相続税を延納したらいくらの利子税を払う?延滞税との違いを解説







相続税は財産を相続する際にまとまった現金が必要になります。人によっては数千万円から数億円の相続税を納める必要があることから手持ちの現金がない。というケースも少なくないでしょう。

そのような時は、相続財産の土地や建物を売却し現金を用意する方法などが挙げられますが、不動産の売却も時間がかかるものです。仮に申告期限に間に合わないような場合はどうするか?

このような時に活用できる制度が「相続税の延納」になります。

今回はこの「相続税の延納」について解説すると共に延納した場合の利子税がいくらかかるのか。また、延滞税と利子税の違いについて解説を行います。

相続税の延納とは

相続税の延納とは、相続財産の多くが土地や建物などですぐには現金化できないような場合に相続税を分割で支払うことができる制度です。

いわゆる年賦方式で相続税の負債が徐々に減っていく仕組みとなります。そのため、分納時には利子が発生するのですがこれを「利子税」と呼びます。

利子税の詳細については後述しますが、まずは、相続税の延納要件を確認してみましょう。

相続税の延納要件

相続税の延納要件は主に4点あります。

相続税の延納要件

  1. 相続税の申告期限までに延納申請書の提出を行うこと
  2. 相続税額が10万円以上であること
  3. 一括で相続税を納められない理由があること
  4. 延納税額に相当する担保を提供すること(延納税額が50万円未満であり延納期間が3年以下であれば不要)

相続税の延納を活用する際に担保

上記の④にある「延納税額に相当する担保を提供すること」ですが、相続税の延納を活用する際の担保には指定がありますのでお伝えしたいと思います。

担保要件

  • 有価証券(国債、地方債、社債等)
  • 土地、建物、立木
  • 自動車、船舶、気化器
  • 財団

未上場株式は不動産が担保に入っており、他に該当する担保がない場合は認められます。

相続税の延納をしたらいくらの利子税がかかる?

では、実際に相続税の延納を申請した場合、いくらの利子税を支払うことになるのか確認してみましょう。まず、相続税の延納における利子税は相続する財産の割合によって利子税と延納期間が異なります。

原則の延納期間は5年となりますが、一覧表で利子税と延納期間を確認してみましょう。

区分延納期間
(最高)
延納利子税
(年割合)
特例割合
不動産等の割合が75%以上動産等に係る延納相続税額10年5.40%1.30%
不動産等に係る延納相続税額20年3.60%0.80%
計画伐採立木の割合が20%以上の計画伐採立木に係る延納相続税額20年1.20%0.20%
不動産等の割合が50%以上動産等に係る延納相続税額10年5.40%1.30%
不動産等に係る延納相続税額15年3.60%0.80%
計画伐採立木の割合が20%以上の計画伐採立木に係る延納相続税額20年1.20%0.20%
不動産等の割合が50%未満一般の延納相続税額5年6.00%1.40%
立木の割合が30%を超える場合の立木に係る延納相続税額5年4.80%1.10%
特別緑地保全地区内の土地係る延納相続税額5年4.20%1.00%
計画伐採立木の割合が20%以上の計画伐採立木に係る延納相続税額5年1.20%0.20%

利子税の計算方法

それでは上記の利子税と延滞期間を踏まえて利子税を計算したいと思います。利子税の計算式は以下の通りです。

利子税の計算式

延納税額 × 利子税 = 利子税額

では、実際の事例で計算してみましょう。計算を簡素化させるために条件は利子税2.0%、延納税額が3000万円で、毎年300万円ずつ分納するとしたいと思います。

分納年数分納額利子税額
1年目元本300万円3000万円 × 0.02=60万円
2年目元本300万円3000万円 × 0.02=54万円
3年目元本300万円3000万円 × 0.02=48万円

上記にように分納を続けることで徐々に利子税額が減少していくことになります。

利子税の特例制度

一点、利子税には特例制度があり、現在のように銀行の金利が超低金利である場合に国内銀行の貸出約定平均金利に1%を加算した割合(特例基準割合)が年7.3%以下となった場合には、上記の一覧表でお伝えした金利よりも下がる事になっております。

特例制度の計算式

延納利子税割合(年割合)× 延納特例基準割合 × 007.3%=特例適用後の利子税

利子税と延滞税の違い

最後に利子税と延滞税の違いについてお伝えしたいと思いますが、そもそも延滞税とは延納申請書を提出せずに申請期限を過ぎてしまった場合や申告漏れなどがあり追徴課税が発生した場合に課せられる罰則となります。

従って、利子税とはそもそもの性質が異なるものですが、延滞税の税率も確認してみましょう。

種類延滞税
過少申告加算税10%〜15%
無申告加算税15%〜20%
重加算税(悪質と判断された場合)35%〜40%
延滞税年利2.8%※平成28年度

上記の通り、延滞税は平成28年度で年利2.8%発生しますので申告期限切れにならないように注意しましょう

まとめ

相続税の延納について解説を行いました。相続財産は現金での相続以外にも土地や建物などすぐには現金化できない財産も多くあることでしょう。

その際、申告期限までに不動産の売却ができない場合は「相続税の延納」を活用するのも1つの選択肢となるでしょう。

間違っても相続税の申告を行わずに逃れようとは思わないようにしてください。「相続税の時効は5年と7年がある?起算日・中断・発覚時の罰則を解説」にて解説を行いましたが相続税の支払いから逃れることはまずできないと思いましょう。

また、相続税の申告は専門の税理士に依頼することがおすすめです。「税理士ドットコム」を活用し複数の税理士を比較し相続に強い税理士を見つけるようにしましょう。









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