年金と生活保護はどちらが支給額が多いか比較|両方を併給できるか?







年金と生活保護を比較すると生活保護の方が支給額が多いことから不公平ではないか。と度々議論されています。実際にどのくらい支給額が異なるのか?そもそも両方を併給することはできないのか?など年金と生活保護の疑問を解説します。

年金と生活保護の支給額を比較

まずは、年金と生活保護の支給額がどの程度異なるのか比較したいと思います。年金については国民年金と厚生年金別々に比較し、生活保護は計算式が複雑のため、所定の条件のもと算出したいと思います。

国民年金の満額支給額は月額6万4,941円

平成29年の国民年金の満額支給額は6万4,941円となっております。「平成29年度|国民年金(老齢基礎年金)の満額支給は年額77万9300円」でもご紹介しましたが、国民年金は20歳から60歳まで国民年金保険料を未納なく納め続けることで満額の受給権を得ることができます。毎月の保険料は1万6,490円となり平成29年3月の保険料引き上げて固定となっています。

厚生年金の平均支給額は月額14万7,872円

厚生年金は所得によって受け取れる年金額が異なりますので満額という考えはありません。そこで厚生年金の支給額については平均額を参照したいと思います。「2017年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」にてお伝えしましたが、厚生年金の平均支給額は14万7,872円となっております。

生活保護の支給額は月額13万3,490円

生活保護はお住いの地域や世帯数及び年齢によって支給額が異なります。ここでは、東京都区分に住む60代の単身者と仮定し、厚生労働省の「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(平成29年度)」より計算をしたいと思います。

生活保護支給額を算出

  1. 生活扶助基準第1類:3万8,990円(A)
  2. 生活扶助基準第2類:4万800円(B)
  3. 生活扶助(A+B)=7万9,790円(C)
  4. 住宅扶助:5万3,700円(D)
  5. 生活保護支給額(C+D):13万3,490円

国民年金・厚生年金・生活保護支給額を比較

項目支給額
国民年金6万4,941円
厚生年金14万7,872円
生活保護13万3,490円

改めて国民年金、厚生年金、生活保護支給額を比較すると、会社員や公務員の方が受給できる厚生年金が一番支給額が高いものの、生活保護支給額もそれに近い金額を受給できることが分かります。自営業の方が加入する国民年金に至っては生活保護支給額の半分程度と逆転してしまっている状態です。

生活保護の方が得?年金と生活保護は不公平なのか?

公的年金は20歳から60歳までまじめに保険料を納め続けてやっと受け取りができる制度ですが、生活保護は保険料の納付などはなく年金以上の金額を受け取とることが出来ます。さらに、生活保護は医療費や年金保険料が免除となります。これでは、年金を40年間も支払うくらいなら生活保護を受けてしまった方が得ではないか。と誰もが思うことでしょう。

自由なお金が使えるのは年金

ただ、年金を納めることは国民の義務となりますので、生活保護の方が得だからと言って年金保険料を滞納すると「年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」でもご紹介した通り強制徴収の対象となりますので注意しましょう。

その上で、年金生活の場合は、ご自身でしっかり貯蓄し老後に旅行に行くことや孫と出掛けるなど自由にお金を使うことができます。一方、初めから生活保護を受給するつもりでいると貯金を作ることはできませんので、上記のような楽しみにお金を使うことはほぼ出来ないでしょう。

それでも、パチンコに行く生活保護受給者などを見ると不公平に思えますが、年金だけで生活する方も老後破産した場合は生活保護を受給することが可能になります。

年金と生活保護両方を併給することはできるのか?

年金で十分に生活できるのであればこのような不公平という会話も出て来ないでしょうが、「年金だけで生活できる?家計簿・節約方法・税金など老後の疑問を解説」でも解説した通り、非常に厳しいという現実もあります。

年金だけの生活では、夫婦世帯で5.4万円、単身世帯で3.6万円の赤字が毎月発生しています。従って老後資金を一定額用意できないと、貯蓄が底を尽き老後破産をしてしまうことになります。これでは、一生懸命に年金保険料を支払った意味がない。と感じてしまうのも理解できます。

そこで気になるのは、年金と生活保護の両方を併給することはできるのか?

答えは、年金と生活保護は併給できる。です。

ただ、受給できる金額は生活保護支給額の金額と変わらないという点があります。例えば、国民年金の受給者で老後破産してしまい生活保護を受ける場合、毎月の年金支給額は変わらず6万4,941円が受給できます。

この金額を生活保護支給額の13万3,490円を上限に差額を生活保護費として支給されますので、受け取れる額は6万8,549となります。

そのため、不公平だと感じつつも、いざ「老後破産」となった場合は、生活保護に救われるというのも事実でしょう。そのため、国民のセーフティーネットとして最低限度の金額が支給されることに理解を示すというのも必要な考えと言えます。

年金は収入として認定される

上記のように年金は収入として認定されますので、生活保護費は差額を支給されることとなります。同様に仕事をして給与を得ながらでも最低限度の生活水準を下回る場合は、生活保護を受給できることになります。

※所得以外の生活保護受給資格を満たしている必要があります。

年金収入に加え持ち家がある場合は生活保護を受給できるか?

生活保護の審査において資産を保有している場合は売却し現金に換える必要がありますが、持ち家の場合は売却してもその後の住まいに家賃が発生してしまうことから持ち家でも生活保護を受給できるケースがあります。このことを知らずに生活保護が受給できるはずが、申請しないために受給できていないという実態もありますので、まずは相談することから始めるようにしましょう。

まとめ

年金と生活保護について解説を行いました。

不公平という声が多い中でも、やはり老後資金をしっかりと準備し年金を受給した方が老後の生活を楽しむことが出来ると言えるでしょう。また、年金だけでは生活が困窮する場合は生活保護を併給することもできますので、自分自身が該当しているか最寄りの市町村役場や法テラスなどに相談を行うようにしましょう。









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