老後貧乏の対策|具体例・回避策を理解し老後の生活を安定させる3つの秘訣







在職中は毎月決まった収入があります。その中から一定額を積み立てておけば、ある程度の貯蓄は作れます。しかしいざ定年間近になり、改めて定年後の生活について考えてみると「もしかして足りないのでは?」と不安になる人も多いでしょう。「もう老後生活が目前!」というあなたのために、今すぐ知っておきたい、老後貧乏を避けるための3つの知識をご紹介します。

誰にでも起こりうる老後貧乏の危険性

まずは、老後貧乏とはどんな風に起こるのでしょうか。実は、ある程度堅実な家庭でも、老後貧乏の危機があります。

老後貧乏に陥る例

老後貧乏に陥る例.1
老後資金を一定額用意していたが、年金の受給年齢が引き上げられ、無年金期間に老後資金が枯渇。わずかな年金だけが頼りの生活
老後貧乏に陥る例.2
老後資金は比較的豊富だったので、特に切り詰めることなく支出。しかし病気で入院費や治療費がかさみ、老後資金が激減。
老後貧乏に陥る例.3
子供を大学まで出し、住宅ローンも完済。退職金を老後資金に充てる予定が、マイホームの痛みが激しく大規模リフォームを行ったら消えてしまった。年金と貯蓄を切り崩して生活していたが、貯金は数年でなくなってしまった。30歳近い子供に生活援助をしてもらっているため、子供も結婚できない。
このように、老後について備えをしていたはずなのに、なぜか老後貧乏に陥ってしまうという事例があります。

老後貧乏は回避できる?

もしかしたら、勤勉な人が多い日本では、備えをしていたのに老後貧乏に陥る人の方が多数派かもしれません。しかし、先ほど事例をよく見てください。これらは少し先を読めば回避できたことばかりです。

老後貧乏の回避策:例1の場合
年金受給の引き上げは想定できることなので、その分を見込んで老後資金を用意しておけばよかった。
老後貧乏の回避策:例2の場合
もともと豊富な老後資金があったのだから、早い段階で保険に加入する、いざというときの資金を確保しておく、などしていればそこまで困窮しないで済んだ可能性が高いです。
老後貧乏の回避策:例3の場合
大規模リフォームではなく小規模なリフォームに抑えることで、老後貧乏は回避できたのではないか?

事例ごとに留意点に差はありますが、共通しているのは、自分の老後を正しく把握していなかった、という点です。そこで、「老後資金の基礎知識」「必要額の試算」「資金の適切な管理」の3について知っておくといいでしょう。順番にご紹介します。

老後資金についての基礎知識

老後資金を備えるにあたり、お金の基本的な知識を仕入れておきましょう。可能であれば早くから知っておくべきことですが、老後生活が近い人でも遅すぎるということはありません。

3大資金を知る

教育費・住宅費・老後資金が人生の3大資金と呼ばれます。しかし老後資金は支出が必須の教育費や住宅ローンと違い、自ら作っていくものです。老後資金は差し迫った需要がないため、若いうちは後回しにしてしまいがちですので、教育費や住宅ローンに老後資金が圧迫されないようにしたいです。

老後生活が近い人であっても、退職金をリフォーム代に充てない、子供の教育費を必要以上に支出しない、などを意識することで老後資金の流出は防げます。
また教育費は、家計にとって聖域とされがちです。しかし大学生くらいの子共であれば、アルバイトで学費の一部を負担してもらう、自宅通学が可能であれば下宿はしない、といった対策があります。

運用は、長期的に行えば、少額でも効果大

運用でお金を殖やすという考え方も大切ですね。本来運用は、少額でも若いうちからコツコツ続けることが重要です。しかし退職金があるような人は定年が近くなってからの運用でもやる価値があります。高額の退職金をいきなり運用するのはリスクが高いです。

