2019年最新情報|年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説







年金は老後の生活を支える重要な収入源ですが、年金制度が破綻する。ないし、受け取れる金額が支払った金額よりも少なくなる可能性がある。

ということから、年金保険料を納めない「年金未納」が社会問題となっています。

この「年金未納」は、将来年金が受給できないだけでなく様々デメリットを引き起こすことから、今回は「年金未納」の影響について解説したいと思います。

2018年1月最新|強制徴収の基準が厳格化される

2018年1月29日に発表された最新情報ですが、これまで、年金の強制徴収対象は年収300万円以上、13ヶ月以上の滞納者でしたが、これが年収300万円以上、7ヶ月以上の滞納者に変更されると発表がありました。

これによって、強制徴収の対象となる人が36万人から1万人増え、37万人になると予測されています。年金を滞納しても良いことは無いので、財産が没収されてしまう前に納付を行うことを強くお勧めします。

国民年金未納者は約4割もいる

国民年金は「納税の義務」として納付が必要になる制度ですが、厚生労働省の「国民年金保険料の納付率について」参照すると国民年金の納付率は2016年度で66.6%という結果となっています。

従って、国民年金の未納者は3割から4割近くになっているようです。

やはり経済的に厳しい方やこれだけ「年金制度崩壊」について騒がれていますので、年金を納めると損をする。と考える方も一定数いるということだと思います。

また、「4割も未納であれば自分も大丈夫だろう・・」と考える方もいるかもしれません。

しかしながら、国民年金はあくまで第1号被保険者が対象であり、会社員や公務員などが加入する、第2号被保険者や第2号被保険者の扶養家族である第3号被保険者を含めると全体の納付率はどのようになるのか確認してみましょう。

厚生年金も含めると年金未納者は3.3%程度

厚生労働省の「社会保障審議会年金事業管理部会資料(第26回)」を参照すると、公的年金の加入対象者は全国に6729万人おり、内24ヶ月以上年金を支払っていない「年金未納者」は206万人、「未加入者」が19万人となります。合わせて225万人が年金未納の状態であると記載されています。

そうすると、国民年金及び厚生年金の加入対象者6729万に対して、未納者は225万人程度ですので未納率は3.3%程度である。という事実が見えてきました。

国民年金の納付率だけを確認すると「4割近くが未納。国民の多くは年金を支払っていない。」と見えてしまいますが、実際は3.3%しか未納の方はいないのです。

では、なぜこのように4割も年金未納である。ということを誇張するのかと言えば、「年金破綻」を歌った方が儲かる業界がある。ということです。そもそも年金制度はそんなに簡単には破綻しないでしょう。

数字のトリックに惑わされずに正しい判断を行うことが重要と言えます。

そもそも国民年金はいくらもえるのか?

国民年金の満額受給額は、平成29年度で77万9300円となります。月額にすると64,941円になりますが、これだけの金額では、元が取れるのか分からないので年金は納付するだけ「損」という見方もできるかもしれません。

実際、全ての方が満額受給している訳ではなく、国民年金の支給額平均を確認すると55,244円と満額よりも1万円程度低い金額となっています。

年金の平均支給額については「2019年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」をご参照頂ければと思いますが、年金未納者はこの年金が受け取れないだけでなく、様々なデメリットも抱え込むこととなりますので、詳しく解説をしたいと思います。

年金未納者への強制徴収が強化される|2018年最新

年金未納者が問題となる中で、国も「強制徴収の強化」を行うことを決めています。

強制徴収は厚生労働省や日本年金機構が行いますが、どの基準から強制徴収の対象になるのか。これまでの経緯を時系列で整理してみましょう。

年度年間所得未納期間
2014年度400万円以上13ヶ月以上
2015年度400万円以上7ヶ月以上
2016年度350万円以上7ヶ月以上
2017年度300万円以上13ヶ月以上
2018年度300万円以上7ヶ月以上

上記のように年々「強制徴収」の基準は強化されており、2014年には年間所得が400万円以上あり年金未納期間も13ヶ月以上だったものが、直近2018年度では年間所得300万円以上、年金未納期間は7ヶ月まで対象が強化されています。

