失業保険は会社都合だと何が違う?条件・給付期間・金額について解説







失業保険は「会社都合で退職した場合」と「自己都合で退職した場合」では、給付が開始されるまでの期間や受給できる期間で大きな差が開くことなります。

そのため、失業保険の給付だけを考えると「会社都合で退職した場合」の方が有利であると言えますが、理由によっては「転職が不利」になる場合もあります。

では、実際にどのようなケースが「会社都合の退職となるのか?」また、「会社都合で退職した場合」と「自己都合で退職した場合」は失業保険の給付にどのような違いがあるのかを解説したいと思います。

会社都合で退職した場合の失業保険の給付条件

会社都合で退職した人が失業保険の給付を受けるためには「離職前2年間の間で、期間通算12ヶ月以上の間雇用保険に加入していること」が条件になります。

また、会社が倒産した場合や解雇された場合は、過去1年間の間に6ヶ月以上雇用保険に加入していることが条件になります。

その際、1ヶ月の基準となるのが「賃金支払いの基礎となった日数(出勤した日)が11日以上」であれば1ヶ月としてカウントすることが可能になります。

では、会社都合で退職した場合、自己都合で退職した場合に比べてどのような違いがあるのかも合わせて確認をしたいと思います。

退職後1ヶ月程度で失業保険が給付される

失業保険の手続きを行うと退職事由問わず7日間の待機期間が発生します。この待機期間が終わった後から一定期間を経て失業保険が給付されますが、退職事由の違いによって給付されるまでの日数が異なります。

失業保険が給付されるまでの期間

  • 自己都合:待機期間終了後3ヶ月後に給付(手続きなどを含めると4ヶ月程度)
  • 会社都合:待機期間終了後すぐに給付(手続きなどを含めると1ヶ月程度)

上記の通り、会社都合で退職した場合は、待機期間を終えてすぐに失業保険の給付が受けられます。実態としては、手続きなどの時間も必要であることから1ヶ月程度で受給できると考えておくと良いでしょう。

失業保険の給付期間が長い

次に失業保険がいつまで受給できるのか?という点ですが、こちらも会社都合で退職した場合と自己都合で退職した場合では受給期間に大きな差が発生します。

自己都合で退職した場合

加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢90日間120日間150日間

自己都合で退職した場合は、雇用保険への加入期間が20年以上あったとしても最大で150日間の受給が上限となっております。

では、会社都合で退職した場合は、どの程度受給期間に差があるのか確認したいと思います。

会社都合で退職した場合

加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日間90日120日180日
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
45歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日270日240日

会社都合で退職した場合は、雇用保険の加入期間が20年以上あれば、240日〜330日と自己都合で退職した場合よりも長く受給ができるのです。

その他の期間も、自己都合退職よりも会社都合退職の方が受給期間が長くなりますので、一覧表を確認して頂ければと思います。

退職事由が会社都合になる場合とならない場合

ここまで解説したように「失業保険の給付だけ」を考えると、会社都合で退職した方が有利になると言えます。

では、会社都合の退職とは「会社の倒産や解雇」など非常に重たい出来事以外にも発生するのか?該当する場合としない場合の違いを解説したいと思います。

会社都合の退職になる場合

  • 会社が倒産した場合
  • 勤め先が1ヶ月に30人以上の離職を予定している場合で該当したもの
  • 解雇された場合(ただし、自己責任の場合は除く)
  • 会社から退職するように勧められた場合
  • 夫の転勤など家庭の事情で遠方に引っ越しが必要になった場合
  • 両親の介護などにより仕事を退職せざる負えない場合
  • 通勤困難な場所へ転勤を命じられた場合
  • 法定残業時間を超えて労働させられた場合

上記に該当する場合は、「会社都合の退職」として認められる可能性が高いと言えますもし、会社が自己都合での退職で処理した場合は、ハローワークに証拠と一緒に提出し「会社都合の退職」に変更してもらうことができます。

一方で、上記に該当しない場合として「仕事がつまらないので転職した」「会社のお金を横領し解雇になった」など自己都合の理由や罰則による場合は、会社都合とはならないと覚えておきましょう。

会社に自己都合の退職に仕向けられた場合の対処法

会社都合で退職する場合でも、悪質な会社では「自己都合での退職」にされてしまうことがあります。

これを防ぐためには「退職届を出さない(会社都合の場合は退職届が不要)」ことやどうしても提出が必要な場合は「一身上の都合」とは記載せず「退職勧奨に伴い」と記載するようにしましょう。

それでも、自己都合の退職で処理された場合は、ハローワークに証拠の提出や事情説明を行うことで「会社都合」の退職が認められることもあります。

会社都合で退職した場合の失業保険の受給金額

会社都合で退職した場合も自己都合で退職した場合も、受給できる失業保険の金額は変わりません。違いは「支給されるまでの日数」と「受給できる期間」となります。

そのため、失業保険がいくら受給できるか知りたい人は「賃金日額の5割〜8割」と覚えておくとよいでしょう。

賃金日額の計算式

  • 離職前6ヶ月の給与総額 ÷ 180日=賃金日額
  • 賃金日額 × 5割〜8割=基本手当日額
  • 基本手当日額 × 給付日数=失業保険の受給額

より正確な金額が知りたい方は「失業保険給付額の計算手順と2018年最新の早見表で簡単チェック」にて、失業保険受給額の早見表を公開しておりますのでご参照頂ければと思います。

まとめ

会社都合で退職した場合の失業保険の給付条件、自己都合との違い、受給金額について解説を行いました。

会社都合の退職の場合は、転職に不利になる場合もありますが、やむ得ない事情であれば転職先でも厳しくマイナス評価にはしないと言えるでしょう。

それ以上に、自己都合で退職した場合よりも会社都合で退職した場合の方がメリットが大きいと言えますので、実態に合わせた権利をしっかりと主張するべきと言えます。









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