国民年金保険料の免除と猶予|基準・申請方法・必要書類・追納を解説

国民年金保険料の支払いが経済的に厳しい場合は、保険料の支払いを免除や猶予することが可能です。何も手続きをせずに未納になってしまうと滞納者扱いされてしまいますので注意が必要です。今回は、国民年金保険料の免除と猶予について基準、申請方法、必要書類、追納方法について解説を行いたいと思います。

国民年金を滞納するなら免除・猶予の方がメリットが高い

国民年金の支払いが経済的に厳しく、仕方なく滞納している方は要注意です。「年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」でも解説しましたが、延滞金が発生する場合や最悪のケースは強制徴収の対象になってしまいます。

このような場合に、国民年金保険料の免除や猶予の申請を行うことで滞納するよりもメリットが得られるのです。早速メリットをご紹介します。

1つ目メリットは、老齢年金の1/2までは年金が免除や猶予の状態でも受け取ることができるのです。元々、年金保険料は国と折半をして支払っておりますので、半額は免除や猶予の状態でも受け取る権利があるのです。

2つ目のメリットは、免除や猶予期間中でも障害年金や遺族年金を受け取ることができるのです。どちらも被保険者に万が一の事が合った場合に非常に重宝する年金制度ですので必ず申請を行いましょう。

ちなみに国民年金保険料を滞納している場合は、老齢年金の1/2支給や遺族年金、障害年金を受け取ることが出来ませんのでご注意ください。

保険料免除制度とは

保険料免除制度とは、国民年金保険料の支払いが厳しい方が前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)に応じて「全額免除」、「4分の3免除」、「半額免除」、「4分の1免除」の免除が受けられる制度です。

対象者は、本人、世帯主、配偶者が対象にとなり、申請受領後に年金保険料の支払額が免除される仕組みとなっています。ここでの「本人」と「世帯主」の考え方は、親世代と同居する場合に「世帯主」と「本人」が分かれることとなります。

保険料納付猶予制度とは

保険料納付猶予制度とは、20歳から50歳未満の方で本人または配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が基準額を下回った場合に国民年金保険料の支払いを猶予することができる制度です。

「保険料免除制度」とは異なり年齢の制限が付きますので注意しましょう。

国民年金保険料の免除と猶予の基準

国民年金保険料には、「保険料免除制度」もしくは「保険料納付猶予制度」を活用することで、保険料の免除、猶予を受けることが可能になります。さて、それぞれどのような基準で免除、猶予が受けられるのか詳細を確認してみましょう。

免除・猶予 所得低下の基準
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予制度 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

失業による特例免除

失業した方も国民年金保険料の免除、猶予を受けることが可能になります。

免除される金額は上記の通り、「全額免除」、「4分の3免除」、「半額免除」、「4分の1免除」の中から所得によって変動することになります。「失業による特例免除」のポイントは前年所得ではなく失業のあった月の前月から免除が受けれます。

学生の場合の免除申請

学生の場合は、国民年金保険料の免除申請にあたる「学生納付特例制度」を活用することで免除申請が可能になります。一定所得以下である必要がありますので所得審査が発生します。基準額は「118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」以下であれば国民年金保険料が免除となります。

学生の定義

  • 大学(大学院)
  • 短期大学
  • 高等学校
  • 高等専門学校
  • 特別支援学校
  • 専修学校及び各種学校 

国民年金保険料の免除・猶予の申請方法

国民年金保険料の免除や猶予は必ず申請を行う必要があります。申請をしないと未納扱いになりますので注意しましょう。それでは、申請時に必要な書類からお伝えしたいと思います。

●印は必ず必要な書類になり、○印は場合によって必要な書類となります。

●国民年金手帳または基礎年金番号通知書
●国民年金保険料免除・納付猶予申請書(ダウンロードはこちら
○前年(または1月から6月の申請は前々年)の所得を証明する書類
○所得の税の申告を行なっていない場合は所得の申立書
○失業の場合は、雇用保険受給資格者証の写しもしくは雇用保険被保険者離職票等の写し
○総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写し及び申請時の添付書類
○履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書
○税務署等への異動届出書、個人事業の開廃業等届出書または事業廃止届出書の写し(税務署等の受付印のあるものに限る。)
○保健所への廃止届出書の控(受付印のあるものに限る。)
○その他、公的機関が交付する証明書等であって失業の事実が確認できる書類

国民年金保険料の申請先は住民票の登録をしている市区町村役場に必要書類を提出することになります。郵送でも対応をしております。不明点については、市区町村役場ではなく日本年金機構に問い合わせを行う方が的確な回答をもらうことができるでしょう。

国民年金保険料の免除・猶予の継続

国民年金保険料の免除や猶予を継続する場合は、申請時に「継続希望区分」の欄の「する」に印を付ける事で翌年も申請なく継続することが可能になります。ただし、失業の場合は毎年の申請が必要になります。

国民年金保険料の免除・猶予を追納できる期間は10年まで

国民年金保険料の免除・猶予の申請を行なった場合は、後から年金を納める「追納」を行う必要があります。追納を行わないと受け取れる年金額が減額されてしまいますので注意しましょう。

現在は、国民年金の追納が10年前まで遡って保険料を納付することが可能になります。追納は最も古い期間から支払いができ、3年目以降の追納に関しては加算金が発生しますのでできる限り早く支払いを行うことをおすすめします。

また、追納の申請は年金事務所にて申請を行うことが出来ますが、「国民年金をクレジットカード払いにするとお得なの?割引率を徹底比較」でお伝えしたようなクレジットカード払いが出来ず、現金での支払いとなります。

まとめ

国民年金保険料の未納・猶予の基準、申請方法、必要書類、追納について解説を行いました。滞納してしまうとデメリットばかり発生してしまいますので、経済的に年金保険料の納付が厳しい場合は必ず免除または猶予の申請を行うようにしましょう。

50代から学ぶ「定年後設計スクール」



定年後はお金・生活・住まい・年金・医療費・相続・介護・補助金など知らないと”損”ばかりしてしまうことがたくさんあります。

そんな時におすすめしたいのが、50代から学ぶ「定年後設計スクール体験学習会」です。

3ヶ月で学べるプランで構成されており、受講することで老後の不安を大きく解消することができるでしょう。

特に以下のような方にはおすすめです。

  • 定年後もなんとかなると思いつつも不安がある人
  • 親の介護にかかるお金も心配な人
  • 生涯、経済的にも心理的にも豊かな生活をしたい人
  • 穏やかな定年後の生活を築きたい人
  • 一生涯関わるお金のすべてを学びたい人
  • 年金・保険・税金・資産運用などの、正しい知識を知りたい人

まずは、無料の体験学習会でご自身にとって有益な学びがあるのか判断するだけでも問題ないでしょう。

一人で不安を抱えている前に、まずは行動をすることで1つでも不安を解消するきっかけになります。

ABOUTこの記事をかいた人

老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。