なぜ老後貧乏になった?老後資金2000万円が減り続ける恐怖







老後貧乏は現役時代に低所得だった方だけが陥ってしまう訳ではありません。

今回は現役時代に年収820万円の収入があり老後資金として71歳の段階で2000万円を貯金出したにも関わらず、老後資金の枯渇が想定され日々倹約を迫られている74歳のAさん夫婦をご紹介したいと思います。

老後貧乏の原因は子供の鬱病

それではAさん夫婦がなぜ老後貧乏になってしまったのか、原因は3年前に現在44歳になる1人息子が鬱病で実家に帰ってきたことにあります。

息子さんは元々営業マンで結果を残すタイプの方でした。その実力が買われ38歳の時に転職し、新しい職場に就きました。新しい職場では、これまでの営業スタイルがなかなか通用せず結果が出なく徐々に精神的に落ち込む日が増えていきました。

当時、41歳の奥さんと長女8歳、次女6歳という4人家族を養う大黒柱として、自分がしっかりと稼がないと家族が路頭に迷う。と体に無理を言って毎日を働いていました。

それが仇となり、結果40歳で鬱病にとなり奥さんも働くようにはなったのですが、家族仲も悪化し離婚。41歳で実家に帰ってきました。

老後の貯蓄と年金だけで息子を養うことに

その結果、Aさん夫婦が貯蓄と年金から息子さんを養うこととなりました。

やはり、44歳とは言え1人息子が鬱病で働けない状態になると親としても何かしら面倒をみたい。

そうゆう気持ちに駆られ息子さんを受け入れましたが、3年間も実家にいるとなると徐々に生活が悪化していくのが分かりました。息子さんが実家に帰る前後の家計簿を比較してみましょう。

項目Aさん夫婦のみの71歳時Aさん夫婦+息子の74歳時
貯蓄20,000,000円14,564,000円
年金240,000円240,000円
食費80,000円90,000円
住居28,000円28,000円
高熱・水道25,000円30,000円
家具・家事用品10,000円13,000円
被服及び履物10,000円20,000円
保健医療20,000円20,000円
交通・通信25,000円35,000円
教育費0円50,000円
教養娯楽35,000円5,000円
その他の消費支出70,000円70,000円
支出合計303,000円361,000円
年間支出3,636,000円4,332,000円
年間収入2,880,000円2,880,000円
年間マイナス△756,000円△1,452,000円
老後破産までの期間26年後11年後

11年後に老後破産の危機

なるべく生活費を切り詰めるために趣味娯楽費用などは極端に削減していますが、息子さんもいることで全体的な支出が悪化しています。

もともとは26年間老後資金が持つ計算(介護期間をいれると13年程度)でしたが、それが現在のペースで支出が続くと11年後、85歳の時に老後破産してしまうことが分かりました。

介護費用を含めるとすでに老後破産状態となるため、どちらかが介護状態になるとAさん夫婦は破綻するでしょう。

Aさん夫婦の計画

元々決して余裕があった訳ではありませんが71歳の時は2000万円の貯蓄があり、家計上は年金収入を入れて毎月6.3万円の赤字でした。ただこれは趣味である旅行に行くために毎月積立していた金額を含めています。

夫婦二人が元気なうちはお金を使おう。と決めていた費用なので家計が苦しくなれば生活費を抑えて収支を±0円程度まではできると考えていたようです。

また、介護費用も夫婦二人で1000万円は残す計画だったとのこと。

孫の教育費を支払うことに

Aさん夫婦は息子の生活費の負担に加え、孫の教育費も支払っています。

支払い義務がある訳ではありませんが、それでも孫は可愛い。義理の娘に全て押し付けてしまい本当に申し訳ない。という気持ちから毎月5万円の援助を行なっています。

ただ、2000万円あった老後資金は3年で650万円も減ってしまいました。この老後資金が減り続ける恐怖が不安をさらに助長させてしまう結果となるのです。

老後貧乏の対策はどうする

このような状況に追い込まれたAさん夫婦に対し、老後破産を回避するためのいくつかの方法をお伝えしたいと思います。

まずは、5万円を目標に老後の生活費を削減したいとこです。

例えば、「食費」はさらに2万円削減はできるでしょう。「通信費」は携帯を解約し夫婦で1万円の削減、冷暖房などを極力使用しないようにして5千円の削減、車を売却し「交通費」を1.5万円削減。など、現実的にできる箇所、できない箇所はあると思いますが、よく考えると使用頻度は少ないが毎月支出が発生している部分などもあります。

【FPが教えるVol.2】老後資金の貯め方|毎月コツコツの生活習慣が大きな差を生む!を参照いただくと家計の無駄に気付くきっかけになります。5万円の支出を削減に成功すると老後破産までの期間が11年から18年に伸びます。現在、74歳のAさん夫婦の18年後となれば92歳になります.

消えぬ介護費の不安

ただ、介護は別問題です。老後資金の全て|老後破産を回避するために身に付けたいお金の知識でもお伝えしておりますが、1人あたりの介護費用と期間は生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」を確認すると4年11ヶ月で毎月7.9万円の支出となります。

従って1人あたり500万円近い支出が発生するのです。二人で1000万円。幸い今は夫婦揃って健康とのことですが、これから介護状態になると一気に老後破産をしてしまう可能性が高まるでしょう。

リバースモーゲージの活用

どちかが介護の状態になったらリバースモーゲージの活用を選択にいれても良いでしょう。

幸いAさん夫婦は戸建を所有しているため、この住宅を担保に金融機関から借り入れをすることができる可能性があります。その際、借入金の返済が契約者であるAさんが亡くなった後になるため日々の生活費を削ることなく生活ができるでしょう。

利用には担保の審査などもあるのでリバースモーゲージとは|1から理解し使いこなすための全知識を確認頂くとよいでしょう。

息子の回復、孫の独り立ちが一番の解決策

74歳と高齢なAさん夫婦ですので、資産運用や仕事をするという解決策は難しいと想定し、生活費の圧縮とリバースモーゲージをご紹介しました。

ただ、一番の解決策は息子さんの回復でしょう。

すでに3年も療養していますのでそろそろ社会復帰をさせるべきかもしれません。こればかりはアドバイスすることはできませんが、適切にお医者さんに相談することをおすすめします。

加えて、お孫さんも10年もすれば大学を卒業するでしょうから教育費の5万円を0円にすることができます。これによってAさん夫婦の家計は改善されると想定できます。

まとめ

老後貧乏状態のAさん夫婦の現状と家計についてご紹介しました。

息子さんの思わぬ事態によって老後貧乏状態となったAさん夫婦ですが、これは誰にでも起こりうる問題ですので、やはりできる限り老後資金は余裕をもって準備をしたいものです。

老後資金は夫婦二人世帯でいくら?必要額をシミュレーションにて夫婦二人世帯の老後資金の計画に必要な情報を網羅していますが、このような問題が起きた時に事前にお金の知識を学ぶことは非常に重要と言えます。そのため、問題が起きる前に老後のリスクを想定した講習などを受講することをおすすめします。









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老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。