老後に住み替えるならマンションと戸建(注文住宅)どちらが良い!?50代から考える終の住処







50歳を超える老後の準備に向けて、終の住処である住宅の住み替えやリフォームを検討する方が増えてくるようです。「平成28年度住宅市場動向調査」によると分譲マンションの平均購入年齢は43.3歳で50歳以上の割合は25.9%、戸建(注文住宅)においても平均購入年齢は43.3%で50歳以上の割合は25.5%と、共に50歳を超えてから新しい住宅を購入する方が25%近くいる結果となりました。それでは、このマンションと戸建(注文住宅)は老後に住み替えを行う場合、どちらの方がメリットが高いのか比較をしてみましょう。

老後の住み替えに適しているのは?マンションと戸建(注文住宅)を比較

早速マンションと戸建(注文住宅)を10項目で比較をしたいと思います。比較項目として老後の生活を、安全面・生活面・資金面から必要とされる項目を抽出しています。

評価項目マンション戸建(注文住宅)
バリアフリー対応
セキュリティの高さ×
管理人有無×
自然災害への耐久
日当たり・風通し・展望
室内温度(寒暖)
住宅管理・清掃×
火災保険料×
修繕積立金
ランニングコスト

バリアフリー対応

バリアフリー対応についてマンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのか、評価は共に「△」としましたが、詳しい解説をみてみましょう。

マンションにおけるバリアフリー対応の解説

マンションの場合、基本的には床に段差がない構造になっていることや共有部にエレベーターが設置されているので、老後の生活としては住みやすい環境であることは間違いありません。一方で、手すりや廊下の通路幅の拡大などは融通が通りづらい側面もあります。バリアフリー用のマンションを購入することや分譲マンションを改修する方法もありますが、共に費用が高くなります。そのため、介護が必要ないシニア世帯であれば評価は素晴らしいと言えますが、将来を見越すと少々不安が残る結果でしょう

戸建(注文住宅)におけるバリアフリー対応の解説

戸建(注文住宅)は新築であれば設計段階から要望を伝えることが可能です。そのため、将来を見越してバリアフリー構造の住宅を建築すれば、介護まで対応できる住宅を手にすることができるでしょう。一方で戸建の場合もバリアフリー構造にすることで支出が増えますので、こちらもマンション同様に資金面を考えると重たい買い物になることから△評価としました。

セキュリティの高さ

セキュリティの高さについてマンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのか、評価はマンションが「○」戸建(注文住宅)は「×」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションのセキュリティについて解説

マンションのセキュリティの高さは一定の評価を与えても問題ないでしょう。理由としては、オートロック、防犯カメラ、宅配ボックスが備え付けられているの加え、最近ではホームセキュリティも基本設備の1つとして購入時から設置されているマンションが増えています。老後は強盗等の被害なども増えますので、このような設備が備わっているのは非常に安心でしょう。

戸建(注文住宅)のセキュリティについて解説

戸建(注文住宅)もマンションに必要な設備を備えることができますが、基本的には全て追加費用が発生してしまいます。また、オートロックなどは締め出されてしまうと管理会社への連絡など手間が発生してしまうことから、セキュリティに加え住みやすさという点ではマンションの方が優れていると言えるでしょう。

管理人有無

管理人の有無についてマンションと戸建(注文住宅)を比較しますが、これは言うまでもなく、マンションにしか管理人はおけないでしょう。

マンションの管理人は非常にメリットが高い

マンションの多くは通勤または24時間体制で管理人が常駐しています。特に単独世帯は日頃の健康状態などをチェックしてくれる人が近くにいないのでこの管理人の存在が非常に大きくなります。2年から3年も住めば管理人とも顔見知りになり、何気ない日常会話も生まれますし、万が一の時にあなたの存在を気にかけてくれるので非常に頼もしい存在になるでしょう。

戸建(注文住宅)の場合は管理人ではなく近隣住民との繋がりを重視する

戸建(注文住宅)の場合は、管理人を依頼することは難しいでしょう。一方でマンションよりも近所との付き合いが生まれやすいので、地域のコミュニティにしっかりと根付くことが重要でしょう。逆にうまくコミュニケーションが取れないと孤立の原因にもなりますので不安は残ります。近くに子供世帯が暮らしている場合は安心材料ですので、このような場合はマンションでも戸建でも問題ないかもしれません。

自然災害への耐久

自然災害への耐久については主に地震と津波への対応に絞り、マンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのかを比較したいと思います。評価はマンションが「○」戸建(注文住宅)は「△」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションが自然災害への耐久に優れている理由について解説

分譲マンションの多くは1階がロビーになっており、低層階でも2階からが居住用のスペースとしているマンションが多いです。そのため万が一津波にが発生しても浸水するリスクを減らすことができますし、現在建築されているマンションの多くが免震構造で地震への耐久も非常に強いと言えるでしょう。その点を評価し「○」とさせていただきました。

