離婚裁判とは?手順・費用・期間から弁護士の有無までの必要知識を解説







離婚の話し合いをしても話し合いがまとまらず、離婚調停まで進んだがそれでも離婚が成立しない。」という方は、司法の力よって離婚するか否かの判断を行う「離婚裁判」を行うことになります。

離婚裁判と聞くと「弁護士に依頼する必要がある」と感じている方も多いと思いますが、弁護士に依頼せずとも離婚裁判を行うことは可能です。

その際、弁護士に依頼しなければ離婚裁判の費用は2万円程度になります。一方、弁護士に依頼すると100万円〜200万円と非常に高額の費用が必要になります。

また、離婚裁判の判決が出るまでの平均期間は11.6ヶ月が相場となりますので、費用も時間も非常に高くつく離婚方法と言えます。

今回は、この離婚裁判とは一体どのような離婚方法なのか?手順、費用、期間から弁護士に依頼した方が良い場合について解説を行いたいと思います。

離婚裁判とは?

離婚裁判とは、夫婦間の離婚協議では合意することができず離婚調停も不成立となった場合に、夫婦のどちらか一方が家庭裁判所に離婚の訴えを起こすことを指します。

離婚裁判では、訴えを起こした人を「原告」、訴えられた人は「被告」と呼び裁判で争うことになります。そして、離婚裁判によって離婚成立が判決されると、相手方が離婚を拒否しているような場合も関係なく離婚することが可能になります。

協議離婚、離婚調停までは最終的には双方の合意が必要でしたが、離婚裁判は双方の合意がなくても離婚することができるのが大きな違いと言えます。

離婚裁判で争点

では、実際に離婚裁判ではどのような点を争うのかお伝えしたいと思います。

離婚裁判での争点

  • 慰謝料の支払い有無やその金額
  • 未成年の子供がいる場合は親権者がどちらになるか
  • 財産分与の分け方や金額
  • 教育費の請求有無とその金額

離婚裁判では、「離婚するか否かの判断」だけでなく、慰謝料、教育費、財産分与などのお金の問題から親権者の決定まで同時に行うことになります。

また、協議離婚や離婚調停では問われなかった「離婚理由」も、離婚裁判では「法定離婚原因」と呼ばれるものに該当しなければ離婚することはできません。

法的離婚原因

  • 不貞行為:配偶者以外と性的関係になること
  • 悪意の遺棄:同居の拒否、扶養義務を怠るなど
  • 生死不明:3年以上の間生死が不明であること
  • 強度の精神病:回復見込みがない場合
  • 重大な事由:婚姻を継続することが出来ない重大な事由

また、上記の離婚原因を作った側の配偶者を「有責配偶者」と呼びますが、離婚裁判では有責配偶者からの提起は認められておりません。 

離婚裁判の9つの手順

それでは、離婚裁判を提起してから判決が出るまでどのような手順で進行するのか?ここでは大きく9つの手順に沿って解説を行いたいと思います。

離婚裁判の手順1.必要書類の準備

まずは、離婚裁判に必要な書類を用意しましょう。

離婚裁判に必要な書類

  • 離婚裁判の訴状2部
  • 離婚調停不成立調書(離婚調停後に発行される)
  • 夫婦各々の戸籍謄本及びそのコピー
  • 年金分割の情報通知書及びそのコピー(年金分割する場合)
  • その他(証拠の提出)

離婚裁判の手順2.離婚裁判に必要な費用

必要書類を準備した後は、離婚裁判に必要な費用も準備しておきましょう。離婚の有無だけを争う場合、収入印紙代が13,000円になりますが、慰謝料や親権など争点が1つ増える毎に1,200円を追加することになります。

離婚裁判の費用

  • 収入印紙代:13,000円(離婚の有無のみの場合)追加は1200円必要
  • 郵便切手代:7,000円(裁判所によって異なる)

