離婚時に請求できるお金と発生する費用をまとめて解説







離婚に向けて準備を進めるに当たって気になるのはお金の問題でしょう。

離婚する際にいくらの費用が発生するのか?」や「離婚時に相手からお金を請求することはできるのか?」など離婚に関するお金の出入りは事前に知っておきたいところです。

そこで今回は、離婚時に請求できるお金と発生する費用がどのような種類があるのかまとめて解説をしたいと思います。また、離婚の準備に関しては「離婚は準備が重要!別れる前に知っておくべき7つの知識【リスト付き】」をご参照ください。

離婚時に請求できるお金

まず、離婚時に相手方に請求できるお金からお伝えしたいと思います。

離婚時に請求できるお金

請求できるお金の種類請求金額
婚姻費用相手方の年収・請求人の年収・子供の数・子供の年齢より算出
慰謝料50万円〜300万円程度であり離婚原因により変動
財産分与財産の1 /2を請求することができる
年金分割厚生年金受給額の内、最大1/2を請求できる
教育費相手方の年収・請求人の年収・子供の数・子供の年齢より算出

離婚時に請求できるお金1.婚姻費用

婚姻費用とは、離婚前に別居している状態や相手方が生活費を家庭に入れない場合に「衣食住に関する費用」や「教育費や医療費」などの生活費を請求できる制度です。

婚姻費用が請求できるのは「収入が低い方」が「収入が高い方」に対して請求することになりますので、多くの場合は、妻から夫に対して請求するケースが多いでしょう。ただし、妻の方が収入が高い場合は夫が妻に対して請求することが可能です。

今現在、「相手方から生活費が貰えていない。」という方は速やかに請求を行うことをおすすめしたいと思います。婚姻費用の請求金額や請求方法については、「婚姻費用とは?計算方法・相場・請求方法・よくある疑問をまとめて解説」をご参照ください。

離婚時に請求できるお金2.慰謝料

慰謝料は精神的な苦痛に対して、その損害をお金で埋める制度になります。従って、精神的な苦痛を感じていない離婚の場合は慰謝料を請求することは出来ません。

そのため、離婚原因で一番多い「性格の不一致」に関しては、双方に問題があると言えますので慰謝料の請求が出来ないのです。

一方で、慰謝料が請求できるケースは、「不倫」「悪意の遺棄」「DV・モラハラ」などが該当します。慰謝料がいくら請求できるのか相場を知りたい方は「離婚慰謝料の相場はいくら?浮気・DV・モラハラなど離婚原因別に解説」をご参照ください。

離婚時に請求できるお金3.財産分与(財産を折半にする)

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が共同で築いた財産を原則折半する制度になります。

対象になるのは、現金だけでなく車、住宅、不動産、株券など多岐に渡りますが、現金でない場合はそれぞれいくらの価値になるのか評価してから分け合うことになります。

ただし、結婚前に築いた財産や相手方の相続財産に関しては財産分与の対象にはなりませんので注意してください。

財産分与は金額が大きくなる可能性が高いのでしっかりと知識を身につけたいところです。詳しくは「離婚時の財産分与はどこまでが対象?損をしないために知っておくべきこと」をご参照ください。

離婚時に請求できるお金4.年金分割(年金を折半する)

年金分割は、第3号被保険者(厚生年金加入者に扶養される配偶者)が第2号被保険者(厚生年金加入者)に対して、年金受給額の最大半額を請求することができる制度です。

折半できる年金は「厚生年金部分のみ」になりますので、年金受給額の総額から折半ではないことに注意しましょう。

ちなみに40年間、平均的な年収で会社員として働いた場合に請求できる分割金額はおおよそ5万円程度になります。詳しくは「離婚時に年金分割をするといくら受給できる?手続き方法や必要書類を解説」をご参照ください。

離婚時に請求できるお金5.教育費

教育費とは、「監護する親」が「監護しない親」に対して未成年の子供を教育するために必要な費用を請求できる制度になります。これは、「監護する親」が有責配偶者(離婚原因を作った側の配偶者)となった場合も同様に教育費を請求することができます。

そのため、「妻が不倫し離婚したが妻が親権を獲得したがために教育費の支払いをしないといけない」という状態になる。ということです。

一見すると理不尽には見えますが、教育費の支払いは元配偶者ではなく子供にになりますので、親としての義務は継続していると考えましょう。教育費の詳しい解説は「離婚時の教育費の相場はいくら?多くもらうために知っておくべきこと」をご参照ください。

離婚時に発生する費用

次に、離婚時に発生する費用をお伝えしたいと思いますが、離婚方法が協議離婚(話し合いで離婚する場合)で、専門家(弁護士や探偵など)に依頼をしない場合は、基本的に費用は発生しません。

