ダブルケアとは?育児と介護で4割が仕事を辞め月8万円の負担が発生







1億総活躍社会と呼ばれる昨今において、女性の社会進出が進み主要幹部に女性が登用されるケースも珍しくなくなってきました。その際に「育児と仕事の両立」を行えるような社会の仕組みを作る必要があると叫ばれていますが、実は問題が「育児」だけではないということを知る必要があります。それが「介護」です。今回は、「育児と介護」が重なってしまう「ダブルケア」について解説を行いたいと思います。

ダブルケアとは

ダブルケアとは、育児と介護が同時期に発生してしまい時間的制約が生まれることを指しています。このダブルケアは育児と介護により時間的な制約が生まれことから仕事の制限が生まれ、所得の低下を引き起こす問題があります。加えて、肉体的にも精神的にも負担が増加することから近い将来深刻な社会問題になると言われています。

ダブルケアの認知度はわずか12.6%

ただ、残念なことにダブルケアという言葉を聞いたことがある方は、わずか12.6%という結果がソニー生命保険「ダブルケア実態調査」により明らかとなりました。この調査は、全国の大学生以下の子供を持つ親2,100名(父親1,050名、母親1,050名)を対象に調査しておりますので、こちらの結果を踏まえて「ダブルケア」について解説を行います。

認知度を2015年から2016年にかけて比較を行うと2015年が8.1%だったところから2016年には12.8%と4.7%上昇していることから徐々にダブルケアの認知度が高まっている側面もあります。それほど、ダブルケアは誰にでも起こり得る家庭の問題と考えるべきでしょう。

ダブルケア経験者は6.5%のみ、最多は沖縄九州地方で9.7%

認知度が向上しつつあるダブルケアですが、実際にダブルケアに直面している人や過去に経験している人の割合は平均6.5%とそこまで高くない状況です。また、ダブルケアが自分の問題として捉えている割合は13.5%となっています。地域別に見ると九州沖縄地方がダブルケア経験者が9.7%、問題認識が17.0%と最も高い割合となっています。女性に限定するとダブルケア経験者が12.7%、問題認識が22.7%とダブルケアに対する意識が高い地域であることがわかります。

ダブルケアの辛さは精神的な負担が59.4%と最も高い

ダブルケアは育児や介護の両方が重なることから当事者は非常に負担が重くなります。その中でも「精神的にしんどい」と回答した方が59.4%と最も高い結果となりました。次いで、「肉体的にしんどい」が55.8%と精神的にも肉体的にも追い込まれることがわかります。加えて、「経済的負担」が47.1%と収入が減り支出が増える状況から家計が圧迫されることも分かります。

ダブルケアが理由で仕事を辞めた女性は37.8%

ダブルケアで「経済的負担」を感じる方が47.1%いるように、ダブルケアを理由に仕事を辞めた方が女性では37.8%に登る結果となりました。男性は全体的に6%代と少ないことから主たる収入は男性が稼ぎ、副収入を女性が稼いでいる世帯において女性が仕事を辞めている傾向が強いと想定できます。

近年は介護休暇制度が整う企業が増えていることから正社員で働く女性であれば多少ダブルケアでの退職は防ぐことができるでしょうが、主婦を兼業している女性からすると非正規雇用の割合も高いでしょう。このような場合、介護休暇使えずに退職せざるおえないという状況でもあると考えられます。

ダブルケアの苦労は職場の理解

有職者にとってダブルケアが発生した場合は職場の理解と連携が不可欠と言えるでしょう。ダブルケアと仕事を両立させるために苦労した点を確認すると、「ダブルケアの問題が職場で認知されていない」34.2%、「職場が両立しにくい環境」28.9%と続いている状況です。やはり介護休暇と言ってもいつまで介護が続くのか分からないでしょうし、仕事に大きな穴をあけてしまうことも事実です。これを許容しカバーできる企業が日本にはまだまだ少ないというのが実態なのでしょう。

ダブルケア時に職場に求めたいことは柔軟な休暇のとりやすさ

ダブルケア時に職場に求めたい声はやはり休暇の取りやすさと出社時間の柔軟性が52.6%と最も高い割合となっています。次いで、残業を減らすが43.0%、短時間勤務が40.4%と続いている結果になります。このような働き方が出来ない場合は、働き方改革を推進するような柔軟な企業に思い切って転職をしておくというのも貴重な選択になりそうです。また副業を認める企業も増えていることから1社に依存するのではなく複数の収入源を作ることは、今後有職者にとっても必要な選択となるでしょう。

ダブルケアの要望は子育て・介護・仕事をバランスよく行いたい

ダブルケアによって、これまでの生活が大きく変わってしまう中で、ダブルケアにおいて何を優先したいのか調査すると「子育て・介護・仕事をバランスよく生活したい」が41.6%と最も高く、現状の生活をできる限り維持したいと考える方が多いようです。

次いで、「子育てと仕事の両立を優先した生活をしたい」が16.9%という結果から少々本音に近い回答が続きます。「介護を優先したい」という方は1.7%しかおらず、やはり優先すべきことは自分の子供であるというのが分かります。

ダブルケアの金銭的負担は8万円を超える

ダブルケア経験者に毎月の負担について調査すると、親の医療・介護費が29,623円、子供教育費が33,087円、そのほかの支出が19,138円、合計81,848円の負担となっています。

この費用をどのようなに捻出している確認すると、親の介護費用は親の預貯金から全額負担するのが21.0%と最も高く、50%〜59%を親の貯金から捻出するのが17.4%と続いています。自身の世帯収入を使用するのは20%〜29%が19.6%という結果になっていますので少なからず家計を圧迫していることが分かります。

親の介護相談先を知らない人が75%の状況

親が介護状態になっていない方は、特段介護施設やヘルパーについて調べていない人も多いでしょう。親の介護先をどこに相談したら良いのかわからないという方が70%を超える実態も納得できる数字であると考えられます。全体的に介護先が分からないという方が多い中で、北海道、東北地方は28.8%の方が介護先を分かっているという点は評価できる点でしょう。

縁起の悪い話かもしれませんが、ダブルケアの備えとして行なっておいた方が良いことを調査すると、「親が元気なうちに介護について話し合う」が34.8%と最も高く、次いで「地域の支援制度を調べる」が31.9%と続いているように事前にダブルケアについてしっかりと話うことが必要と言えます。

まとめ

ダブルケアの実態や問題点について解説を行いました。ダブルケア自体は認知度がそこまで高くなく、経験者もまだまだ少ない状況ではありますが、いざ、ダブルケアが起きた場合に精神的、肉体的に負担が増えるだけでなく、経済的にも負担が増えてしまいますので家族で事前に相談をしておくことが非常に重要と言えるでしょう。









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