準備した方が良いことをお伝えします。

  • 相手方の財産の確認(財産分与や教育費の請求に必要になります)
  • 離婚後の住居を見つけておく
  • 離婚後の仕事を見つけておく
  • 離婚後に子供を預ける場所や人を見つけておく
  • 浮気現場など離婚原因となった証拠を用意しておく

大切なのは離婚後に素早く日常生活に戻ることと言えますので事前準備はしっかりと行いましょう。離婚の準備に関しては「離婚は準備が重要!別れる前に知っておくべき7つの知識【リスト付き】」をご参照ください。

離婚調停の流れ2.第一回目の離婚調停

さて、離婚調停の準備を行い申し立てが完了すると、第一回目の離婚調停が実施されることになります。

この章では、第一回目の「離婚調停の日程調整」「持ち物」「急用で行けなくなった場合の対応」「面談当日の待機場所から面談内容」まで調停に必要な知識をお伝えをしたいと思います。

調停期日を決める

離婚調停の申し立てを行なった家庭裁判所から、第一回目の離婚調停の日程調整について連絡が来ます。家庭裁判所と日程調整を行い調停期日の日程を決めるようにしましょう。

期日通知書(呼出状)が夫婦それぞれに届く

離婚調停の日程が決まると、申し立てをした家庭裁判所から夫婦にそれぞれに期日通知書と呼ばれる呼出状が届きます。この呼出状は、申し立てから2週間程度で届くのが一般的です。

また、離婚調停の申し立てから第一回目の調停期日までの期間はおよそ1ヶ月が目安になります。

ただし、上記の期間はあくまで目安となり、離婚調停の件数が多いと期日が遅れる場合もありますし、大都市圏などは1ヶ月半〜2ヶ月程度の時間がかかる場合もあります。

離婚調停の持ち物

離婚調停当日の持ち物は、以下の4点を必ず持って行くようにしましょう。忘れ物をして調停委員の印象を悪くしないようにすることも重要になります。

  1. 期日通知書(呼出状)
  2. 印鑑(シャチハタは禁止になります)
  3. 身分証明証(運転免許証やパスポートなど)
  4. メモ帳、筆記用具

離婚調停に急遽行けなくなった場合

離婚調停当日に急用などで行けなくなってしまった場合は、期日通知書に記載されている担当書記官にできるだけ早く連絡を入れてください。その際、期日通知書に記載されている事件番号を伝えると該当者の確認が出来るので伝えるようにして下さい。

また、相手方への連絡については、家庭裁判所側で行なってくれますので心配する必要はないでしょう。

待合室での待機

離婚調停の当日は遅刻厳禁になりますので早めに自宅を出発するようにしてください。家庭裁判所に到着したら待合室が夫婦別室で用意されていますのでそこで待機をしておくようにしましょう。

帰り際も、「家庭裁判所に顔を合わせないようしたい」と依頼すれば、帰り時間を調整してくれますので、まったく顔を合わせずに離婚調停を行うことが可能になります。

申立人が先に面談される

待合室で待機していると申立人から調停室に来るように呼び出しが入ります。調停室では裁判官1名、調停委員2名(基本的には男女1名ずつ)が待機しております。

離婚調停の流れは、挨拶を行い進行や手続きに関しての説明を行なった後に、離婚調停に至った経緯など30分間程度で話し合いが行われることになります。

その際、よく聞かれる質問としては、以下の5つになります。

  1. 離婚原因
  2. 婚姻生活の実態
  3. 復縁の可否
  4. 財産分与、慰謝料、親権についてどのように考えているか
  5. 離婚後の生活について

話し合いが終了するとまた待合室で待機することになります。

申立人の次に相手方が面談される

申立人の面談が終わると次に相手方の面談が行われます。

相手方にも申立人と同様の説明を行なった上で、相手方の主張や申立人の要望を伝えることになります。相手方の話し合いも30分程度で終了することになります。

相手方の話し合いが終わると相手方も調停室を退出し待合室で待機をすることになります。

双方の主張を聞き第一回目の離婚調停が終了する

相手方の面談が終わると再度申立人が調停室に呼び出されます。そこで、相手方の主張について調停委員より申立人に伝えられた上でいくつか質問がなされます。この質問への回答も30分程度の時間となります。

申立人への質問と回答が終了すると調停室を退出し、再度、相手方が調停室へ呼び出され申立人の主張やいくつかの質問がなされます。

このように、婦で2回ずつ話し合いの場が設けられることになり離婚調停の全体の時間は2時間〜3時間を有することになります。

離婚調停の流れ3.第二回目以降の離婚調停

離婚調停の話し合いは1回で成立するケースも希と言えますので、第二回目、第三回目と回数を重ねることになります。

離婚調停の第二回目は1ヶ月後に実施される

第二回目の調停は、一回目の調停が終了してからおおよそ1ヶ月後に実施されることが多いのですが、家庭裁判所が抱える案件数によってその期間は変動します。そのため、おおよそ1ヶ月後くらいに二回目の調停があると考えておきましょう。

