子供がいる世帯が遺族年金を受給する前に知っておくべき全知識まとめ







主たる収入を得る世帯主が亡くなった場合、残された家族は金銭的に非常に苦労することになるでしょう。その際、年金保険料をしっかりと納付していれば「遺族年金」を受け取ることが可能になります。

ただ、遺族年金は妻のみの世帯、子供がいる世帯によって受給できる遺族年金の種類、金額、期間などが異なってきます。

そこで今回は、子供がいる世帯が遺族年金を受給する前に知っておきたい知識をまとめましたのでご確認頂ければと思います。遺族年金全般について知りたい方は「遺族年金の仕組み|受給金額はいくら?いつまでもらえるの?」をご参照ください。

子供がいる世帯が受給できる遺族年金の種類と受給額

それでは、子供がいる世帯はどのような遺族年金を受給することができるのか、遺族年金の種類と金額を確認したいと思います。

子供がいる世帯が
受給できる遺族年金
対象者受給金額
遺族基礎年金亡くなった方が会社員など第1号被保険者として加入779,300円+子の加算によって給付額が決まる
遺族厚生年金(遺族基礎年金も加算)亡くなった方が自営業など第2号被保険者として加入夫が本来受け取る予定だった厚生年金の3/4

まず、子供がいる世帯で受給できる遺族年金の種類は、大きく「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」となります。それぞれ具体的な金額を確認してみましょう。

遺族基礎年金の受給額

遺族基礎年金の受給額は、子供がいない世帯には支給されないのですが、子供がいる場合は、779,300円に子供1人につき224,300円が支給されます。子供の数が3人目を超えた場合は、1人につき74,800円が支給されることになります。

子供の数受給額
配偶者のみ0円
配偶者+子供1名1,003,600円(779,300円+224,300円)
配偶者+子供2名1,227,900円(779,300円+224,300円×2人)
配偶者+子供3名1,302,700円(779,300円+224,300円×2人+74,800円)
配偶者+子供4名年間1,302,700+4人以降の子ども1人につき74,800円

遺族厚生年金の受給額

遺族厚生年金は亡くなった方が生前にいくらの厚生年金保険料を納めていたか。によって受給できる金額は異なります。

目安としては、厚生年金の受給予定額の3/4が目安となり、子供がいる場合は、遺族基礎年金も合わせて受給することが可能になります。また、遺族厚生年金は子供がいない配偶者も受給することが可能になります。

こちらは早見表を添付しておりますのでそちらをご参照ください。

子供がいる世帯が遺族年金を受給するための条件と受給期間

では、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」はどのような受給条件を満たしていれば、受け取りが出来るのか条件と期間を確認してみましょう。

遺族基礎年金の受給条件と受給期間

遺族基礎年金の受給条件と受給期間について確認してみましょう。

まずは前提として、国民年金保険料を2/3以上納めている必要があります。ただし、救済措置として被保険者が死亡した前々月から1年前の間に滞納がなければ受給することは可能です。

また、子供の年齢が18歳になる3月31日までが受給期間となります。障害者等級1級または2級に該当する場合は20歳の3月31日まで受給期間が延長されます。

項目詳細
遺族基礎年金の受給資格
  • 老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上であり、保険料納付期間が加入期間の2/3以上ある
  • 被保険者の死亡時点から前々月までの1年間の間で保険料の滞納がない
遺族基礎年金の対象者
  • 18歳未満の子どもがいる妻または夫(夫の場合は妻死亡時に55歳以上であることが条件)
  • 18歳未満の子供※(1級・2級障害者なら20歳未満)
遺族基礎年金の受給期間
  • 子どもが18歳になるまで(18歳の年度末である3月31日まで)

遺族厚生年金の受給条件と受給期間

遺族厚生年金の受給条件と受給期間について確認してみましょう。

こちらも前提として、厚生年金保険料を2/3以上納めている必要があります。ただし、救済措置として被保険者が死亡した前々月から1年前の間に滞納がなければ受給することは可能です。

また、妻に限られますが、40歳から65歳の間は中高齢寡婦加算が加わりますので584,500円が追加で受け取りが可能になります。逆に、30歳以下で子供いない妻は5年間の限定的な支給になることに注意が必要です。

