独身男女の老後の生活|おひとりさまでも強く生きるために必要な3つのこと







「おひとりさま」という言葉が数年前に注目されました。ただ、一生のあいだに結婚をせずに老後を迎えるのは「価値観」であり、他の人がとやかく言うことではありません。一方で、老後の生活を一人で過ごすにはいくつかの「必要なこと」があるといわれます。今回は独身男女の視野で、必要なことを考えてみましょう。

独身男女60歳以上の平均貯蓄額と資産構成

日本銀行に事務所を持つ金融広報中央委員会が刊行する「知るぽると」によると、60歳以上の単身世代の平均貯蓄額(金融資産所有額)は2,311万円。この統計は男女不問ですが、近年は女性も確実な収入を得て、資産を組成している人が多い印象を持ちます。資産構成を見てみましょう。

<単身世帯調査:60歳以上> ※四捨五入により各課目合計額は2310万円となります。

金融資産保有額平均:2,311万円
預貯金985万円42.60%
金融信託・貸付信託31万円1.34%
生命保険260万円11.25%
損害保険40万円1.73%
個人年金保険201万円8.69%
債券121万円5.23%
株式413万円17.87%
投資信託208万円9.00%
財形貯蓄14万円0.60%
その他金融商品37万円1.60%

課目別の特徴

この表を見てみると、まず株式保有率の高さ(17.87%)に目がいきます。日本は生命保険による資産運用(終身保険など貯蓄型生命保険の運用)が好まれるといわれますが、株式の高さも特記事項です。合わせて投資信託が比較的伸びていないところを見ると、これも日本の特徴といわれてきた「プロに任せる」よりも、自身で資産運用をしていることがわかります。

老後得られる収入と支出

老後に貰えるお金といえば公的年金です。厚生労働省の調査によると、自営業の方が支払う老齢基礎年金を、満額支給の条件である20歳から60歳まで支払ったとして、60歳以降に貰える年金額は月額で6万5008円、年額にすると78万100円です。

会社員の人が上乗せで保険料を支払い、保険金も上乗せで受け取る老齢厚生年金は、月額で14万4886円。今後の年金財政の動きにもよりますが、厚生年金受給者で月あたり20万円はまず確保されていると考えましょう。 一方の支出は生命保険文化センターの調査によると約16万円です。 内訳は以下の通りです(単位:円)。

食料35,137
教養娯楽15,804
光熱費・水道費13,359
住居費13,814
交通・通信費12,497
保険医療費8,348
家具・家事用品費5,204
被服・履物費4,509
教育費00
非消費支出(税・社会保障費)12,548
その他35,154

一見、毎月4万円程度の黒字はありますが、支出額は変動があるもの。決して余裕のあるものではありません。また、時に「大きな支出」が考えられるところが悩みのタネです。

老後に発生する大きな支出

また、老後には「大きな支出」が発生することがあります。そのための対策としては、毎年の会計で「余剰金」が生まれるようにしておくこと。また、老後資金の一助となる終身保険の保険金受取などは、手続きを確認して60歳や65歳という早い段階で受け取るようにしましょう。臨時的に大きなお金が必要となってから「終身保険はあるけれども受け取りはまだ先」という状況を避け、上手に活用することが大切です。

必要な老後資金はいくら必要か

数字でみると、老後の生活はどれくらいの資金が必要なのでしょうか。老後生活のアドバイスをすることが多く、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格の一部であるCFP、AFPを統括するNPO法人日本FP協会の調査では、老後における最低限の生活費は月額15万4千円、ゆとりある生活費は月額24万5千円。これを年額にすると以下の通り。

最低限の生活費184万8,000円(15万4,000円×12)
ゆとりある生活費294万円(24万5,000円×12)

これは、居住用住宅を有しているか、60歳の時点で住宅ローンの返済が完了しているかによって、生活の負担感も変わってきます。一昔前は男性が1人暮らしをする際と、女性がする際で生活費の違いがありました。ただ最近は女性でも若くして不動産物件を購入して生活基盤を整える人も多く、これまで言われていたような「男女比」はなくなってきています。

1人でも強く生きるために必要3つのこと

そのうえで1人でも強く生きるために、必要なのはどのようなことでしょうか。3つのことに繋がります。

ローンを組めないというデメリットへの対応

現役世代はローンを組むことで将来的な返済を見越し、大きな買い物をすることができます。車の買い替えによる自動車ローンや住宅のリフォームローンなど、老後生活に関連するローンも多いです。ただ、定年後は返済に不安があるとして、ローンが組めないケースも多いといわれます。よって現金によるまとまった支出が発生してしまいます。

かつ、単身世帯は年金の受取も2人分ではないため、金融機関にデメリットとして判断されてしまう場合も。あらかじめ現金を準備しておくことをお勧めします。また、定期収入のある現役世代のうちに、自動車の買い替えやリフォームを済ませておくのも大切なポイントです。

キャッシュフロー計画を作成し、常に見直す

老後資金といっても年にとって支出額が高かったり、臨時出費が目立ったりという年もあるでしょう。対策は常に「キャッシュフロー計画」を作成し、見直すことです。たとえばある年の臨時出費が目立ったら、翌年は少し抑えたり、予定していた旅行のグレードを下げたりするなどの工夫ができます。

老後になってからも「資産運用」を続ける

資産運用と聞くと、老後資金に「向けて」というイメージが強いのですが、そればかりではありません。60歳以後も貯蓄性の高い保険やリターンを期待できる投資をすることで、投資効果を期待できます。一般的なイメージではありますが、老後になると時間的な余裕ができるもの。

世の中の情勢を調べたり、専門家の話を聞きに行ったりという動きもこれまでより容易くなると思います。単身の方は、生活していくうえで自分自身の財産をどれくらい確保できているかが(2人世帯よりも)大切です。老後生活が始まったから投資は終わり!ではなく、継続して取り組んでいくようにしましょう。

老後資金を60歳からでも貯める方法

前項の「資産運用」を掘り下げましょう。例えば、解約返戻型の終身保険に加入することで、60歳を超えても終身保険に加入することができます。終身保険には貯蓄性があり、10年加入すると返戻率が105%、110%になる場合も。銀行に定期預金を預けるよりも効果的です。

また、元本保証の証券投資をする方法もお勧めです。証券投資は「リスクを想定しなければならない」という懸念がありますが、元本保証というリスクを除外した投資方法もあります。情報を集め、活用するようにしましょう。

まとめ

1人でも強く生きるために必要なことをまとめました。様々な価値観のある現代。情報を集め、生活の「まさか」に対して「武装」するようにしましょう。









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ABOUTこの記事をかいた人

工藤 崇

株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、 FP領域を活用して、Fintechビジネスを開始、発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。東京都千代田区大手町。