2019年最新|老後資金の必要額は夫婦・単身世帯でいくらになる?







老後資金の必要額は最低でも3000万円は必要である。

という話をよく聞きますが、実際のところ、単身なのか夫婦なのかによってもその必要額は大きく変わるでしょう。さらには、60歳から老後の生活を始めるのか?それとも65歳なのか?これによっても老後資金の必要額は変動します。

このように、老後資金の必要額と言っても個々の状況によって大きく変動することから、今回は、老後資金の必要額を世帯構成と年齢別にシミュレーションをしたいと思います。

また、本記事の下部には老後資金の必要額を簡単に計算できるシミュレーターもご用意しておりますので、ぜひご活用頂ければと思います。

老後資金が必要なのはいつからいつまで?

老後資金が必要な期間は、一般的に定年退職(給与の収入が途絶えてから)から亡くなるまでの期間を指しております。実際、老後のモデルケースとして利用されるのは「60歳から85歳までの25年間」を1つの区切りにしているケースが多いと言えます。

この理由には、定年退職する年齢が60歳であったことや平均寿命が80歳前後であることが関係していますが、そもそも年金支給年齢が65歳になったことから65歳まで仕事をしている人は大勢いることでしょう。

寿命に関しては、予言することは出来ませんが、毎年平均寿命が伸びている状況を考えると90歳程度までは生きる前提で老後資金の必要額を算出した方が良いと言えます。

そのため、今回のシミュレーションは60歳と65歳から老後の生活を始め90歳で亡くなると仮定し計算を行いたいと思います。

※この基準は個人の考えによっても変動することから実態に合わせた老後資金の必要額を算出したい方は、本記事の下部にある老後資金シミュレーターで早速計算することをおすすめします。

老後資金の計画に含めるべき老後の収入と支出

老後資金の必要額を計算する上で必要になる考え方は「老後の期間に必要となるお金に対して現在の貯蓄と年金などの収入を加算した時にいくら不足するのか?」を知ることが重要になります。

そこで、老後資金の計画に含めるべき収入と支出についてお伝えをしたいと思います。

老後資金の計画に含めるべき老後の収入(貯蓄)

老後資金の計画に含めるべき収入(貯蓄)は、公的年金、退職金が主体となります。その他にも、定年退職後にアルバイトなどで収入が得られるような場合や資産運用を行なっている場合は、その収益も収入として計上しましょう。

老後の収入(貯蓄)

  • 公的年金
  • 退職金
  • 貯蓄
  • 給料(アルバイトなどの収入も含みます)
  • その他(資産運用などの収益)

老後資金の計画に含めるべき老後の支出

老後資金の計画に含めるべき支出は、生活費の他にも介護費用や葬儀費用なども忘れないように計上してください。特に、介護費用は老後の支出でも非常に大きな金額となりますので、計上漏れは非常に危険と言えます。

老後の支出

  • 生活費
  • 介護費用
  • 葬儀費用
  • その他(病気、事故などの突発的な支出)

老後の平均的な収入と支出

では、実際に高齢者世帯がいくらの収入と支出で家計をやり繰りしているのか「夫婦世帯」と「単身世帯」の平均的なモデルを総務省の「家計調査年報」から参照したいと思います。

2019年最新|夫婦世帯の平均的な老後の収入と支出

高齢者夫婦世帯の老後の収入は20万9198円、支出は26万3717円となることから、毎月5万4519円も赤字を出していることが分かります。

また、支出面を確認すると住居費の割合が5.8%となりますので、毎月1.4万円程度が住居費として発生していることになります。このことから、想定できるのは、持ち家であり住宅ローンはすでに完済している状態と言えるでしょう。

そのため、賃貸暮らしの夫婦世帯の場合は、支出はさらに増加すると言えます。

2019年最新|単身世帯の平均的な老後の収入と支出

高齢者単身世帯の老後の収入は11万4027円、支出は15万4742円となることから、毎月4万715円も赤字を出していることが分かります。

単身世帯の場合も同様に住居費が占める割合は10.2%となり金額にすると1.4万円程度になります。

これは死別したケースも含まれており、持ち家比率が高いことを示しております。仮に独身で賃貸暮らしの場合は、上記の金額を基準にしながらも賃料を支出に含めるようにしましょう。

夫婦世帯の老後資金の必要額はいくら?