項目詳細
遺族厚生年金の受給資格
  • 被保険者が死亡または傷病の初診から5年以内に亡くなった方で保険料納付期間が2/3以上ある場合
  • 被保険者の死亡時点から前々月までの1年間の間で保険料の滞納がない
  • 老齢厚生年金の受給資格が25年以上ある方が亡くなった場合
  • 障害厚生年金(1級・2級)を受けられる方が死亡した場合
遺族厚生年金の対象者
  • 18歳未満の子、孫(障害等級1級、2級の方は20歳未満まで)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給は60歳から)
遺族厚生年金の受給期間
  • 妻の場合:一生涯支給される
  • 子供・孫の場合:18歳の年度末まで(障害等級1級または2級の場合は20歳まで)
  • 夫・父母・祖父母の場合:60歳以降から一生涯
注意点
  • 子供のいない妻の年齢が30歳以下の場合は、5年間の期限が定められた支給となる
  • 妻の年齢が40歳から65歳になるまでの期間は584,500円/年加算される(中高齢寡婦加算)

夫は遺族年金を受給できるか

遺族年金のイメージは夫が死亡し残された妻や子供を救済する制度と世間一般では見えるかもしれません。ただ、最近は、主夫と呼ばれる人も増えていますので夫が遺族年金を受給できないと困るというケースも少なくないと思います。

そこで、夫は遺族年金を受給することが出来るのか、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」それぞれを確認してみましょう。

遺族年金の種類夫の受給有無
遺族基礎年金受給可能(平成26年4月以降より適用)
遺族厚生年金受給可能(ただし夫の年齢が55歳以上であり受給開始は60歳からとなる)

上記の通り、現在は妻を亡くした夫が遺族年金を受給することは可能になります。もちろん、亡くなった妻が遺族年金の受給資格を満たしていることが前提になります。

ただし、夫が遺族年金を受給するには一部制限もありますのでお伝えします。

遺族基礎年金の場合は、平成26年3月までは、妻のみの支給となっており夫は支給されませんでした。法改正によって支給されるようになったのですが、平成26年3月以前の方は現在も遺族基礎年金を受給することはできません。

また、遺族厚生年金は、妻が亡くなった時に、夫の年齢が55歳以上でなければ受給資格を満たしたことになりません。また、受給開始年齢も60歳からと制限がされております。

再婚した場合は遺族年金が支給停止になる

遺族年金の受給時に注意してほしい点は、再婚すると遺族年金の支給が停止するということです。

遺族年金の基本的な考えは、残された家族の生活を支えるためとなりますので、再婚するとその役目が終了し支給停止となります。注意点は、再婚し離婚した場合に再び遺族年金を受給するということが出来かねます。

そのため、再婚し離婚すると従来よりも収入が大きく減少してしまう可能性がありますので慎重に検討しましょう。遺族年金と再婚に関しては「【再婚した方は注意】遺族年金の受給において知っておくべき4つの事」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。

子供がいない世帯でも受け取れる遺族年金

ここまで、子供がいる世帯の遺族年金の種類、条件、期限をお伝えしてきましたが、子供がいない世帯でも遺族年金として支給されるものがあります。

子供がいない世帯に支給される遺族年金の種類

  • 寡婦年金:遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給資格を有しない場合に受給できる
  • 死亡一時金:25年間保険料納付したが年金を受給する前に亡くなった場合に受給できる
  • 遺族厚生年金:厚生年金加入者が亡くなった場合に支給される遺族年金

では、寡婦年金と死亡一時金の資格、金額、期限について簡単に触れておきたいと思います。

遺族年金の種類条件詳細
寡婦年金受給条件
  • 国民年金保険料の納付期間が10年以上ある
  • 婚姻関係が10年以上あり夫によって生計が成り立っていること
  • 夫が障害年金や国民年金を受給していない
  • 妻が年金の繰り上げ受給をしていない
給付額
  • 夫が受け取る予定であった老齢基礎年金の3/4
受給期間
  • 妻が60歳から65歳の間
死亡一時金受給条件
  • 遺族基礎年金を受給していない
  • 亡くなった方が36ヶ月以上年金保険料を納めている
  • 亡くなった方によって生計が成り立っていた
  • 寡婦年金を受け取らない場合
給付額
  • 保険料納付期間によって12万円から36万円で変動する。
  • 36ヶ月以上納付した分は一月につき8500円が加算される
受給期間
  • 一時金のため初回のみ

まとめ

子供がいる世帯が遺族年金を受け取る前に知っておきたい制度について解説を行いました。

遺族年金は残された家族を支える重要な制度と言えますし、実際に家計を支えてくれることは間違いありません。しかしながら、年金保険料の滞納は今だに社会問題となっておりますが、残された家族のためにも年金保険料はしっかりと収めましょう。

2018年より年金未納者への強制徴収の基準も強化されています。詳しくは「2018年最新情報|年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」をご参照ください。









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