子供たちが巣立ち、今の住宅ほど大きな家は必要がない。自分たちにとって、必要最低限の賃貸物件へ引っ越そうか。どうせなら海の見える場所を終の住処にしたい。
老後の生活の大部分を過ごす住居は、持ち家が良いのか?賃貸が良いのか?誰しもが一度は考えるのではないでしょうか。そこで、持ち家と賃貸それぞれのメリット・デメリットを比較したいと思います。
持ち家のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
介護用などに住宅をリフォームすることができる | 固定資産税の支払いなどの諸費用がかかる |
親族全員が集まる“場“がある | 住宅のメンテナンスが必要 |
住宅を担保に融資が受けられる(リバースモーゲージ) | 死亡後、相続などの問題が残る |
持ち家のメリット
持ち家の場合は、介護用などに住宅をリフォームすることが可能です。これはご自身だけでなく、パートナーの方が介護の必要な状態になった場合に非常に重要度が上がります。いつ介護が必要な状態になるか分からないため、持ち家でいつでも住宅をリフォームできる状態にしおくことはメリットが高いと言えます。
また、その場合の費用についても住宅を担保に融資を受けるリバースモーゲージを活用すれば手元資金を手にいれることが可能なため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるでしょう。
持ち家のデメリット
固定資産税や住宅のリフォームなど住宅ローンが完済していても一定の支出があるため、老後資金への影響は少なからずあるでしょう。特に外壁やトイレなど傷みやすい部分の改修は必ず発生するものと思っておいた方が良いかもしれません。この費用を生活費とは別に貯蓄をしておく必要がある。というのはデメリットとして挙げられます。また、物件を相続させる場合は相続税も発生しますので相続人である子供達と費用などについても話し合いを行うことが必要となります。
賃貸住宅のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
子供や孫の近くに住むことができる | 高齢者は賃貸物件を契約しづらい |
住宅のメンテナンスなどを考える必要がない | 現在住んでいる住宅が売却できない場合、二重支払いが発生する |
自分の住みたい場所に暮らせる | 介護用に住宅のリフォームができない。転居が必要。 |
賃貸住宅のメリット
子供や孫にもっと会える場所に住みたい。海が見える場所に住みたい。などご自身の住環境を最優先するならば賃貸はオススメです。一度は夢見た土地に住みたいというのは誰しもが考えることですので老後の生活として重きをおくことも納得です。
また、住宅のメンテナンスも賃貸物件であれば発生しませんので、身軽になることは間違いありません。
賃貸住宅のデメリット
一方で、高齢者の方は賃貸物件の契約がしづらい。という側面もあります。最近は高齢者の方でも契約できるケースも多いようですが、やはり不動産会社からすると賃貸物件で亡くなられる可能性や経済面を不安視する会社はあるでしょう。
ただ、それ以上に賃貸物件は経済的な支出が大きくなる傾向にあります。 「リバースモーゲージ」と「不動産売却(自宅用)」どちらを選ぶ!?でも解説をしておりますが、今、お住まいの住宅が持ち家の場合で住宅ローンが残っている場合、売却先が見つからないと二重の支払い(住宅ローンと賃貸物件の家賃)が発生してしまいます。
賃貸物件に引越した後も、ご自身やパートナーの方に介護が必要になってしまってもリフォームをすることはできません。そのため、再度引越しをしなくてはいけない。という状況に陥る可能性が高いため出費が増えるだけでなく、高齢での引越し作業は精神的にも肉体的にも大変なことでしょう。
老後の生活を脅かす法改正
持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較しましたが、老後の生活には介護費用や病気など先が読めない支出が多数待ち受けています。 これに備えて一定の貯蓄を用意しておく必要もあるでしょうし、【老後資金と法改正】老後の計画の甘さが老後破産に直結するでも述べていますが、老後の生活に大きな影響を与える法改正も控えています。
年金カット法案、高額医療費の自己負担増加、介護保険制度の改正に加え、消費税10%への引き上げなど夢見た生活どころか、通常の生活にも支障をきたしてしまう可能性があります。
経済面を考えるとやはり持ち家がオススメ
やはり経済面や生活環境の変化を考えると持ち家がオススメでしょう。 仮に65歳から85歳までの20年間、家賃7万円の賃貸物件に住み続けたとしましょう。
その場合、7万円×240ヶ月=16,800,000円もの金額を家賃に支払うことになります。持ち家の場合、住宅ローンを完済して入れば固定資産税とリフォーム代金程度ですのでここまでの出費はかかりません。
持ち家+αの生活を体験する
それでも夢である理想の生活を諦めることができない。という方は、持ち家を保有しながら“海の近くの別荘”や“子供達の近く賃貸物件”を契約するという選択肢もあります。持ち家があるだけで信用度は増しますので賃貸物件も契約しやすくなります。
支出が増えてしまいますが、意外に一度住むと理想と現実がよく分かり持ち家が一番良い。という答えが出るケースもありますので二重住まいも悪くない選択肢と言えるでしょう。
もし、費用面で心配が残る場合はリバースモーゲージを活用し資金を手に入れる方法もあります。リバースモーゲージの詳しい説明はリバースモーゲージの全てが分かる!老後資金のプロが制度を徹底解説!をご覧頂ければと思います。
まとめ
老後の生活時間の多くを占める住居。簡単に決められることではありませんが、一度持ち家を手放してしまうと後で後悔しても取り返しがつかないため、慎重に検討を行う必要があるでしょう。
リスクを最大限減らし夢の生活も叶える方法としてもリバースモーゲージは有効ですので合わせて検討することをオススメします。