国民年金は20歳から強制加入|学生の親が知っておくべき年金の知識







国民年金は20歳になると誰もが加入する必要があります。当然、学生の人も例外ではありません。

そのため、20歳を迎えたタイミングで国民年金の加入手続きを行う必要がありますが、「まだ学生なので収入がなく国民年金保険料を納付することができない。」という人も多いことでしょう。

そこで今回は、20歳を迎えた人が国民年金に加入する際の手続き方法と収入がない場合の対処法について解説を行いたいと思います。

国民年金は20歳になると加入手続きが必要

冒頭でもお伝えしたように、20歳を迎えたタイミングで、国民年金へ加入する手続きが必要になります。

とは言え、「学生なので国民年金保険料を支払う余裕なんてない!」という人が大多数と言えます。実際、毎月の国民年金保険料は1万6340円(平成30年度時点)も徴収されることから20歳の人には大きな痛手となるでしょう。

このような時に活用できる制度が「学生納付特例制度」になります。

学生納付特例制度とは?

学生納付特例制度とは、20歳以上の学生で、所得が一定よりも低い場合に日本年金機構に申請すると、国民年金保険料の支払いを猶予してもらえる制度になります。

この制度を活用することで学生の間は年金保険料を納付する必要は無くなります。実際、以下の表を参照しても、実に学生の66%が学生納付特例制度を利用していることが分かります。

学生の国民年金保険料納付状況

出典:厚生労働省「平成26年国民年金被保険者実態調査結果の概要」

ただし、学生納付特例制度は、あくまで「猶予」になりますので後々「追納」しなければ、将来受け取れる国民年金受給額が減額されてしまいます。加えて、2年以上猶予すると延滞金が発生してしまいますので、損をしない範囲で「学生納付特例制度」を活用したいところです。

学生納付特例制度と追納に関する詳しい解説は以下の関連記事をご参照ください。

既に就職し厚生年金に加入している場合は手続き不要

20歳時点で学生ではなく既に就職している人もいることでしょう。就職し厚生年金に加入している場合は、20歳時点で国民年金の加入手続きは不要になります。

これは、厚生年金に加入するということは、同時に国民年金にも加入している扱いになることから既に保険料を納付しているためです。

もし、会社を辞めて国民年金に切り替えする場合は別途手続きが必要になりますので、詳しくは「国民年金と厚生年金の切り替えは忘れてはいけない!就職や退職時に注意」をご参照いただき切り替え手続きを行ないましょう。

20歳の人が国民年金に加入する手続き

それでは、20歳になった人がどのように国民年金に加入するのか?手続き方法について解説を行いたいと思います。

一般的な加入手続き

20歳の誕生日が近づくと日本年金機構から「国民年金加入手続きのご案内」が郵送されてきます。

同封される書類に「国民年金被保険者資格取得届書」が入っておりますので、誕生日前日から起算し14日以内に最寄りの市区町村役場に提出するようにしましょう。郵送での手続きも可能です。

おおまかな手続きは以上となりますが、後日、国民年金保険料の納付書が届きますので支払いを終えれば正式に完了となります。

学生納付特例制度の加入手続き

学生納付特例制度の加入手続きは「「国民年金被保険者資格取得届書」を提出する際に、合わせて「国民年金保険料学生納付特例申請書」の提出を行うことになります。

「国民年金保険料学生納付特例申請書」の提出を行うと、後日、「承認通知書」が郵送されてきます。この通知を受け取れば手続きは完了となります。また、年金手帳と保険料納付書は承認通知書とは別に郵送されてきます。

猶予してもらったのに納付書が届くの?」と疑問に感じるかもしれませんが、この納付書は納付期限から2年間支払いが可能なものになりますので手元に保管しておけば問題ありません。

また、学生納付特例制度は毎年更新になりますので、次年度は「国民年金保険料学生納付特例申請のご案内」という書類が届きますので更新する場合は記入し返送するようにしましょう。

国民年金に加入しないとどうなる?

20歳を迎えた際の国民年金の手続きは基本的には以上になりますが、もし、加入手続きを行なわなかったらどうなるのか?解説を行いたいと思います。

国民年金の加入手続きを怠った場合

  • 将来受け取れる年金が減額される
  • 障害年金や遺族年金の受給資格を得られない
  • 強制徴収にて財産や給与が差し押さえされる(家族分も)

大きな問題は上記の3点と言えますが、まず、老後に国民年金(老齢基礎年金)を受給するためには最低でも10年間は国民年金保険料を納付する必要があります。そのため、加入期間が10年以下の場合は、将来年金が受け取れませんし、加入期間が短いと受給額が減少してしまいます。

また、年金は老後に受け取るだけでなく、現役時代に万が一があった時に給付される「障害年金」や「遺族年金」の受給資格も失ってしまうのです。

さらに、最近では年金保険料の滞納者に対する罰則が強化されており、最悪の場合は、強制徴収にて財産や給与が差し押さえされてしまいますので注意が必要です。差し押さえ対象は子供だけでなく親にも及びますので必ず加入すべきと言えるでしょう。

子供の国民年金保険料を親が払うことも可能

国民年金保険料は本人が納付することが大前提ではありますが、世帯主や配偶者も連帯して納付する義務を負っています。そのため、子供が20歳を超えている場合は親が代わりに支払うことが可能なのです。

このメリットは納付した親は所得控除の対象になり税金が安くなる。という点です。所得が高い場合は、子供の年金保険料を支払い所得控除受けることで節約にも繋がりますので検討の価値は高いでしょう。

これは会社員の親でも対象になりますので詳しくは「国民年金は年末調整で控除可能!厚生年金加入者も対象になるって本当?」をご参照ください。

子供が海外に留学した場合の国民年金の取り扱い

国民年金の強制加入対象は20歳以上の人。という点に加えて「日本に在住する人」という条件があります。そのため、子供が海外に長期留学するケースは強制加入の対象外になるのです。

この場合、国民年金に加入しない。という選択もありますが、これでは将来受け取れる年金額が減額されてしまいますので、1年程度の留学であれば任意加入しておくのが良いと言えます。

国民年金の任意加入の手続き方法は「国民年金の任意加入はいつから?手続き方法・加入条件・金額を解説」にて詳しく解説しておりますのでご参照ください。

まとめ

20歳になった時の国民年金の加入手続きについて解説を行いました。

学生の多くは「学生納付特例制度」を活用し国民年金保険料の猶予を受けているのですが、その際は「追納」することも忘れないようにしましょう。

また、所得の高い親御さんの場合は、年金保険料を代わりに支払うことで所得控除の対象にもなりますので賢く制度を活用し節約することをおすすめいたします。









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