戸建(注文住宅)の自然災害への耐久について解説

戸建(注文住宅)も長期優良住宅などの基準を満たすことで非常に長く住み続けることが可能です。地震への対応として免震構造にすることももちろん可能。一方で津波被害については防ぎきれない側面があります。住宅が流されはしないまでも、浸水してしまうリスクはマンションよりも高いため評価は「△」とさせて頂きました。

日当たり・風通し・展望

日当たり・風通し・展望について、マンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのかを比較したいと思います。評価は共に「△」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションの日当たり・風通し・展望について解説

マンションの場合、上層階へ住むことで「日当たり・風通し・展望」を確保することは比較的簡単にできるかもしれません。ただ、立地が利便性を重視し駅近に建設されることが多いので場所によっては、外の風景があまり良くない。。というケースもあるかもしれません。また、低層階の場合は、窓を開けても壁しかない。という状態にもなるので、日当たり・風通し・展望を担保できる物件を探す必要があると言えます。

戸建(注文住宅)の日当たり・風通し・展望について解説

戸建(注文住宅)の場合は、土地探しから始まりますので、ご自身が納得感のある場所を確保することで日当たり・風通し・展望を担保することは可能と言えるでしょう。ただ、その周辺に大型マンションが建設されるなど予測できない自体によって日当たり・風通し・展望が無くなってしまう可能性もあることから「△」とさせて頂きました。

室内温度(寒暖)

室内温度(寒暖)について、マンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのかを比較したいと思います。評価はマンションが「○」、戸建(注文住宅)が「△」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションの室内温度(寒暖)について解説

マンションは住宅が密集した設計ですので、夏は涼しく、冬は暖かいです。これは戸建とマンション両方住んだ経験がある方なら一目瞭然かもしれません。そのくらいマンションの気密性は高く評価ができるポイントでしょう。老後の生活においては、この寒暖差を無くし生活しなければ最悪死に至る危険もありますので重要な項目です。また、光熱費の削減にもなるのが嬉しいポイントでしょう。

戸建(注文住宅)の室内温度(寒暖)について解説

戸建(注文住宅)の場合も寒暖差を減らす設計にすることは可能ですが、やはりマンションにはやや劣ってしまうでしょう。その差は冷暖房によって埋めることができますので生活上支障はありませんが、その分光熱費が高くになりますのでマンションよりも評価を下げさせて頂きました。

住宅管理・清掃

住宅管理・清掃について、マンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのかを比較したいと思います。評価はマンションが「○」、戸建(注文住宅)が「×」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションの住宅管理・清掃について解説

マンションの場合は、管理人や専門業者が共有部分の清掃や管理を行ってくれますので、居住用スペースのみの管理で住むことはメリットでしょう。加えて後述しますが、修繕積立金を支払っていますので、マンションで老朽化した部分などは自分で業者を探したり見積もりをするなどの手間がないので管理が楽であると言えます。将来、配偶者だけが残された場合などマンションのように管理者がいた方が安心した生活を送れるでしょう。

戸建(注文住宅)の住宅管理・清掃について解説

戸建(注文住宅)の場合は、住宅の老朽化対策から庭の手入れなど全て自分自身で管理する必要があるでしょう。これは、元気なうちは良いのですが、体が動かなくなってくると住宅や庭が荒れ果ててしまい、外部の業者に委託すると臨時出費となりますので不安が残る結果と言えます。

火災保険料

火災保険料について、マンションと戸建(注文住宅)を比較しますが、これは明確にどちらの方が安く済むか?の二者択一で考えたいと思います。評価はマンションが「○」、戸建(注文住宅)が「×」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションの住宅管理・清掃について解説

マンションは鉄筋コンクリートで建築されますので燃えにくいことから、火災保険が比較的安く済みます。大きな支出ではないものの、少しでも老後の支出を削りたいと考える方はマンションの方が利点があるでしょう。

戸建(注文住宅)の住宅管理・清掃について解説

戸建(注文住宅)は木造一戸建てという言葉あるように木造で建築されることが多いため、その分燃えやすく火災保険料が高くなる傾向があります。先ほど述べたように大きな支出ではありませんので、火災保険料の支出が問題ない場合は、あまり考えなくても良いかもしれません。

修繕積立金

修繕積立金はマンションのみに発生します。そのため、戸建(注文住宅)は費用がかからないため支出という側面ではマンション「△」、戸建(注文住宅)「○」としていますが、詳しい解説を行いたいと思います。

マンションの修繕積立金について解説

マンションの場合は、数年単位で修繕積立金が上がっていきます。住宅ローンが完済していても、この修繕積立金に管理費を加えて月に数万円の支出が生まれてしまうことは、家計の支出としては重たいかもしれません。ただ、先ほど述べたように煩わしい作業は、この費用から対応をしてもらえますし、毎月積み立てているので、突発的な支出にはならないので安心です。これをメリットと取るかデメリット取るかは個人によって判断が別れるポイントでしょう。

