2018年最新|年金の受給年齢を70歳まで繰り下げると142%増







年金は原則65歳から支給されますが、実は60歳からの繰上げ支給も70歳以降の繰り下げ支給も両方できるのです。今回は、65歳以降に繰り下げ支給をした場合の年金増額率についてお伝えしたいと思います。

60歳から年金を受給する繰上げ受給については「年金の受給年齢を60歳まで繰り上げると支給額が70%減額される」をご確認ください。

2018年速報|年金受給年齢の繰り下げを最大80歳まで検討

2018年1月16日発表された速報について冒頭お伝えをさせていただきます。

政府は年金の繰り下げ受給年齢の上限を現在の70歳から75歳〜80歳まで引き上げることを2020年の国会提出に向けて検討を進めていると発表がありました。

まだ法案が可決された訳ではありませんので、現在の制度では70歳を年金の繰り下げ受給の上限であることは変わりません。ただし、この数年の間に年金の繰り下げ年齢が引き上げされる可能性があることを念頭においておきましょう。

それでは、年金の繰り下げ受給における制度を解説していきます。

70歳に繰り下げするといくらの年金が支給されるのか?

年金受給年齢を70歳に繰り下げ支給すると年金支給額は42%増額で受け取りすることができます。受給開始年齢によって支給率が異なりますのでまずは、一覧で確認をしてみましょう。

請求時の年齢増額率
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月8.4%~16.1%
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月16.8%~24.5%
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月25.2%~32.9%
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月33.6%~41.3%
70歳0ヵ月~42.00% 

年金支給額の平均から繰り下げ支給額をシミュレーション

それでは、実際にどの程度支給される年金が増えるのか、国民年金と厚生年金の平均支給額から70歳時の支給金額をシミュレーションしてみたいと思います。

国民年金と厚生年金の平均支給額の平均は「2017年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」を参照したいと思います。

項目65歳時点での平均支給額70歳時点での支給金額
国民年金¥55,244¥78,446
厚生年金¥147,872¥209,978

65歳時点での国民年金の平均支給額は55,244円ですが、70歳まで繰り下げ支給することで78,446円まで支給額を増やすことが可能です。加えて、厚生年金の場合は65歳時点の支給額の平均が147,872円となりますので、70歳時点で209,978円まで支給額を増やすことが可能です。

年金の支給額を65歳から70歳まで一覧化

年齢支給率国民年金厚生年金
65歳100%¥55,244¥147,872
66歳108.4%¥59,884¥160,293
67歳116.8%¥64,525¥172,714
68歳125.2%¥69,165¥185,136
69歳133.6%¥73,806¥197,557
70歳142%¥78,446¥209,978

夫婦世帯と独身世帯の年金繰り下げ支給額をシミュレーション

次に、世帯別の増額率を確認してみましょう。

夫婦世帯の場合は、年金支給額の平均が193,051円となります。70歳まで年金を繰り下げすることで42%増で支給を受けることができますので、70歳時点では274,133円と大幅に支給額を増やすことができるでしょう。

独身世帯の場合は、65歳時点の年金支給額の平均は、111,375円となりますので、70歳時点での年金支給額は158,152円とこちらも大きく支給額を増やすことができます。

繰り下げ支給をしている割合は1.4%のみ

繰り下げ支給をすることで年金額を増やすことができるので非常にメリットがあるように思えますが、「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を確認すると、実は繰り下げ支給をしている割合は1.4%しかありません。

やはり70歳まで年金を繰り下げるには老後資金が足りないケースやその年齢まで仕事を続ける気力がないというのが大きな理由でしょう。また、年金制度がいつ崩壊するか分からないという不安からなるべく早く受給したいと考える方も多いようです。

ただ、人によって年金は65歳になったら受け取るものであると思い込み、70歳まで繰り下げすることで支給額を増やせるということを知らないケースもあるでしょう。

正しい知識を身につけ、70歳まで支給を繰り下げできる方は検討すべきと言えます。

年金繰り下げ支給の損得ラインは81歳

繰り下げ支給は、年金の支給率が42%増となりますが、その分、65歳から受け取る方に比べると年金の支給期間自体は短くなります。そのため、何歳まで年金を受給すると繰り下げをした方が得になるのか計算してみたいと思います。

国民年金と厚生年金共に平均支給額から算出すると81歳から82歳の段階で繰り下げ支給をした方が「得」になることが分かりました。

平均寿命が過去最高の男性80.98歳・女性87.14歳に更新」を参照しても80歳以上長生きする可能性が高いので、80歳以降も長生き出来ると考え、70歳まで年金受給年齢を繰り下げるのか否かの判断を行う必要があるでしょう。

また、年金支給額は個人によって異なりますのでご自身が受け取れる年金額から算出するようにしましょう。

年金繰り下げ支給の手続き方法

年金の繰り下げ支給の手続き方法は、「老齢(基礎・厚生)年金支給繰り下げ請求書」を年金事務所または年金相談センターに提出するのみとなります。

  • 老齢(基礎・厚生)年金支給繰り下げ請求書の様式はこちら
  • 老齢(基礎・厚生)年金支給繰り下げ請求書の記入例はこちら

年金の繰り下げ支給の注意点

年金の繰り下げ支給時の注意点も合わせてお伝えさせて頂ければと思います。おおきく3つの注意点がありますので事前に確認を行うようにしましょう。

繰り下げ支給の注意点

  1. 65歳から66歳までの間に遺族年金など他の年金を受け取ってしまった場合は繰り下げ支給ができない
  2. 70歳以降の繰り下げ率は70歳を過ぎても増額率は一定となる
  3. 共済組合の加入者で複数の老齢厚生年金を受給できる場合、一方だけの繰り下げを行うことはできない

年金繰り下げ支給のまとめ

年金の繰り下げ支給について解説を行いました。現在は平均余命が伸びていますので81歳以降も長生きする方も多いでしょう。その点を踏まえて年金の繰り下げ支給を行うのは貴重な選択になりそうです。

不安要素はやはり年金制度の崩壊と寿命でしょう。

どちらも先読みすることはできませんが、年金法の改正は事前に案内がされますので動向を見ながら判断すると良いと考えられます。









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