離婚裁判の手順3.離婚裁判を提起する

必要書類と費用の用意が出来たら、家庭裁判所へ訴えを起こすことになります。その際、別居の状態によって提訴する家庭裁判所が異なります。

管轄する家庭裁判所

  • 夫婦が最後に同居していた住所を管轄する裁判所と同じ区域に夫または妻のどちらかが暮らしている場合は、その区域を管轄する裁判所に提訴する
  • 夫婦が最後に同居していた住所を管轄する裁判所とは異なる区域に夫も妻も暮らしている場合は、どちらか一方の住所地を管轄する裁判所に提訴する

離婚裁判の手順4.第1回口頭弁論日が指定される

裁判所に訴えが認められると「第1回目の口頭弁論の日程」が裁判所から通知されます。「第1回目の口頭弁論の日程」が決まると、相手方(被告)にも郵送で期日が記載された呼出状が郵送されることになります。

離婚裁判の手順5.被告は反論を記載した答弁書を提出する

相手方(被告)が訴状を受け取ると、そこに記載されているあなた(原告)の主張に対して、反論する内容を記載した答弁書を作成することになります。この反論が記載された答弁書は、相手(被告)から裁判所へ提出がされます。

離婚裁判の手順6.第1回口頭弁論が行われる

第1回目の口頭弁論は、あなた(原告)が訴状を提出してからおおよそ1ヶ月程度の日程で開始されることになります。その後、2回目、3回目と口頭弁論は続きますが、1ヶ月に1回のペースで行われることになります。

離婚裁判の手順7.第2回以降の口頭弁論が行われる

第2回目の口頭弁論も第1回目と同様の流れで進行します。

離婚裁判の手順8.判決と裁判の終了

口頭弁論を複数回行いお互いの主張が終わったところで裁判官より判決が出されます。

判決の種類

  • 判決:離婚を認めるか否かの判断とその理由
  • 和解:双方が離婚裁判中に和解することで裁判は終了する。その際、「和解調書」が作成される
  • 取下:原告が訴えを取り下げ場合は裁判が終了する

離婚裁判の手順9.離婚届の提出

離婚裁判の判決にて離婚することが確定したら、10日以内に本籍地の市区町村役場に離婚届の提出が必要になります。その際、「判決の謄本」と「判決確定証明書」を持参するようにしてください。

また、通常の協議離婚では、夫婦の署名や捺印に加え証人が必要になりますが、離婚裁判の場合は不要になります。ただし、10日以内に離婚届を提出しないと過料の対象となる場合がありますので期日を遵守するようにしましょう。

離婚届の提出時に知っておくべき知識については「離婚届の書き方と提出時に必要な準備物を解説|用紙ダウンロード付き」をご参照ください。

離婚裁判の期間は1年から2年程度は必要

上記の9つの手順を得て離婚裁判は終了を迎えることになりますが、離婚裁判の期間は1年から2年程度の時間が必要になると覚えておきましょう。

一般的に、離婚裁判の平均期間は11.6ヶ月となりますが、証拠の準備に時間がかかる場合や裁判として審議する事案が多数ある場合は2年近くの時間が必要になります。

また、判決の結果に不服である場合は控訴、上告することも可能ですが、そのような場合は3年以上も離婚裁判に時間を使う可能性があります。

離婚裁判を有利に早く終わらせる方法

離婚裁判の平均期間11.6ヶ月でも非常に長く感じることだと思いますが、その期間が2年や3年となっては肉体的にも精神的にも疲弊することでしょう。

そこで、少しでも有利かつ早く離婚裁判を終わらせる方法をお伝えしたいと思います。

決定的な証拠を集める

「論より証拠」という言葉があるように、離婚裁判ではいかに証拠を準備できるかが有利に進める決め手になります。そのため、ここでは、離婚原因別に集めるべき証拠の種類をお伝えします。

