年金の加入や納付が義務なのはなぜ?法的根拠から解説







国民の三大義務と言えば「教育の義務」、「勤労の義務」、「納税の義務」の3つがあり憲法で定められていることは誰もが知ることだと思います。一方で、年金への加入及び保険料の納付も国民年金法という法律で定められている義務であるのです。

三大義務ではないのになぜ年金保険料の支払いが義務となるのか?なぜ毎月1.5万円以上の保険料を納付する必要があるのか。と制度自体がおかしいのではないかと感じることもあるでしょう。

そこで今回は、年金の加入や納付が義務とされている理由について法的根拠から解説を行いたいと思います。

年金保険料の納付は法律で定められている

先ほどお伝えしたように国民年金法によって一定期間、日本に在住している方は年金へ強制加入することになります。これは、日本人だけでなく外国人も適用されます。

そして、国民年金法87条では以下が明記されておりますので法的根拠という側面でもやはり加入は義務と言えるでしょう。

第八七条 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。

年金制度の仕組みでもありますが、現在年金を受給している方の原資は、現在の労働者が納める保険料によって賄われています。

要は、年金を受給する高齢者のために現役世代からその費用を徴収することができる。という意味になりますので、非常に強制力の強い法律であると言えるでしょう。

上記のように、年金が義務であることは法律で明記されておりますので、日本に住む以上は年金支払いから逃れることは出来ないと考えましょう。

年金を納付しないと恐ろしい罰則がある

どの程度強制力のある法律なのかは、年金を滞納した際の罰則で分かるでしょう。年金を滞納すると大きく2つの罰則があります。

年金納付を滞納した時の罰則

  • 督促状が届くと年利14.6%の延滞金が発生する
  • 督促状を無視すると財産の強制徴収がなされる

まず、年金を滞納したとしてもすぐに罰則が発生する訳ではありませんが、「納付督励→最終催告状→督促→差し押さえ」という具合に日本年金機構から年金支払いを命ずる案内が届くようになります。

督促状が届く前であれば、特に罰則はありませんが督促状が届くようになると延滞金が年利14.6%と消費者金融並みの金利で支払いをさせられることになります。それでも無視をしてしまうと、財産の強制徴収となりますので、自宅にある資産の大半が没収されてしまいます。

2016年度で強制徴収された件数は13,962件と2015年に比べると2倍近くの件数に昇ることから決して他人事ではないと考えるようにしましょう。

その他、年金の給付制度である障害年金や遺族年金が受給できないなどのデメリットもありますので、詳しくは「年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」をご参照ください。

年金納付は20歳から60歳までが義務になる

年金の納付が義務付けされる年齢は20歳から60歳までとなります。

従って、大学生の方でまだ収入の無い方などは「学生納付特例制度」を活用し年金保険料の猶予を行う必要があります。また、義務と言えども年金保険料を滞納してしまった期間がある方などもいると思いますが、追納するかしないかは個人の任意となります。

あくまで年金加入の義務とされる年齢は20歳から60歳となりますので、この期間で納めた保険料に応じて支給される年金額が変わることとなります。

実際、国民年金を20歳から60歳まで滞納なく保険料を納めた場合は月額6万4,941円(平成29年度)受け取ることが可能なのですが、平成29年度の国民年金の平均支給額は「2017年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」にて解説したように5.5万円となります。

やはり、全期間納付し続けることは非常に大変なことであると言えるでしょう。もし、年金保険料が納付出来ていない期間があれば10年を限度に追納することも可能になりますので詳しくは「【学生必見】年金の追納は受給額の増加と所得控除でとってもお得」をご参照ください。

まとめ

国民年金法で定められているように日本にいる以上は年金への加入及び保険料の支払いは義務であり法的根拠もある。と言えるでしょう。そして強制力は国民の三大義務に匹敵しますので年金は滞納するのではなくしっかりと支払う必要があると考えましょう。

経済的に支払いが難しい場合は、猶予や免除の申請をするなど必ず対応することをおすすめします。









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