これから4つの費用をご紹介しますが、これは「協議離婚では離婚が成立しない場合」や「専門家を介在させた場合」の費用として読み進めて頂ければと思います。

離婚時に発生する費用

発生する費用の種類発生金額
調停費用2,000円〜3,000円程度が相場
裁判費用2万円〜
弁護士費用70万円〜100万円
探偵費用30万円〜調査期間により変動

離婚時に発生する費用1.調停費用

離婚調停とは、協議離婚によって離婚が成立しない場合に、家庭裁判所に申立を行い調停委員を介在させた上で双方の主張を述べる離婚方法になります。

調停とは言っても、最終的に離婚至るかは双方の合意が必要になりますが、夫婦での直接的な話し合いではなく、調停委員が間に入ることから「話し合いができる状態にない夫婦」や「話し合いをしても一向に合意が得られない夫婦」などが活用する制度となります。

離婚調停の費用は、おおよそ2000円〜3000円程度になりますので、そこまで大きな支出とはならないでしょう。

離婚調停の費用

  • 収入印紙代:1200円
  • 郵便切手代:約800円
  • 戸籍謄本取得費用:450円
  • 住民票取得費用:250円

また、慰謝料や教育費の請求も合わせて行うような場合は以下の費用も追加で発生します。

  • 婚姻費用分担請求:1200円
  • 財産分与請求:1200円
  • 慰謝料請求:1200円
  • 養育費請求:1200円(子供1人あたり)

離婚調停の詳しい流れや費用に関しては「離婚調停の流れ|申し立てから成立まで有利に進める4つの手順を解説」をご参照ください。

離婚時に発生する費用2.裁判費用

離婚調停でも夫婦間の合意が得られない場合は、裁判によって離婚の審判を行なうことになります。離婚裁判となる場合は、双方の合意は不要となり、裁判官が双方の主張を元に離婚することが妥当か否かを判断することになります。

また、離婚の可否だけでなく、慰謝料、財産分与、親権、教育費なども合意が得られない場合もまとめて審判することになります。ただし、裁判離婚の場合は、法的に定められた離婚原因に加えて原因を証明する証拠の提出が必要になります。

法的離婚原因

  • 不貞行為:配偶者以外と性的関係になること
  • 悪意の遺棄:同居の拒否、扶養義務を怠るなど
  • 生死不明:3年以上の間生死が不明であること
  • 強度の精神病:回復見込みがない場合
  • 重大な事由:婚姻を継続することが出来ない重大な事由

上記を踏まえた上で、離婚裁判に必要な費用はおおよそ2万円〜から手続きが可能になります。

離婚裁判の費用

  • 収入印紙代:13,000円(離婚の有無のみの場合)追加は1200円必要
  • 郵便切手代:7,000円(裁判所によって異なる)

離婚裁判の詳しい解説は「離婚裁判とは?手順・費用・期間から弁護士の有無までの必要知識を解説」をご参照ください。

離婚時に発生する費用3.弁護士費用

離婚調停や離婚裁判において必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。

特に、離婚調停は調停委員との話し合いが中心ですので、法的な知識が無くても手続きを行うことは可能になります。一方で、相手方に対して離婚することに合意してもらう必要がありますので本気度を見せる意味ではメリットがあると言えます。

また、離婚裁判の場合は、法的な知識も必要になりますので、弁護士を介在させてより確固たる証拠と根拠を述べた方が有利になることは言うまでもありません。

ただし、弁護士を介在させる場合の費用は、70万円〜100万円近く発生することから依頼は慎重に検討したい部分になります。

離婚時に発生する費用4.探偵費用

慰謝料の請求には証拠が必要になります。その際、夫婦の話し合いで慰謝料の金額が決まるならば探偵を活用するまでもないかもしれませんが、そう簡単に慰謝料の金額が決まるものでもありません。

特に慰謝料請求で多いのは不倫と言えますが、不倫の証拠が法的に認められているのは「肉体関係を証明する物」になります。

従って、ラブホテルに出入りする写真などが該当する訳ですが、デートやキスをしている写真では肉体関係を証明することが出来ないことから法的には証拠としては認められておりません。

そのため、確実に離婚を成立させ慰謝料を請求したいと考える場合は探偵に依頼することで確実な証拠を集められるでしょう。探偵への依頼を検討している場合は「探偵に浮気調査を依頼するメリット・調査方法・費用相場を解説」をご参照ください。

まとめ

離婚時に請求できるお金と発生する費用についてお伝えをさせて頂きました。

離婚をするか否かを考えてる時は、精神的にも疲弊している状態であることが多いでしょう。そのため、なかなかお金のことまで意識が向かいないケースが多いと言えますし、これまで一緒に暮らしてきた相手方にお金を請求できないケースもあると思います。

しかしながら、離婚後は自分一人もしくは子供と一緒に生活をする事実は変わりませんので、しっかりとお金を請求し1日も早く元の生活に戻るようにしましょう。









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