独居老人の問題とは?対策・支援・サポートについて解説







定年退職後に一人で悠々自適に老後の生活を楽しみたいと考えている高齢者の方も多いと思いますが、「独居老人」と呼ばれる高齢者の一人暮らしには様々な問題も含まれています。今回は独居老人とはどのような高齢者を指しているのか?また、問題や対策、そして家族や近所に住む方はどのようにサポートし見守るべきなのかを解説したいと思います。

独居老人とは

独居老人とは、生涯独身の高齢者や配偶者と死別や離別し一人暮らしになった高齢者であり、周囲のサポート受けられない状態のことを指しています。狭義では、定年退職し無職であり、家族もすでに亡くなっている。もしくは何らかの事情によって疎遠になっているか、遠方に住んでいることで連絡をとっていない。など孤立している高齢者を意味しています。

なぜ独居老人になってしまうのか

独居老人になることは珍しいことではありません。昔は家を継ぐということが当たり前であり子供世帯と同居している高齢者も非常に多かったのですが、今は核家族化が進み子供世帯は都心、高齢者は田舎の実家に住み続けている方も多いと思います。その際、親子関係が悪い。ということだけでなく都心に引っ越して子供と一緒に住むことに抵抗を感じる方や子供の世話にはなりたくない。とプライドが高い方など様々な理由によって独居老人になる方が増えています。

独居老人の数は600万人も存在する

独居老人は毎年増加しており、内閣府が調査している「高齢化の状況」を参照すると平成27年では、すでに600万にとなっております。右肩上がりでその数を増やしていくことになり、平成47年には762万人もの高齢者が独居老人になると予測がされています。ではこの独居老人が増えることでどのような問題が起きるのか。また、どのように対策、支援、サポートすべきなのか確認してみましょう。

独居老人の問題

  1. 認知症独居老人の増加
  2. 賃貸住宅・入院・介護施設の契約が出来ない

独居老人の問題1:認知症独居老人の増加

まずは、認知症独居老人と呼ばれる高齢者が増加していることが挙げられます。今後、独居老人が増加していくと予測される中、連動して認知症の高齢者も増加するでしょう。厚生労働省の「2025年の超高齢社会像」を参照すると高齢者の認知症発症率はおおよそ15%程度と言われており、平成27年の段階では独居老人600万人の内、90万人近くの方が認知症独居老人になっている可能性があると言えます。平成47年では110万に近くが認知症独居老人となる可能性があります。それでは具体的に認知症独居老人はどのような問題があるのかお伝えしたいと思います。

健康面で問題が起きる

認知症は記憶を徐々に失ってしまうことから、排泄や食事などにも影響を及ぼします。例えば、食事を食べた後、またすぐに食事をしてしまう。嘔吐するまで自分が満腹であることに気づかない状態になることやその後の掃除も出来ずそのまま放置されてしまうなど、健康面で著しく問題を引き起こしてしまう可能性があります。当然、自分で病院に行くことも出来ずそのまま孤独死をしてしまうという可能性もあるでしょう。また、徘徊などによって交通事故に巻き込まれることなども問題として挙げられます。

認知症に気づかず症状が進行

当の本人は認知症であることに気づかないという問題もあります。最近、物忘れが激しくなった。などある程度自覚症状を感じると思いますが、それが認知症だとは思わないケースです。また、自分はまだ元気だ。というプライドもあってそれを認めようとしない現実もあります。結果的に症状が進行してしまい家族や近所の方が気がついた時には既に手遅れになっているという問題があるでしょう。

トラブルや犯罪巻き込まれやすい

また、認知症の方でも体は元気であることも多いでしょう。この場合、街中を徘徊するケースや近所の方とトラブルを起こしてしまうこともあるでしょう。加えて、認知症独居老人に目をつけた詐欺集団の被害に合うなどの問題も顕在化しています。詐欺集団でなくても、実際に認知症独居老人に目を付けて高額商品を売りつける業者も多いので注意が必要です。

認知症独居老人の対策・支援・サポートの方法

認知症独居老人の方に対策や支援を含めてどのようにサポートをするべきなのかお伝えしたいと思います。近所にお住いの方や離れた家族の方が対象になりますが、現在一人暮らしの高齢者の方も上記のような問題を引き起こしたくはないでしょうから、これからお伝えする対策・支援・サポートを受け入れることを検討するようにしましょう。

民生委員に事前相談をする

民生委員とは、それぞれの地域にて住民の立場から相談や援助などを行う方を指しています。厚生労働大臣から委嘱されている方になりますので、高齢者にとって非常に頼もしい存在になるでしょう。高齢者本人、家族、近所の方別に民生委員とどのように付き合うべきか以下にまとめさせて頂きました。

