障害年金の診断書を医師が書いてくれない時や提出が遅れた時の対処法







障害年金はうつ病などでも受給することができる年金制度のため、高齢者だけでなく現役世代も活用ができる年金制度となります。そのため、受給者の数も平成15年では169万人だったものが平成24年では197万人と年々増加をしております。

本メディアでも「障害年金とは?受給資格・受給金額・申請方法・更新手続きを徹底解説」や「障害年金の申請はいつから可能?自分で手続きする場合の手順を解説」など障害年金についてご紹介をしましたが、今回は障害年金の申請において最も重要な「診断書」について解説を行います。

診断書は障害年金の受給で最も重要な書類

障害年金を受給する際に非常に重要となるのが、医師の診断書です。この診断書は障害者等級の1級、2級、3級のどれに該当するのか判断するために重きを置く書類になります。

障害基礎年金の場合は、1級または2級のみしか受給できず、障害厚生年金は3級まで受給が可能となりますが、障害等級によって受給額も異なることから診断書の重要性について正しく理解ができるように解説をしたいと思います。

障害年金の診断書は8種類の様式がある

障害年金の申請時に必要な診断書は所定の様式があります。診断書の目的は、障害の状態を一番分かりやすく伝えることですので、所定の様式以外でも提出が可能になります。

ただ、しっかりと診断書が記述されていないと障害年金が受給できなくなる可能性もありますので所定の様式の内容を確認の上作成をお願いするようにしましょう。その際、「障害年金の申請で活用する」旨を事前に医師に伝えてから診断書の作成を依頼する方が良いでしょう。

また、診断書は住所欄が抜けていることや捺印漏れがあるなど作成ミスが稀にあります。ミスに気付かず提出してしまうと再取得が必要になりますので診断書を受け取った際は必ず内容を確認するようにしましょう。

診断書の種類様式のダウンロード
腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20150416.html
循環器疾患の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140603.html
精神障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-23.html
眼の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-22.html
呼吸器疾患の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-21.html
肢体の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-18.html
聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-17.html
血液・造血器・その他の障害http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-16.html

複数の怪我や病気の場合

障害によっては複数の怪我や病気が該当する場合もあると思います。このような場合はそれぞれ診断書が必要になりますので複数の診断書を作成することとなります。

非常に手間だな。

と考えてしまうと思いますが、「併合認定」と呼ばれる複数の障害を併せて障害者等級を決める制度がありますので、1つだけの申請では障害者等級が3級の方も併合認定によって2級になる。など受給できる障害年金にも影響が出てきますのでしっかりと申請を行いましょう。

障害年金の申請タイミングで変わる診断書の日付と必要数

障害年金の診断書は提出するタイミングによって診断書の日付と必要数が変わります。申請タイミングは5つありますのでそれぞれのタイミングと診断書の日付及び必要数について一覧にしました。

申請タイミング障害認定日から3ヶ月以内に
作成した診断書
請求日より3ヶ月以内に
作成した診断書

1年以内の障害認定日請求

1通不要

1年経過後の障害認定日請求

1通1通

遡及請求

1通1通

事後重症請求

不要1通

初めて1、2級

不要前発障害と後発障害のそれぞれ1通ずつ

診断書の作成期間と費用

医師の方も非常に多忙であり診断書を書くことを拒むことや時間がかかるケースがあります。診断書の作成期間としてはおおよそ2週間程度の余裕を見て頂きたいと思いますが、病院によっては1ヶ月近くかかる場合もありますので、いつ頃診断書ができるのか確認をした方が良いでしょう。

加えて、費用も5000円から1万円程度と決して安くはない。という点も注意が必要です。

障害年金は一回の申請で受理されないケースもあり、何度も申請を行うことで診断書を取得する費用が高額になってしまうということもあります。

役所の窓口で障害年金の必要書類を渡さない。という問題もここに起因しており、受給が見込めない方に必要書類を渡してしまい何度も費用を掛けさせてしまうのは申し訳ないという判断から書類が受け取れないというケースもあります。