項目2015年度2016年度2017年(4月〜9月)
最終催告状送付84,801件85,342件79,428件
督促状送付43,751件50,423件24,959件
差押実施7,310件13,962件4,328件

過去の強制徴収の実績を確認すると2015年から2016年にかけて「差押実施」は6,652件の増加と着実に資産の差し押さえが実施されていると言えます。

また、2017年は4月〜9月までの5ヶ月間は、既に実績が公表されておりますが、最終催告状の送付件数は前年と比較しても非常に多くに発送していることが分かります。これから、2017年の結果も公表されるでしょうが、2016年よりも高い数字になると予測が出来ます。

さらには2018年1月に発表されたように、強制徴収の対象を年収300万円以上、滞納期間は7ヶ月にすると発表がありました。

これによって、強制徴収の対象となる人は1万人程度増加する見込みとなっています。

強制徴収されるまでの順序

年金未納者にどのような順序で強制徴収まで至るのかお伝えしたいと思います。

まず「年金納付月の翌月末」までに年金を納めないと「未納状態」になります。そうなると「納付督励」のステージへ進み、日本年金機構や外部委託する業者から「電話・文書・訪問」などで催促の連絡が来ます。

最終催告状は無利息で支払いができる最後のチャンス

それでも年金の支払いを行わないと「最終催告状」が届きます。

2016年度では8.5万通送付されていますが、この文書が届くとということは経済的に支払いができるが滞納していると国が判断しているということですので、納付ができるならば必ず「最終催告状」のタイミングまでに支払いましょう

督促状が届くと年利14.6%も延滞金が発生する

「最終催告状」の段階を過ぎてしまうと「督促状」が送られて来ます。

2016年度は5万通の督促状が送付されていますが、督促状が送られて来ると何が問題かと言うと「延滞金」が発生するのです。

それも年利14.6%と恐ろしい延滞金が課せられますので、なんとしても「最終催告状」までに支払いを行うようにしましょう。

年金の2年時効は督促状で中断される

年金未納は2年で時効となり、逃げ切ることができるのは事実です。ただし、「督促状」が出された場合、その時効は中断されるのです。

ここまで強制徴収が厳しくなかった頃は、2年の時効で年金の支払い義務を逃れた方もいるようですが、現在は国も本腰を入れて徴収していますので、2年の時効を迎える前に強制徴収される可能性が高いと言えます。

強制徴収・財産差押

そして、「督促状」が来ても年金の支払いをしないと「強制徴収・財産差押え」となります。

2016年度は1.4万件の強制徴収が発生していることから、自分は大丈夫だと思っていると資産の多くが持って行かれてしまう。ということが起こりかねないので、年金はしっかりと納付するようにしましょう。

障害年金が受け取れない

障害年金とは、国民年金加入者が病気や怪我によって障害者認定を受けた場合に、65歳を前に「障害基礎年金」を受給することができる制度です。

一種の保険のようなものですが、受け取れる金額も障害等級1級の場合は974,125円+子供1人につき224,300円が加算されます。また、障害等級2級でも779,300円+子供1人につき224,300円が加算されます。(3人目以降は74,800円)

このように、65歳からの年金受給以外にも国民年金が役に立つことを知らない方などは、この機会に年金を納める方が得策と言えるでしょう。障害年金の詳しい解説は「障害年金とは?受給資格・受給金額・申請方法・更新手続きを徹底解説」をご参照ください。

遺族年金が受け取れない

障害年金に加えて、遺族年金も年金未納者は受け取ることが出来ません。

遺族年金は「遺族基礎年金」という名目で受給できるのですが、子供を支援することを目的にした制度ですので配偶者の方のみの場合は受け取りが出来ません。

しかしながら、18歳未満の子供1人の場合1,003,600円、2人の場合1,227,900円、3人の場合1,302,700円も受給することが出来ますので非常に貴重な年金と言えるでしょう。

遺族年金の詳しい解説は「遺族年金の仕組み|受給金額はいつまでいくら貰えるのか?」をご確認ください。

上記のように「障害年金」も「遺族年金」も受給出来ないと、いざという時に残された家族に負担がかかってしまいますので、やはり年金はしっかりと納めた方が良いと言えるでしょう。 