上記の平均的な収入と支出から夫婦世帯の老後資金の必要額はいくらになるのかシミュレーションをしてみましょう。老後の開始年齢は60歳、65歳の2つのパターンとし、寿命は90歳と仮定をしたいと思います。

シミュレーション条件

  • 60歳〜65歳は無収入期間になるため生活費である26万が赤字となる
  • 65歳〜90歳までの赤字金額は毎月5万4519円となる
  • 介護費用の平均は夫婦で932万円となる「生命保険に関する全国実態調査より
  • 葬儀費用の平均は夫婦で400万円となる「日本消費者協会の葬儀に関するアンケートより」
  • 老後期間における突発的な支出に対応するため夫婦で500万円の余剰資金を用意する

夫婦世帯の60歳から90歳までの老後資金の必要額は5000万円

  • 60歳〜65歳までの赤字:1580万円
  • 65歳〜90歳までの赤字:1630万円
  • 介護費用:932万円
  • 葬儀費用:400万円
  • 余剰資金:500万円
  • 夫婦世帯の60歳から90歳までの老後資金の必要額:5042万円

夫婦世帯の65歳から90歳までの老後資金の必要額は3500万円

  • 65歳〜90歳までの赤字:1630万円
  • 介護費用:932万円
  • 葬儀費用:400万円
  • 余剰資金:500万円
  • 夫婦世帯の60歳から90歳までの老後資金の必要額:3462万円

単身世帯の老後資金の必要額はいくら必要?

続いては単身世帯の平均的な収入と支出から老後資金の必要額はいくらになるのかシミュレーションをしてみましょう。老後の開始年齢は、夫婦世帯と同様に60歳、65歳の2つのパターンとし、寿命は90歳と仮定をしたいと思います。

シミュレーション条件

  • 60歳〜65歳は無収入期間になるため生活費である15万が赤字となる
  • 65歳〜90歳までの赤字金額は毎月4万715円となる
  • 介護費用の平均は466万円となる「生命保険に関する全国実態調査より
  • 葬儀費用の平均は200万円となる「日本消費者協会の葬儀に関するアンケートより」
  • 老後期間における突発的な支出に対応するために250万円の余剰資金を用意する

単身世帯の60歳から90歳までの老後資金の必要額は3000万円

  • 60歳〜65歳までの赤字:900万円
  • 65歳〜90歳までの赤字:1220万円
  • 介護費用:466万円
  • 葬儀費用:200万円
  • 余剰資金:250万円
  • 単身世帯の60歳から90歳までの老後資金の必要額:3036万円

単身世帯の65歳から90歳までの老後資金の必要額は1800万円

  • 65歳〜90歳までの赤字:900万円
  • 介護費用:466万円
  • 葬儀費用:200万円
  • 余剰資金:250万円
  • 単身世帯の60歳から90歳までの老後資金の必要額:1816万円

老後資金の必要額を簡単シミュレーション

老後資金の必要額を老後の開始年齢別にシミュレーションを行いましたが、上記はあくまでも一定の条件で算出した参考例でしかありません。そのため、実態に即した形で老後資金の必要額を算出する必要があります。

そこで、老後資金の必要額簡単に計算できるシミュレーターを作成しましたので、ご自身の条件を入力し計算をしてみましょう。

老後資金の必要額を
簡単シミュレーション

65歳以降に必要となる老後資金の必要額を簡単に計算することが可能になります

あなたと配偶者の現在の年齢を入力してください

収入の金額と収入を得られる期間を入力してください

月額 万円
月額 万円
月額 万円
月額 万円

貯蓄額を入力してください

総額 万円

支出の金額を入力してください

月額 万円
総額 万円
総額 万円

※介護費用966万+葬儀費用400万円を夫婦二人分を自動加算しています

あなたの老後資金の必要額は

万円です。

老後資金の必要額の算出結果は目安となりますので、家庭環境によって変動することにご留意ください

老後資金が不足する場合の対処法

ここまで老後資金の必要額をお伝えさせて頂きました。

シミュレーション結果から老後資金が不足している場合は「家計の支出を見直し節約する」ことや「そもそも収入を増やす」などの対策が必要になるでしょう。

とは言え、数千万円単位のお金を用意することは簡単ではありません。そこで、本章では老後資金の必要額が不足する場合にどのような対処法があるのかをお伝えさせて頂きます。

対処法1.高齢者雇用継続給付金を活用する

高齢者雇用継続給付金とは、60歳になった月から65歳になる月までに、これまで取得していた給料の下がり幅に対して給付金を支給する制度になります。

多くの企業は60歳を定年退職とし65歳までは再雇用制度によって就労することは可能ですが、その際に給料が大幅に下がってしまうケースがあります。

この下がり幅に対して給付金を支給し生活が困らないように対策する制度になりますので必ず活用しましょう。

高齢者雇用継続給付金の支給額

  1. 賃金の低下率が61%未満:支給対象月の賃金×15%を支給
  2. 賃金の低下率が61%以上75%未満:支給対象月の賃金×一定の割合(0%-15%)を支給

高齢者雇用継続給付金以外にも生活を支える給付金制度がありますので、詳しくは「高齢者給付金で必ず抑えたい3つの制度|消費税・雇用・年金問題の対策に」をご参照ください。