戸建(注文住宅)の修繕積立金について解説

戸建の場合は、修繕積立金という考えないため、日々の生活においての支出は最小限にすることができます。一方で住宅の修繕が必要になった場合、まとまった金額が必要となりますので積み立てをしていない場合予想外の支出に苦しむ可能性があります。あくまで老後の住宅という考えいけば、20年から30年程度の居住であれば大規模な修繕は発生しないかもしれませんが、それでも外装の塗り替えなどは必要になることからどちらにせよ、コツコツと積み立ては必要になるでしょう。

ランニングコスト(固定資産税)

ランニングコスト(固定資産税)について、マンションと戸建(注文住宅)どちらが良いのかを比較したいと思います。評価はマンションが「△」、戸建(注文住宅)が「○」としましたが詳しい解説をみてみましょう。

マンションのランニングコスト(固定資産税)について解説

先ほど述べた、修繕積立金や管理費に加え、固定資産税もマンションの方が、戸建よりも高い傾向があります。毎年発生する支出なので老後資金への影響もあることから不安の残る評価とさせて頂きました。

戸建(注文住宅)のランニングコスト(固定資産税)について解説

戸建(注文住宅)はマンションよりも固定資産税が安く済みますので金銭的なメリットは大きいでしょう。ただ、あくまで同条件の住宅に暮らした場合。という条件付きです。老後の二人世帯の暮らしに”一戸建住宅”が本当に必要なのか?と考えると疑問が残ります。結局支出はマンションの方が安くなるというケースもありますので注意が必要でしょう。

広すぎる住宅は支出の増加などのリスクが伴う

老後の住み替えは、同居する世帯人数によって考えるとことがベストです。先ほど、固定資産税の話をしましたが、夫婦二人で居住するのに”一戸建住宅”は本当に必要でしょうか?1LDKのマンションでも十分な生活を営むことができるはずです。

当然、購入する住宅の間取りが狭くなればその分、住宅を購入する資金も固定資産税などのランニングコストも安く済みます。加えて、二階建ての場合、鍵の閉め忘れなどの防犯面での不安や階段が登れなくなるなど生活面でも支障がでるケースもあります。そのため老後の生活をよくシミュレーションすることが非常に重要になるでしょう。

住み替えに必要な資金調達方法

ここまで、老後の終の住処についてマンションと戸建(注文住宅)の比較を行いましたが、どちらにせよ、住宅を購入するには一定の資金が必要になります。そこで老後の住み替えに適した住宅購入資金の調達方法をお伝えします。

まだ住宅ローンが残っている場合は住み替えローンを活用

現在お住いの住宅がまだ住宅ローンが残っている。という方は、現在のローンとこれから購入する住宅のローンを合わせてしまう「住み替えローン」はオススメです。ただ、住宅ローンを組む場合、所得条件等が厳しく審査がなかなか通らないという点は注意が必要でしょう。

年金収入でも大丈夫なリバースモーゲージ

住宅ローンは就労していることが条件として審査されるケースが多いのですが、リバースモーゲージの場合は現在の住宅を担保に資金を借り入れすることができるため年金収入でも所得審査を通過することができます。また、返済が債務者死亡後に担保にした住宅を売却し返済するため、生きている間は返済が発生しない利点もあります。リバースモーゲージの詳しい解説はこちらを参照してください。

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現金資産よりも不動産の方が相続税対策にもなる

住み替えをする住宅も購入資金も目処が立ち、晴れて新しい老後の生活が始まった方は、相続についても考えるようにしましょう。実は現金資産で相続するよりも住宅で相続した方が相続税対策になるのです。加えて、住み替えなども特に考えていない。という方も子供世帯に現金相続させるのであれば住宅を相続させるほうがお得なので合わせて検討するようにしましょう。詳しい解説はこちらを参照し、相続税対策の準備も進めるようにしてください。

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まとめ

最後に、マンションと戸建(注文住宅)において老後の住み替えはどちらに適しているのかを整理をしたいと思います。

老後の住み替えにマンションを選ぶ方が良い方

老後の住み替えにマンションが適している方

  • ライフスタイルに合わせた広さの住宅があれば十分な方
  • 管理などの手間をかけたくない方
  • 将来老人ホームへの入居も考え、過剰なバリアフリー構造まで考えていない方

老後の住み替えに戸建(注文住宅)を選ぶ方が良い方

 老後の住み替えに戸建(注文住宅)が適している方

  • 家族など集まれる広い住宅が好みの方
  • ランニングコストを削減したい方
  • 老人ホームなどには頼らず在宅介護が理想な方

老後の住み替えは何を重視するのかで判断が別れるポイントですが、大切にしたい事に優先順位をつけ、マンションか戸建(注文住宅)かを選択できるようにしましょう。









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