介護保険サービスの適用範囲を完全網羅!全25種を一挙公開







介護保険制度は、介護サービスを利用する際にとても助けられます。ただ、介護サービスのなかには介護保険が適用されるものと、適用されないものがあります。原則、それらは国によって定められており、「適用範囲の介護サービス」を上手に使うことが介護費を抑制するための大切なポイントです。何が介護保険を活用することができて、何ができないのか。適用範囲を完全網羅します。

なぜ介護保険には「適用範囲」があるのか

高齢化の時代を迎え、民間企業によって様々な介護サービスが提供されています。介護分野を管理監督する厚生労働省は介護サービスを3種類に分けています。

  1. 介護給付
  2. 予防給付
  3. 市町村特別給付

これらはすべて老後生活を送るうえで、大切なサービスです。ただ、介護に関連するすべてのサービスを介護保険の適用としていると、国の財政はいくらあっても足りません。また、民間の介護サービスが充実している東京や大阪などの都心部と、会社が少ない地方部のサービス格差も生まれていまいます。そこで介護保険法では、「最低限の介護サービス」に対して介護給付が行われると定められています。その定義のもと、この3分野に具体的にどのような介護サービスが当てはまるのか見ていきましょう。

介護保険の適用範囲①:介護給付

介護給付は要介護状態と認定されている人(要介護者)に対して行われる介護サービスです。

居宅介護サービス

要介護者の自宅で介護サービスを行うものです。最近は住宅街を周回している介護サービス会社の車を見かけます。後述するデイサービスの送迎もありますが、居宅介護も高いニーズがあり参画する業者が増えているようです。

  • 訪問介護(ホームヘルプ)
    訪問介護員(ホームヘルパー)が要介護者の自宅を訪問し、入浴・排泄・食事など日常生活上のサポートをします。
  • 訪問入浴介護
    要介護者の自宅の浴槽ではなく、介護サービス会社が移動車などで浴槽を提供して行うサービスです。要介護者の必要な浴槽は腰を曲げられないため、一般のものより広く、また手すりなど標準装備した設備が求められます。夫婦2人でいわば老々介護をしている家庭は、お互いに浴槽のニーズが異なるため、移動車の浴槽は効果的です。
  • 訪問看護
    看護師などが要介護者の居宅において療養上のサポートや診療補助を行うサービスを指します。介護業者はできない医師や看護師の医療行為などはこの訪問看護で対応できます。
  • 訪問リハビリテーション
    理学療法士や作業療法士が居宅において心身の機能維持を図り、日常生活の自立を図るリハビリテーションです。介護状態に設備やサービスを合わせるだけではなく、リハビリをして少しでも日常生活に戻す、というのも介護においては大切な考え方です。
  • 居宅療養管理指導
    病院や診療所の医師、薬局の薬剤師などが居宅を訪問し、療養上の管理や指導を行うサービスです。
  • 通所介護(デイサービス)
    老人デイサービスセンターに通い、入浴や食事、その他の日常生活に必要なサポート、機能訓練を行うサービスです。今や「デイサービス」といえば介護サポートの代表格ですね。
  • 通所リハビリテーション
    主治の医師が認めた介護施設に通わせ、心身の機能の維持回復をはかり、理学療法士や医学療法士のアドバイスのもとリハビリテーションを行う介護サポートです。
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
    短期入所施設に入所し、入浴・排泄・食事の介護または日常生活のサポートを行うサービスです。
  • 短期入所療養介護
    介護老人保健施設、介護療養型医療施設に短期間入所し、施設において介護・機能訓練・日常生活のサポートを受けるサービスです。
  • 痴呆対応型共同生活介護(痴呆性老人グループホーム)
    痴呆の状態にある要介護者について、共同生活を営むべき住居において、入浴・排泄・食事などの介護および日常生活のサポートを行うサービスです。
  • 特定施設入所者生活介護
    有料老人ホーム、介護利用型経費老人ホーム(ケアハウス)に入所している要介護者において、介護サービス計画にもとづいて行われる入浴・排泄・食事の介護または日常生活のサポートを行うサービスです。
  • 福祉用具貸与
    厚生労働大臣が定める福祉用具の貸与を行うサービスです。要介護者自身を支援するほかにも、最低限の福祉用具は保険対象に含まれます。
  • 居宅介護福祉用具購入費補填
    入浴・排泄用の福祉用具等、厚生労働大臣が定めた内容にもとづく内容の購入費補填です。
  • 居宅介護用住宅改修費補填
    手すりの取り付けなど、厚生労働大臣が定める内容の住宅改修を要介護者が行った際の補助が該当します。介護施設が充実しても「自宅で暮らしたい」という人は多数います。そのニーズに向けて住宅改修費も対象としているのですね。

