定年後の生活は計画が重要|退職金・年金・貯蓄の使い方と老後の支出を理解する







定年退職をすると、これまでの長い社会人生活が終わり大きなご褒美がもらえます。それは「退職金」と「時間」です。このお金と時間は無限ではなく有限の資産であり、使い方を間違えば短期間で消滅してしまうものです。そこで定年退職後、まず行って頂きたいことは「老後生活のシミュレーション」の作成です。定年退職後の収入と支出の計画を作成する訳ですが、その際に必要なポイントをお伝えしたいと思います。

老後資金の詳細なシミュレーションはこちらを参考にするとイメージがつきやすいでしょう。

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収入(貯蓄)のシミュレーションを作成する

まず収入(貯蓄)のシミュレーションを作成しますが、その点における重要なポイントを把握しましょう。

収入(貯蓄)の計画に必要なポイント

  • 退職金、貯蓄などの現金資産を把握する
  • 現金以外の資産状況及び金額を把握する
  • 年金等の収入状況を把握する

退職金、貯蓄などの現金資産を把握する

まずは、退職金とこれまでの貯蓄を合わせるとどの程度の現金資産があるのかしっかり把握しましょう。この現金資産が今後の老後生活におけるベースとなりますが、現金資産で2,000万円を切るような場合は生活が困窮する可能性があるため注意が必要です。

現金以外の資産状況を把握する

保険、株式、不動産などの現金以外の資産の状況も確認しましょう。先ほどのように現金資産が不足している場合は、現金以外の資産を活用し老後資金を得ることが望ましいでしょう。保険の解約や不動産の売却またはリバースモーゲージなどが該当します。

年金などの収入状況を把握する

年金は老後の生活を支える非常に重要な収入です。先ほどの現金資産とそれ以外の資産に加え、年金収入がどの程度なのか把握しましょう。平均的な年金収入は2017年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円をご確認ください。それでも老後資金が足りない場合は、もう少し仕事をする期間を長引かせるなどの対処が必要になります。

支出のシミュレーションを作成する

次に支出のシミュレーションにおける重要なポイントを把握しましょう。

支出の計画に必要なポイント

  • 生活費は切り詰めすぎない
  • 特別支出は忘れずに設定する(まずは必ず発生するものから)
  • 時間という悪魔と付き合う

生活費は切り詰めすぎない

一般的に定年後の夫婦二人世帯の支出額は27万円程度と言われています。老後の貯蓄や退職金に余裕がある場合はゆとりを持った支出額を設定することで、貯蓄が減っても焦らずゆとりのある生活が送れるでしょう。間違っても電気、ガス、水道などインフラコストの削減は行わないようしましょう。

特別支出は300万円程度を想定

特別支出とは定常的に発生する支出ではないものの、一度の支出額が大きいものを指します。例えば、子供の結婚資金の援助住宅のリフォームから車の故障や事故などの修理費用などが該当します。支出額が大きい分、シミュレーションから漏れてしまうと支出が発生した時に大きく計画が崩れてしまいます。旅行など「贅沢な支出」も特別支出に含まれますが、まずは、重要度の高い支出を優先しましょう。目安は300万円程度確保できると安心です。

時間があると支出が増える

定年退職後、お金よりも圧倒的に増えるのは「時間」です。休日を思い出してください。何もせずに1日中ソファーでくつろいでいたりしませんか?会社員時代は仕事の英気を養う時間として必要かもしれませんが、定年後は1日家にいることが次第に苦痛に感じるでしょう。ただ、外出をすると想定外の支出を招きますので、気づいたら生活費の上限に達していたということも発生するでしょう。

有り余る時間をコントロールする

そこで、老後生活のシミュレーションには「お金」だけでなく「時間」の概念も組み合わせるようにしましょう。まず、1日のタイムスケジュールを作成します。

定年後のタイムスケジュール

時刻行動支出が発生する可能性がある時間帯
6:00起床 
7:00朝食 
8:00-12:00自由時間支出が発生する可能性あり(4時間分)
12:00-13:00昼食 
13:00-18:00自由時間支出が発生する可能性あり(5時間分)
18:00-19:00夕食 
19:00-22:00自由時間 
22:00-就寝 

このように整理して見ると、午前中に4時間、午後に5時間程度の自由時間があります。ここで支出が生まれる可能性があることから、この時間をいかにコントロールするかが生活費の抑制に繋がります。老後の自由時間の過ごし方を考えてみましょう。

パートタイムなどで仕事をする

老後資金が困窮している場合は、パートタイムなどで収入を増やす必要がありますが、仮に資金が不足していない場合でも予定が無いと支出が増えるだけですのでパートタイムで支出を減らし収入を増やす選択はありでしょう。

平日22日×4時間×900円(時給)=79,200

午前中に少し仕事するだけでも月に8万円程度の収入が確保できますので、老後資金に大きくプラスをもたらしてくれるでしょう。

趣味を持つ・教養を身につける

「何もすることがない」という方は趣味や学習を始めるのも一つの手です。マラソンなどお金のかからない趣味であれば支出も大きくはかからないでしょう。また、学習はスクールや通信教育など費用が発生する学習方法ではなく書籍などで自習できることがベストです。専門性の高い学習を行うために費用が発生する場合は、支出可能額に収まるように計画を立てましょう。

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資産運用・投資を行う

無理な資産運用・投資は資産が減ってしまう危険性がありますが、株の変動をみていると1日はあっという間に過ぎ去ってしまうでしょう。決して無理をせずに、リスクが低いもので運用することや上限予算を決めて運用するなどルールを決めて行う分には資産を増やす機会にもなりますので良い選択です。くれぐれも以下のように退職金を溶かしてしまうことのないように注意しましょう。

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老後の収支を把握したら余剰資金を考える

次に旅行などの「贅沢な支出」について計画を立てるようにしましょう。ここまで「収入と支出のバランス」及び「時間」について解説を行いましたが、規律性の高い話ばかりで窮屈な老後生活を想像された方も、収支のバランスが見えたところで初めて「贅沢な支出」について考えることができます。

旅行の支出は「特別支出に加えましょう」

贅沢な支出は頻度と上限予算を決めましょう。

例えば、旅行であれば「年1回予算は15万円まで。」みたいに上限を決めておくと良いでしょう。仮に65歳から85歳まで毎年旅行に行けた場合は、20回×15万円=300万円の資金が必要になります。この資金が確保できるのか?できないのか?という部分から贅沢な支出の予算を設定するようにしましょう。

贅沢な支出ができない場合

老後資金が足りずに贅沢な支出ができない。という方も多くいるかもしれません。せっかく、定年後の生活を楽しみたいと思っていた方も資金が足りず全く楽しめないというのはがっかりですよね。このような場合はリバースモーゲージを活用するなどで資金を借り入れすることもできますので検討しても良いかもしれません。

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まとめ

定年後、一時的に退職金などで手持ちの現金資産が潤いますが、そこでしっかりと計画を立てなければ老後貧乏まで一直線です。最悪の場合、老後破産の危険もあるため、必ずシミュレーションを行うようにしましょう。









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老後資金の教科書

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