対処法2.働く期間を伸ばす

高齢者雇用継続給付金を活用し60歳〜65歳までの所得の急激な落ち込みに対処した後は、65歳以上もできる限り長く働くことがポイントになります。

ただし、正社員である必要はなくアルバイトでも十分です。

例えば、毎月アルバイトで8万円の収入が得られる場合、65歳から70歳まで継続すると480万円の収入が確保できます。これが夫婦二人世帯であれば約1000万円の老後資金が用意できることになります。

老後におすすめな仕事探しは「シニアの仕事におすすめな職種と求人情報10選」をご参照ください。

対処法3.資産運用による副収入を得る

「お金に働いてもらう」という言葉があるように自分自身の労働には限界があります。そこで、資産運用を検討することになりますが、ポイントは「増やすのではなく維持すること」になります。

資産運用は、基本的にリターンが大きい分だけリスクも高まります。そのため、ローリスクローリターンで毎月の赤字分を補うだけのリターンが出れば良いのです。

例えば、各種金融機関が提供している「退職金定期預金プラン」は、ほぼ確実に年利2%のリターンが得られるのです。仮に退職金が2000万円あった場合、お金を預けるだけで年間40万円も貯蓄を増やすことが可能になります。

その他にも堅実性の高い投資商品は複数ありますので、詳しくは「2019年最新|退職金の運用で失敗しないおすすめプラン6種を比較」をご参照ください。

対処法4.生命保険・損害保険の見直し

子供が既に独り立ちしているような場合は、高額な死亡保障付きの生命保険に加入する必要はないと言えるでしょう。

加えて、医療保険やがん保険など複数の保険に加入している場合もあると思いますが、保障も最低限に絞ることで保険料を下げることが可能です。損害保険においても車を乗る機会が極端に減った場合などは、いっそのこと車を手放し自動車保険を解約することも1つの手になります。

逆に、保険解約返戻金が得られる終身保険に改めて加入することで、10年後に保険料の元が取れる商品もありますので、その点も含めて保険の見直しを行うことをおすすめします。

老後の保険の見直しは「老後の保険|60歳からでも老後資金が確保できるおすすめの方法」をご参照ください。

対処法5.年金受給年齢を繰り下げする

老後資金が不足する際の対処法①〜④まで実施するとある程度生活にゆとりが見えてくることでしょう。その際、可能な範囲で年金受給年齢の繰り下げを検討してみましょう。

年金の繰り下げ受給とは、65歳時点で受け取れる年金額を100とした場合に、年金受給年齢を遅くするほど受給できる金額が増えるというものです。現在は70歳まで繰り下げすることが可能ですが、その場合は142%増で年金が受給できます。

仮に、65歳時点で20万円の年金が受け取れる場合は、28.4万円が亡くなるまで支給されることから、働ける内は少しでも長く働き年金を多く受給するという方法もあるでしょう。

年金の繰り下げ受給に関しては「2018年最新|年金の受給年齢を70歳まで繰り下げると142%増」をご参照ください。

対処法6.リバースモーゲージを活用する

リバースモーゲージとは、現在お住いの自宅(土地・建物)を担保に老後資金を借入する方法ですが、元金の返済が債務者が亡くなった後に住宅を売却し返済をするという特徴があります。

そのため、債務者が生きている間の返済は金利のみとなることから借入をしたお金で十分に生活をすることが可能になると言えますし、亡くなった後も親族に借金を背負わせる必要がないことから、老後資金が不足する高齢者に重宝されています。

一方で、金利が上昇した場合に返済額が増えてしまうことや物件の価値が下がると借入上限額が減少してしまうなどのリスクもあります。

そのため、利用は慎重に検討するべきと言えますが、数千万円のまとまった老後資金を借入できる可能性もあるので、老後資金が枯渇する高齢者は活用を検討するべきでしょう。

リバースモーゲージの詳しい解説は「リバースモーゲージとは|1から理解し使いこなすための全知識」をご参照ください。

まとめ

老後資金の必要額について世帯構成と年齢別にシミュレーションを行いました。シミュレーションでもお伝えしましたが、家計の状況によって老後資金の必要額は千差万別です。

そのため、老後資金がいくら不足しているのか実態を把握するためにも老後資金の計画を立てるようにしましょう。その上で本記事でも紹介した6つの対処法を実践することをおすすめします。

少しでも老後の不安を解消できれば幸いです。









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老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。