経済的に年金が支払えない時は「免除」・「猶予」を活用すべし

上記のように、年金未納であるだけでも様々なデメリットを抱えることになりますので、年金の支払いができる方は早々に納付した方が良いと言えるでしょう。

ただ、支払いしたくても支払いができない。

という方もいると思います。その場合は、「免除」・「猶予」のどちらかを必ず選択するようにしましょう。

国民年金保険料免除制度とは

所得が少なく失業などによって、本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下にさがってしまった場合に年金保険料が免除となる制度です。

急なリストラなどによって職を失ってしまった方などはぜひこの制度を活用しましょう。

免除額適用条件
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
3/4免除78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
1/4免除158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

国民年金保険料納付猶予制度とは

国民年金保険料免除制度と似た条件になりますが、20歳から50歳未満の方で本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下に下がってしまった場合に年金保険料が猶予される制度です。

項目適用条件
納付猶予制度(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

保険料の「免除」または「猶予」の手続きを行うメリット

国民年金の保険料は、実は1/2を国庫が負担しているのです。そのため、保険料の免除期間でも老後に年金を受け取る際は1/2は受け取ることが可能になります。そのため、所得が大幅に低下した方は「免除」の申請を行うようにしましょう。

ちなみに、国民年金保険料免除制度の申請をしないとこの1/2を受け取るとことは出来ません

また、保険料の「免除」または「猶予」期間中に怪我や病気によって障害または死亡した場合も、障害年金及び遺族年金を受け取ることができます

「免除」・「猶予」には申請が必ず必要です

「国民年金保険料免除制度」及び「国民年金保険料納付猶予制度」は必ず申請が必要になります。「国民年金保険料 免除・納付猶予申請書」こちらのページから該当する申請書を用意し手続きを行うようにしましょう。

年金未納者も平成30年9月30日まで「後納制度」で挽回できる

国民年金は、「納付対象月の翌月末」が納付期限となり、2年間の時効を過ぎると納付すること出来なくなります。年金未納が発生すると受け取れる年金額が減少するなどの問題が発生しますが、「後納制度」と呼ばれる2年以上前の年金を遡って納付することができる制度があります。

名称「後納」納付期間遡り期間現在の状況
年金確保支援法平成24年10月1日から平成27年9月30日10年前まで終了
年金事業運営改善法平成27年10月1日から平成30年9月30日5年前まで有効

上記のように「年金確保支援法」が平成27年9月30日まで施行されていましたが、こちらは現在は終了しております。

そこで、新たに平成27年10月1日から平成30年9月30日まで過去5年間に遡って未納分を納付することができる「年金事業運営改善法」が現在施行されています。

この機会に年金未納者の方は「後納制度」を活用するようにしましょう。

後納制度の対象者

それではどのような方が後納制度を活用できるのか確認してみましょう。

  1. 20歳以上60歳未満の方で、過去5年以内の未納期間がある方
  2. 60歳以上65歳未満の方で、(1)の期間及び、5年以内の任意加入期間に未納がある方
  3. 65歳以上の方で(1)の期間及び、5年以内の任意加入期間に未納があり、年金受給資格のない方
任意加入とは?

国民年金の加入期間は原則20歳から60歳までとなりますが、保険料の納付期間が足りない場合は、国民年金の受給額の満額を上限に60歳から65歳まで任意で国民年金に加入し保険料を納めることができる制度です。

国民年金の満額支給額は「平成29年度|国民年金(老齢基礎年金)の満額支給は年額77万9300円」をご確認ください。

年金未納のまとめ

年金未納は年金が受給できないだけでなく、財産の強制徴収や障害年金、遺族年金を受給できない。など様々なデメリットがあります。

現在、経済的に支払いが難しい方は「免除」もしくは「猶予」の申請を行うようしましょう。

年金を納付することができる方は「後納」の期限が平成30年9月30日までと締め切りが迫っていますので早々に納付することをおすすめします。

また、国民年金はクレジットカードでも支払いができるようになっていますので、詳しくは「国民年金をクレジットカード払いにするとお得なの?割引率を徹底比較」をご確認ください。









ABOUTこの記事をかいた人

老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。