居宅介護サービス計画費(ケアマネジメント)

要介護者が介護サービスを利用して日常生活を送るために、保険医療サービスまたは福祉サービスの「適切な利用」のために、専門知識と要介護者の性格、置かれている環境をもとに判断できる専門家(ケアマネージャー)に依頼する際の計画費作成費用です。要介護者は適用範囲についてはもちろん、介護の知識も不足しているため、ケアマネージャーと一緒に介護計画を組み立てることが効果的です。

そのため、ケアマネージャーは要介護者の生活の不安から将来設計、ライフプランにわたって相談に乗る「身近な専門家」になります。お金やライフプランの知識も把握するケアマネは要介護者とより密接な関係を築くことができます。

施設介護サービス費

  • 介護福祉施設サービス
    介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)において入浴・排泄・その他日常生活のサポートを行うサービスです。
  • 介護保険施設サービス
    介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)において介護・医療訓練の見地から行われる日常生活のサポートを行うサービスです。
  • 介護療養施設サービス
    療養型等病床群(要介護者が入院する部分)において、療養上の管理・介護・医学的管理を行います。

介護保険の適用範囲②予防給付

予防給付は介護サービスを使わないための健康維持や生活習慣の改善を目的とする予防の動きに対するサポートです。内容は前項の介護給付に含まれますが、要介護者が施設に赴いて受けるサービスは介護保険の給付内容に含まれません。

  • 居宅支援サービス費
  • 特例居宅支援サービス費
  • 居宅支援福祉用具購入費
  • 居宅支援住宅改修費
  • 居宅支援サービス計画費
  • 特例居宅支援サービス計画費
  • 高額居宅支援サービス計画費

居宅支援は要介護者の居宅で行う支援なのでイメージしやすいですね。このうちの「特例」とは、国が定めた内容に満たされていなくても、要介護者の日常生活にとって必要不可欠なサービスと自治体の窓口が判定した部分の介護サービスを指します。もしくは要介護者が離島などに暮らしており、生活環境に対応したサービスまでが認められます。

介護保険の適用範囲③市町村特別給付

国が定めた基準に到達していなくても、市町村が給付水準を定めることもできます。市町村は条例によって行う市町村独自の給付です。市町村が判断元とはなりますが、介護保険法の適用範囲に含まれます。

介護サービスの適用範囲はとても細かい

ここまでの25種類の区分けからわかることは、介護保険法の適用範囲の設定がとても細かいということ。同じようなサービスでも、居宅で行うのか、施設で行うのかで別項目とされているほどです。
そのため実際に「どこまでが介護保険の適用範囲か」を調べる際は、「適用範囲に当てはまらないサービスは何か」の視点から見ることも効果的です。

介護保険が適用されないものを紹介する

適用認定外は「最低限度の生活」を超過するものとされていますが、具体的にはどのような介護サービスが該当するのでしょうか。

  • 要介護者以外の生活支援サービス
    買い物や居宅の清掃など、要介護者以外のサポートと認められる場合は、適用範囲外となります。
  • 最低限度の日常生活を超過するサービス
    庭の草むしりやペットの散歩、家具家電の手入れなどは適用範囲外となります。
  • 季節柄特別な行為
    年賀状の代筆、お正月やお盆など来客用の豪華な食事などは適用範囲外となります。

介護保険の適用範囲と範囲外は不透明?

「最低限度の生活」といっても、介護保険の適用範囲と適用範囲外はとてもぼんやりしています。実際は介護に詳しい専門家の判断のもと、市町村の介護保険担当部署の窓口に赴き、適用範囲かどうかを判断してもらうことになります。ただ民間企業のなかには、適用範囲外のサービスに力を入れる会社も増えてきています。

まとめ

介護保険の適用範囲25種を一挙公開しました。介護関連の資格試験で「何が適用範囲で何が適用範囲外か」を問われるほど、複雑な難しい部分ではあります。ただ、老後生活の支出を抑えるためには、介護の費用をどれくらい抑制していくかは大切なポイント。適用範囲を把握して、充実した老後生活を送りたいものですね。









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ABOUTこの記事をかいた人

工藤 崇

株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、 FP領域を活用して、Fintechビジネスを開始、発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。東京都千代田区大手町。