年金の猶予や免除を受けている方や学生時代に「学生納付特例制度」を活用し年金支払いの猶予を受けている方など、いつかは追納しなければならない。と思っている方も多いでしょう。
追納の期限は10年となりますが、果たして追納することは得なのか損なのか悩ましい問題です。そこで今回は、年金の追納をすることで享受できるメリットについてお伝えしたいと思います。
年金の追納で受給額はいくら増える?
早速ですが、年金を追納した場合いくら受給額が増えるのか。誰もが気になるところです。
平成29年度の国民年金保険料は月額1万6,900円となりますが、追納は過去の古い期間から支払いをすることになりますので、おおよそ月額1万5,000円程度の保険料を追納することになるでしょう。
この1ヶ月分の保険料を追納すると1年間で受給できる年金額は1,625円増えることとなります。
例えば、学生納付特例制度を活用した方が2年分(24ヶ月分)の年金保険料を追納した場合は、年額3万9,000円も年金受給額が増えることになります。
追納した金額は回収できるのか?
年金受給額が3万9,000円増えた場合、何歳で元を取れるのか計算をしたいと思います。
今回は学生を想定しておりますので、20歳から22歳の2年間分を学生納付特例制度で猶予した場合で平成19年度と20年度分を追納すると仮定したいと思います。(追納は一番古い期間から支払いをすることが定められています。)
追納する年度 | 月額の保険料 | 年間の保険料 |
平成19年度 | ¥15,040 | ¥180,480 |
平成20年度 | ¥15,160 | ¥181,920 |
追納金額合計 | ¥362,400 |
2年分の追納で36万2,400円になりますので3万9,000円で割ると9.2年で元が取れる計算になります。従って65歳から年金を受給した場合は74歳2ヶ月で元が取れることになります。
74歳まで長生きすれば追納をした方が良いと言えますが、その年齢まで長生きすることはできるのか?これは人によって寿命も変わりますが、平均寿命を参考にすると男性80.98歳・女性87.14歳となりますので追納した方が良いと言えるでしょう。
追納による年金保険料は所得控除の対象になる
年金の追納メリットは受給額増加だけではありません。支払う保険料は所得控除扱いになりますので住民税と所得税の節税にも貢献してくれます。
先ほどの36万2,400円を追納した場合に住民税と所得税がどの程度お得になるのか計算をしてみたいと思います。ここでは計算をシンプルにするために住民税10%、所得税5%として計算を行います。
- 住民税:36万2,400円×10%=3万6,240円
- 所得税:36万2,400円×10%=1万8,120円
2年分を追納するだけで5万4,360円の節税効果を期待することができます。これは非常に大きいと言えるでしょう。
nanacoカードにクレジットカードでチャージすればポイントも獲得
以前、「国民年金をクレジットカード払いにするとお得なの?割引率を徹底比較」でお伝えしましたが国民年金はクレジットカード払いが可能になりますが、追納分はクレジットカードでの支払いができません。
このような時に、セブンイレブンのnanacoカードを活用する方法があります。
nanacoカードはクレジットカードで最大20万円までチャージすることが可能になります。このチャージによってクレジットカードのポイントが付与されますので、これで年金の追納分を支払うことでポイントを獲得することが可能になります。
例えば年会費無料でポイント還元が100円で1ポイント付与される楽天カードを活用すれば、3,600ポイントも付与されることになります。
年金追納の手続き方法
上記のように年金の追納は非常にメリットがあることが分かります。では、どのようにして追納するのか?手続き方法をお伝えしたいと思います。
- STEP1.最寄りの年金事務所に追納の申し込みを行う
まずは、お住いから近くの年金事務所に電話で追納したい旨を伝え申し込みを行います。年金事務所の全国の相談・手続き窓口を参照頂き電話番号を調べましょう。
- STEP2.年金事務所から「国民年金保険料追納申込書」が送付される
国民年金保険料追納申込書が年金事務所から郵送されてきますが、ネットからでもダウンロードが出来ますのでそちらを印刷し記入しても問題はありません。ダウンロードはこちらから可能になります。
- STEP3.国民年金保険料追納申込書を記入する
送付またはダウンロードした国民年金保険料追納申込書を記載し、年金事務所に提出すれば手続き完了です。記入例は以下を参照してください。

- STEP4.納付書が郵送されてきますのでコンビニなどで納付をする
全ての手続きが完了しましたらご自宅に納付書が郵送されてきますので、先ほどお伝えしたようにコンビニなどで支払いをすれば完了となります。
年金追納のまとめ
年金の追納について解説を行いました。
1ヶ月分(1.5万円)の保険料を納めることで年額1,625円受給額を増やすことができ、2年追納であれば9年程度で元が取れる計算となります。
また、追納する保険料は全額所得控除になりますので住民税や所得税の節税につながります。加えて、クレジットカードからnanacoにチャージし支払うことでポイントも獲得することが可能になります。
手続き方法も電話で問い合わせ後、必要書類を記入するだけですので、支払いを迷っている方は追納することをおすすめします。