たとえ数年でも投資に慣れておくことは価値があります。なお、運用をするならば、確定拠出年金やNISAなど、税制優遇があるものを活用して行いましょう。

介護の不安に備える保険も

最後に、保険についてもご紹介します。近年は、医療だけでなく介護に関する保険も登場してきているのをご存知でしょうか。他の保障から介護保障へ移行可能なものも存在します。老後資金そのものは貯蓄や運用で賄うのが基本ですが、不安があるときは保険を活用して対応しましょう。保険に加入した場合は「生命保険料控除」を利用して節税効果も高めるのを忘れずに。

必要額の試算

お金の知識をもって必要な資金を作っていく、もしくは保険で備えていくわけですが、いったいどの程度資金を用意すればいいのでしょうか。

定年後の生活を思い描くこと

まずはどのくらい資金が必要になるのが、思い描いてみましょう。節約一辺倒の老後生活では潤いがありません。自宅のリフォームをする、夫婦で海外旅行にいく、田舎暮らしをしたい……などなど希望を思い浮かべてみてください。全部を叶えては資金が不足してしまう、という場合は優先順を付けて実現可能な案を叶えていきましょう。

同時に、生活費の試算も必要です。定年後は会社の定期がなくなり、交通費の負担が大きくなることもあります。逆にスーツ代がなくなり衣料費が大幅に減ることも。毎年どのくらいお金がかかるのか、いくらくらいに抑えたいのかを考えましょう。

自分の年金額を把握しよう

老後生活の大きな柱は公的年金です。いつから、どのくらい年金が受給できるのかを調べておきましょう。日本年金機構のサイトでは、年金の受給手続きや「ねんきん定期便」の読み方など、年金に関する豊富な情報が掲載されています。不明な点は早い時期に解決しておきましょう。個人年金保険に加入している場合は、そちらの受給額も確認しておきます。

この2点を明確にすることで、収入と支出が見えてきます。年金だけで支出を賄うことができれば一番ですが、なかなかそうはいかないでしょう。足りない部分を貯蓄や運用で補っていきます。

資金の適切な管理

定年が近い人であれば、一定の資金はあると推測します。定期収入の減る老後生活においては、貯蓄は目的別にしっかり色分けすることをおすすめします。色分けは多すぎても管理が大変なため「生活資金」「10年以内に使う予定の貯蓄」「使う予定のない資金」の3つに分けてみましょう。

  • 生活資金
    日々の生活に充てるお金です。平均寿命までとしてしまうと、やや心もとないので、平均寿命プラス数年、としたいです。
  • 10年以内に使う予定の貯蓄
    海外旅行やリフォーム投じるお金など、ある程度まとまった支出に備えるお金です。必要なお金なので、それ以外に手を付けないようにします。
  •  使う予定のない資金
    病気や被災など、万が一のときに備える資金です。資金の用意ができないときは医療(介護)保険や火災・地震保険などでカバーしていきましょう。

自宅を活用する方法

これまで、老後貧乏に備えるために考えておくべきことをご紹介しました。しかし考えた結果「老後貧乏が確実だ」と慌ててしまう人もいるかもしれません。そんなときは「貯める」「備える」以外の方法も検討しましょう。

  • 子供がいれば、同居や二世帯住宅で世代間の助け合いをする
  • 自宅があるならば家を担保に借入れができるリバースモーゲージを活用する
  • 賃貸暮らしならば、家賃の安いところへ引っ越す

などなど、できることは沢山あります。大切なのは、あきらめずに小さな改善を積み重ねることです。これから20年、30年と続く老後生活なればこそ、小さな積み重ねが将来を左右します。まずはできることから始めましょう。

まとめ

老後対策は早ければ早いほど効果が大きいです。実際に多くの人が老後のためにお金を貯めています。ただ問題は「何となく」「とりあえず」貯蓄をしている人が多いことです。老後貧乏の最大の敵は見通しの甘さです。

正しい必要額を知り、足りない部分を知れば、資金を貯めるだけの時間的余裕がなくとも同居やリバースモーゲージなどの対応策をとることができます。自身の正しい情報を把握し、老後貧乏を回避しましょう。









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ABOUTこの記事をかいた人

横山 晴美

AFP/住宅ローンアドバイザー。 企業に属さない独立FP。2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホームの購入相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案する。安心して住宅を購入できるだけでなく、家計の課題も解決できるとの声を頂いている。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。