対象対応
高齢者本人毎日何時くらいここに行く。もし来なければ自分に何かあったと思ってほしい。など民生委員と約束するなど顔覚えてもらうようにしましょう。
家族帰省する頻度や帰省する度に民生委員と情報交換をするなど独居老人の小さな変化を見逃さないようにしましょう。
近所の方最近様子がおかしい。しばらく顔を見ていないと思ったら民生委員に相談をしましょう。また、家族への連絡なども民生委員にお願いするようにしましょう。

自尊心を傷つけないように注意する

認知症独居老人と言っても自覚症状がない方も多く、サポートを受けることに抵抗を感じる方も多いでしょう。そのため、近所や家族の方が認知症扱いすると高齢者の自尊心を傷つけてしまい意固地になってしまうことがあります。このような時は、定期的な健康診断と伝え病院に行き検査をすることがおすすめと言えます。

見守りサービスを活用する

有料にはなりますが、セコムなどが提供している高齢者見守りサービスを活用するのも良いでしょう。セコムの場合は、携帯可能なペンダントタイプの救急通報ボタンや一定時間室内で動きがないと通報されるシステムなどを提供しています。加えてセコムの看護師と無料で電話相談ができますので、健康に不安が出ても気軽に相談ができるメリットがあります。このようなサービスは子供世帯からの提案を受ける場合が多いと思いますが、自分の身を守るために高齢者が自らが子供と相談するのも良いでしょう。

セコムのホームセキュリティの詳細はこちら:https://www.secom.co.jp/homesecurity/

成年後見制度を活用する

成年後見人は、判断能力の低下した高齢者に代わって契約や財産の管理を判断し代行することが出来る権限を持ちます。自分で後見人を選ぶことを「任意後見人」と呼び、判断能力がすでに落ちてしまい自分で選ぶことが出来なくなった場合に家庭裁判所から選任されるのが「法定後見人」と呼びます。成年後見制度を活用することで認知症独居老人でも詐欺などの犯罪を抑止することができますので、一人暮らしの高齢者の方は検討するようにしましょう。メリット・デメリットなどの解説は老後の孤独は交流を増やし成年後見制度を活用することが重要の記事を参照ください。

ヘルパーに依頼する

介護ヘルパーに依頼する方法もあります。認知症が進行していると高齢者の方で意思決定が出来なくなりますので家族の方が申し込みを行う形や成年後見制度を活用すると良いでしょう。ヘルパーの料金については、介護費用の目安はいくら?介護施設と在宅介護の相場を比較の在宅介護の料金をご参照の上、業者に費用を相談するようにしましょう。

独居老人の問題2:賃貸住宅・入院・介護施設の契約が出来ない

独居老人になり自分の身の丈に合った賃貸住宅に引越しを考えた場合や入院が必要になった場合、さらには介護施設への入居などの契約ができない。というリスクが発生する可能性があります。これは、双方ともに「身元保証人」や「身元引受人」が必要になるためですが、独居老人の場合、この保証人の依頼が出来ずに賃貸住宅や入院の契約ができないという問題があります。加えて、賃貸住宅の場合は、「身元保証人」や「身元引受人」だけでなく、大家としても賃貸マンションの室内で亡くなって欲しくない。という思いが働きますので入居ができないケースが出てきます。

身元保証人が必要な場合の対策・支援・サポートの方法

上記のように身元保証人や身元引受人が必要になった場合は、代行業者を活用する方法があります。複数の業者がありますので比較して選ぶと良いでしょう。また、介護施設への入居などであれば身元保証人や身元引受人が不要な施設を選ぶという選択肢もあります。また、先ほど紹介した成年後見制度は身元保証人や身元引受人の役割を果たすことはできないので注意が必要です。簡単にそれぞれの役割を整理します。

種類役割
身元引受人病気や事故、死亡によって支払い能力が低下した時に相談や協議などの対応を行う人
保証人高齢者が支払いが出来なくなった場合に責任を遂行する人
成年後見人判断能力が低下した高齢者に代わって契約や財産管理を代行できる人

独居老人は交流を増やすことが重要

独居老人の問題と対策・支援・サポートについて解説を行いました。高齢者をサポートする体制は国や民間のサービスなど徐々に整いつつありますので賢く活用し、家族、近所、そして高齢者本人が独居老人の問題解決に取り組む必要があると言えるでしょう。

加えて、独居老人の問題を進行させないためにも交流を増やすことは非常に重要と言えます。日々の変化を誰かに見てもらえるだけでも認知症の早期発見なども可能になりますし、万が一の事があっても発見が早まります。交流を作るためには趣味を持つ事が一番早い方法でもありますので老後の楽しみ方を見つけよう!老後におすすめな趣味26選より自分に合った趣味を見つけ独居老人の問題を回避するようにしましょう。









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