年金を払いたくない!と思った時に今一度考えたい年金の必要性







年金に関する不祥事はここ最近でも遺族年金の18億円の過払い振替加算600億円の支給漏れなど問題ばかりが発生している状態です。

このような状態では自分の財産を年金として預けることに抵抗を感じる方も少なくないでしょう。

さらには、国民年金も厚生年金も共に保険料が値上げされるなど現役世代にとって相当の負担となっていることでしょう。ただし、年金は払いたくない!と思ったとしても納付義務がありますので払わない訳にもいかないのです。

どうせ支払うならば少しでも年金の恩恵を受けた方が良いでしょうから、今回は「もう年金を払いたくない!」と思った方に向けて滞納する前に知って頂きたい年金の必要性について解説を行います。

年金を払わないとどうなる?

まずは、年金を払わないとどのような罰則があるのか確認してみましょう。

年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」にて解説を行いましたが、滞納を続けると資産の強制徴収があります。加えて、年金も受給できないので老後の収入は仕事をしなければ0円となってしまう方も多いでしょう。

収入が0円ということは毎月のように預貯金が減り続ける恐怖に怯えながら生活をする必要が出てきます。実際、十分に生活できるはずの預貯金があったとしても毎月のように減っていく預貯金を見ると不安になってしまう。というのは良くある話です。

そのため、自分の老後の為にも年金はしっかりと納付することを強くおすすめします。

年金支給額の平均は国民年金5.5万円、厚生年金14.7万円

平成29年度の年金支給額の平均は、国民年金のみを受給している方の場合は毎月5.5万円、厚生年金受給者の場合は14.7万円が支給されています。

この先も安定して上記の金額を受給することができる。と約束できる訳ではありませんが、10万円以上の収入が一生涯支給されるのは年金のみとも言えるので貴重な制度であることは変わらないでしょう。

年金の給付制度も活用できない

国民年金と厚生年金にはそれぞれ「障害年金」と「遺族年金」と呼ばれる年金の給付制度があります。この双方の制度は一家の大黒柱に万が一のことが合った場合に給付される年金でこちらも滞納者は受給することが出来なくなります。

以下は障害年金と遺族年金のそれぞれの受給額になりますが、義務である年金を支払うだけで万が一の時に以下の金額が支給されますので残された家族にも年金は分配できると覚えておきましょう。

年金の給付制度支給額
障害基礎年金
  • 【1級】 974,125円+子の加算
  • 【2級】 779,300円+子の加算
障害厚生年金
  • 【1級】:(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)
  • 【2級】:(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕
  • 【3級】:(報酬比例の年金額) ※最低保障額 584,500円
遺族基礎年金
  • 779,300円+子の加算によって給付額が決まる
  1. 子供が1人の場合:1,003,600円(779,300円+224,300円)
  2. 子供が2人の場合:1,227,900円(779,300円+224,300円×2人)
  3. 子供が3人の場合:1,302,700円(779,300円+224,300円×2人+74,800円)
  4. 子供が4人目以降の場合:年間1,302,700+4人以降の子ども1人につき74,800円
遺族厚生年金
  • 夫が本来受け取る予定だった厚生年金の3/4

経済的な理由で年金が払えないならば猶予や免除が良い

上記の通り年金を納付することで得られるメリットは金銭的にも非常に大きいと言えます。

しかしながら、年金保険料も決して安くはありません。平成29年度では国民年金保険料は毎月1万6,900円、厚生年金保険料は標準表月額に対して18.3%と収入の大きな部分を年金保険料として徴収されています。

そのため、年金を支払いたいと思っても支払えない。という方もいるでしょう。

このような場合は、年金保険料の猶予または免除申請を行うことをおすすめします。猶予、免除期間中も半額は保険料を納めたことになりますし、障害年金や遺族年金の給付も受けることが可能になります。

滞納すると待ち受けるのは強制徴収ですが、猶予・免除申請では給付が受けられると大きな違いがありますので「国民年金保険料の免除と猶予|基準・申請方法・必要書類・追納を解説」を参照頂き、金銭的に納付が厳しい場合は申請を行うようにしましょう。

絶対に年金を払いたくないという方は海外に行けば逃れられる

海外へ移住すると年金の支払いは免除されます。

外務省の「海外在住者と日本の医療保険,年金」によると海外に居住する方も国民年金に任意加入することが出来る。と記載があります。

そして、任意加入しない場合は、「海外在住期間は合算対象期間として老齢基礎年金を受給するための資格期間に算入されますが,受給する年金額には反映されません」を記載されています。

要は、受給資格は保有しているが、受け取れる年金額は納めた保険料で決まる。ということになります。

従って、海外在住者は年金保険料を納めなくても財産が強制徴収されることはありません。ただし、年金は実際に納めた保険料に応じて受給することになりますので、しっかりと年金保険料を納めた方よりも少額になるでしょう。

また、海外に行く際も特別な手続きは不要となり役所にて住民登録を抹消することで完了となります。

海外赴任のサラリーマンは対象外

では、海外赴任のサラリーマンも年金保険料の支払いから逃れることができるのでしょうか?

残念ながらこれは出来ません。日系の会社の場合は、海外赴任の際も給与から厚生年金保険料が自動徴収されてしまいますので年金保険料は支払うことになります。

外資系の企業で日本法人がないなどの場合は例外もあるかもしれませんが、基本的にサラリーマンの場合は厚生年金として徴収されますので年金の滞納自体が出来ないでしょう。

まとめ

年金を払いたくない。と思った方は今一度、強制徴収されてしまうリスクや障害年金、遺族年金が受給が出来なくなるデメリットがある。ということを考えるようにしましょう。

そもそも年金を納めないこと自体が違法なので1つの選択肢である。という訳ではありませんので必ず納付しましょう。

それでも年金を払いたくない場合は、海外に転居することで支払いは逃れることが出来ますが、どちらにせよ老後の貴重な収入源が無くなることから慎重に検討をするようにしましょう。









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