離婚調停の第二回目も流れはほぼ同じ

第二回目の調停も一回目と同様に30分単位で夫婦それぞれ2回の面談が実施されることになります。双方の合意が得られ調停成立となるか意見が噛み合うことなく調停終了になるまで三回目、四回目と調停を重ねることになります。

話し合いの内容次第にはなりますが、離婚調停が成立するまでの期間はおよそ6ヶ月程度になります。

離婚調停の詳しい解説については「離婚調停とは?流れ・期間・費用から弁護士への依頼有無までの全知識」をご参照ください。

離婚調停の流れ4.離婚調停の終了

離婚調停の終了は大きく2つの条件に分かれますので、その条件とその後の対応をお伝えしたいと思います。

  1. 調停成立となった場合
  2. 調停不成立となった場合

それぞれどのような状態なのか?また、その後どのような対応が必要なのか解説をしたいと思います。

調停成立となった場合とその後の対応

離婚調停によって双方が合意し調停委員が離婚することが妥当だと判断した場合は、調停成立となり「調停証書」が発行されることになります。

調停証書とは、離婚調停や養育費請求調停などの「家事調停」や不倫慰謝料請求調停などの「民事調停」において、当事者間で合意したことを証明する文書になります。

調停証書の内容に問題なければ同意し、納得ができない場合は異議を伝えるようにしましょう。

その後、正式に離婚届を提出することになりますが、離婚調停の成立から10日以内に離婚届を提出しないと罰金刑に課せられる場合もありますので注意してください。

離婚届の詳しい解説は「離婚届の書き方と提出時に必要な準備物を解説|用紙ダウンロード付き」をご参照ください。

調停不成立となった場合とその後の対応

双方の意見が一向に合意することなく、これ以上調停しても無意味であると判断された場合は調停不成立となります。調停不成立となると裁判官が「不調調書」を作成します。

具体的に離婚調停が不成立となる主な原因は以下のようなケースが挙げられます。

  • 双方の意見が合意することなく調停が成立する見込みがないと裁判官と調停委員が判断した場合
  • 相手方が理由なくして出頭しないなど調停を行うことができない場合
  • 相手方が調停不成立を調停委員や裁判官に申し立てた場合
  • 相手方が亡くなった場合

などが挙げられますが、調停不成立となった場合の対応に関しては以下の3つのパターンが挙げられます。

  1. 離婚裁判へ移行する
  2. 再度話し合いで離婚を協議する
  3. 離婚を取りやめる

離婚調停をするほどですので、実質的には②、③の判断をするケースは希かもしれません。そのため多くの場合は、離婚裁判へ移行することが一般的と言えます。

離婚裁判について

調停不成立になると離婚裁判へ移行するケースが大半と言えますが、ここでは、離婚裁判のおおまかな流れと費用をお伝えさせていただきます。まずは、離婚裁判の流れですが、大きく6つの手順によって進行します。

  1. 離婚裁判の訴えを提起
  2. 第一回目の口頭弁論を指定する
  3. 被告から答弁書の提出
  4. 第一回目の口頭弁論が実施される
  5. 第二回目以降の口頭弁論が実施される
  6. 判決が下される

離婚裁判の主な費用

離婚裁判に発展するとこれまでの協議や調停とは異なり法的な知識が必要になります。そのため、弁護士に依頼することが多いのですが、ここでは離婚裁判における基本費用と弁護士費用の相場をお伝えします。

まず、離婚裁判の基本費用は以下の通りです。

  • 収入印紙代:1万3000円〜
  • 郵便切手代:6000円前後

弁護士に依頼する場合は上記の費用に加えて、以下の金額を見積もっておくようにしましょう。

  • 離婚裁判の相談料:0円〜1万円
  • 着手金:20万円〜40万円
  • 基本料金:30万円〜60万円+実費
  • 成功報酬:10万円〜20万円
  • 慰謝料の成功報酬:獲得した金額の10%〜20%
  • 親権や教育費の成功報酬:10万円〜20万円
  • 財産分与の成功報酬:獲得した金額の10%〜20%

離婚裁判は弁護士を介在させることなく手続きを進めることも可能になりますが、法的な知識がないと難しい側面もありますので、金銭面で不安がある場合は離婚調停で決着させることが望ましいと言えるでしょう。

まとめ

離婚調停の流れについて解説を行いました。

離婚裁判に移行してしまうと弁護士費用なども高額になりますし精神的に負担も非常に重たいと言えます。そのため、できる限り離婚調停で決着が着くように本記事で解説した4つの流れを把握し事前準備と計画を練っておくことをおすすめします。

離婚調停という言葉から不安に感じる方も多いと思いますが、難しい手続きではありませんので少しでも不安を軽減できれば幸いです。









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