また、これからご紹介する証拠を集めるのは自分ではなかなか難しい場合もあります。

このような時は、「大手探偵社から地域に特化している探偵社、浮気の証拠が取れなければ費用0円といった今までにない探偵社を数多く紹介できる街角相談所 」を活用し、自分にあった探偵事務所を見つけることで証拠集めがスムーズに出来ることでしょう。

浮気の原因証拠
不貞行為
  • ラブホテルに出入りしている写真
  • メールや手紙で性的な関係にあったことが分かるやりとり
  • 不倫した事実を認める念書 など
悪意の遺棄
  • 生活費の振込が途絶えたことが分かる通帳の記録
  • 別居が始まった時期や原因の記録
  • 別居先の賃貸借契約書 など
DVやモラハラ
  • 外傷ができた場合は医師の診断書
  • 外傷を写した写真
  • DVやモラハラを受けた日時や場所を記載したメモ
  • 精神的苦痛を受けたことを証明する医師の診断書や受診記録 など
セックスレス
  • セックスレスの原因や期間を記録したメモ
  • 相手がセックスレスの期間を把握しているメモ など
精神的な苦痛
  • 暴言の回数、期間、頻度を記載したメモ
  • 精神的な苦痛を証明する医師の診断書
  • 通院している場合は回数、頻度、費用の記録

探偵への相談に関しては「探偵に浮気調査を依頼するメリット・調査方法・費用相場を解説」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。

離婚時に請求する条件を事前に決めておく

離婚裁判は、離婚の有無を決めると同時に慰謝料、財産分与、親権、教育費などもまとめて審議することになります。従って、審議する事案が多いほど離婚裁判の期間は長引くと言えます。

そのため、事前に請求条件において決められる部分は決めておきましょう。そうすることで、離婚裁判の期間を短縮することが可能と言えます。

離婚弁護に強い弁護士に依頼する

離婚裁判においては、必ずしも弁護士に依頼しなければならない。という訳ではありませんが、弁護士に依頼することで得られるメリットをご紹介します。

離婚裁判を弁護士に依頼するメリット

  • 依頼人の要望を汲み取って法廷に望むことから希望が叶いやすい
  • 論理的に主張を述べることが出来るため1審で離婚裁判が終わる可能性が高い
  • 弁護士が書類を作成してくれるので手間を省ける
  • 慰謝料の増額ができる場合がある
  • 親権や財産分与などの希望も通りやすい

上記のように、弁護士に依頼するメリットは非常に高いと言えますがやはりデメリットは費用となります。

離婚裁判を弁護士に依頼する場合の費用

ここでは、離婚裁判を弁護士に依頼する場合の費用をお伝えしたいと思います。

先ほどお伝えしたように、離婚裁判を自分で行う場合の費用は最小で2万円〜裁判ができますが、どの程度費用に差が出てくるのでしょうか。

離婚裁判を弁護士に依頼する費用

  • 初回相談料:0円(有料の場合は30分5,000円が相場)
  • 着手金:20万円〜40万円
  • 基本料金:30万円〜60万円+実費
  • 成功報酬:10万円〜20万円
  • 慰謝料の成功報酬:獲得した金額の10%〜20%
  • 親権や教育費の成功報酬:10万円〜20万円
  • 財産分与の成功報酬:獲得した金額の10%〜20%

上記の通り、弁護士に依頼すると安くても100万円程度の費用が発生し、高いと200万円近くまで費用が上がる場合がありますので依頼は慎重に検討べきと言えます。

まとめ

離婚裁判の手順、費用、期間から弁護士に依頼した方が良い場合についてお伝えさせて頂きました。

離婚裁判まで進展するケースは、全体で3%前後であることから離婚者数全体から見ると件数は少ないと言えます。しかしながら、いつ自分自身が離婚裁判を提訴するのか?もしくは訴えられるのかは分かりません。

そのため、離婚を検討しているならば離婚裁判の知識も身につけておくと安心と言えます。









全国320の法律事務所を徹底比較

ABOUTこの記事をかいた人

老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。