現在は厚生労働省から指摘があり改善傾向にありますが、書類の受け取りができない場合は障害年金の条件に該当していない場合もありますので事前に確認を行いましょう。

医師が診断書を書いてくれない時の対処法

障害年金の申請は書類の受け取りが出来ない。という場合だけでなく医師が診断書を書いてくれない。という問題もあります。普段から多忙な医師は診断書を書く暇すらない。という場合や障害年金を受け取れるほど重度な障害では無いと判断し書かない場合があります。

ただし、医師法では診断書の作成を依頼された場合、正当な理由なく拒否することは出来ない。と定められておりますのでまずは冷静に診断書を書かない理由について聞いて見ましょう。診断書一枚で障害年金の受給有無が決まると言っても過言ではありませんので、感情的にならず医師との信頼関係を保ちながら対応をすることが望ましいでしょう。

それでも診断書を書いてくれない場合は、家族やあなたを支援してくれる方と一緒に再度病院に行くことをおすすめします。

診断書の症状が軽く書かれてしまった

また、診断書は受け取ったものの、書かれている内容が実際の症状よりも軽度に書かれている場合もあります。医師としても嫌がらせでそのような記述をした訳ではなく、申請者の日常生活までは分からないことからその時の申請者の姿だけを見て症状を軽く書いてしまっているケースがあるということです。

そのため、診察時には現在の状況を簡潔に分かりやすく説明をすることを心がけましょう。例えば、外出することができるのか。仕事をすることはできるのか。食事(回数や量)や睡眠(時間、寝つき)の状態などしっかりと詳細を伝える必要があります。

医師の前で的確に説明出来ない場合は、現在の状態をメモなどにまとめておくと話しやすいでしょう。時には医師の方にそのメモを見てもらっても良いかもしれません。これは障害年金の受給だけでなく、怪我や病気の治療にも役立ちますのでしっかりとコミュニケーションを行うことで、病状と診断書の内容が乖離することを防げるでしょう。

障害年金には永久認定と有限認定があり

障害年金には永久認定と有限認定の2つの種類があります。

意味合いは文字通り、永久的に障害認定を認められることを永久認定と呼び、期限を定めて障害認定されることを有限認定となります。有限認定の場合は症状によって期間が異なりますが、1年から5年の期間が定められています。

この期間内でも症状が改善されない場合は、日本年金機構から送られてくる「現況届」と「診断書(3ヶ月以内のもの)」を誕生月の月末までに返送を行う必要があります。

この返送書類にある診断書の状況を踏まえて障害認定の「級」が変わることや「支給の有無」が変わることとなります。

診断書の提出が遅れた場合は障害年金の支給が差し止めされる

この際、現況届と診断書の提出が遅れてしまうと障害年金の支給が停止してしまいますので注意が必要です。

遅れた場合も再度提出を行うことで2ヶ月ほどで停止された期間の年金を遡って支給がなされますのでなるべく早く提出を行うようにしましょう。

また、平成29年2月から現況届に合わせてマイナンバーもしくは住民票の提出も必要となりましたのでこちらも準備を行うようにしましょう。

まとめ

障害年金の診断書について解説を行いました。障害年金を受給する際に非常に重要となる診断書は医師との信頼関係の上に成り立つものと言えますので、診断書を書いてくれない場合は真摯にその理由を聞き自分自身の状況を理解してもらえるように努めましょう。

また、診断書の提出が遅れた場合は、障害年金が支給停止となりますので申請も漏れがないように期限を守るようにしましょう。もし、提出期限を過ぎてしまった場合も早期に申請を行えば遡って支給がされます。

障害年金は申請が通るまで非常に大変な作業ですので、時として専門家に依頼するなど現在の体調と相談しながら進めるようにすると良いと言えます。









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