老後資金は夫婦二人世帯でいくら?必要額をシミュレーション







老後資金は夫婦二人世帯でいくらの貯金が必要なのか?このシミュレーションをするためには、老後の収入と生活費そして介護費用を把握し正しい老後資金の計画を立てる必要があります。その上で希望する生活スタイルに合わせて老後資金の必要額をシミュレーションしたいと思います。

夫婦二人世帯の年金収入について理解する

夫婦二人世帯の老後の主な収入は、やはり年金が大半を占めるでしょう。夫婦二人の年金を算出するには、配偶者の方が現役時代に仕事をしていたのかしていなかったのかで受給できる年金額が変わってきます。まずは年金の基本的な仕組みを振り返りましょう。

このように年金は三階建の構造になっており、国民年金は保険料納付期間である25年をしっかりと納めていれば世帯主の方も配偶者の方もどちらも受け取れます(平成29年8月1日からは、納付期間が10年以上に法改正されます)が、厚生年金は所得によって納める年金額がことなることから配偶者が仕事をしているか、していないかで年金の受給額変わってくる仕組みになっています。それでは、配偶者が仕事している場合としていない場合でどの程度年金収入が変わるのか確認してみましょう。

夫婦二人世帯の年金受給額の平均はいくら?

夫婦二人世帯の年金受給額を算出するために厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業の概況をもとに男女別の年金平均受給額を確認しましょう。

夫婦それぞれの年金受給額

まずは、国民年金と厚生年金を合わせると男女別にそれぞれいくらの年金収入があるのか確認をしてみます。女性の方が年金受給額が低いのは、就労期間や所得によって変動する厚生年金の影響になります。それでは夫婦合算にした場合にいくらの年金受給額が期待できるのか確認をしてみます。

 国民年金+厚生年金受給額(内:国民年金の金額)
男女の平均受給額148,000円54,000円
男性の平均受給額180,000円
女性の平均受給額108,000円

夫婦のケーススタディ別年金受給額平均

夫婦二人世帯でも男性が働いているのか、女性が働いているのかで年金の平均受給額が異なります。そのため、それぞれのパターンで算出をしたいと思います。また、夫婦共々会社勤めではない場合、国民年金のみとなり平均受給額の平均は1人あたり5万円となっています。

ケーススタディ年金受給額
夫婦ともに会社に勤めていた場合288,000円
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合230,000円
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合158,000円
夫婦ともに会社に勤めていない場合100,000円

夫婦二人世帯の老後の収入をシミュレーション

それでは夫婦二人世帯の老後の収入をシミュレーションしたいと思います。今回は65歳から90歳まで生きた場合の夫婦二人世帯の収入をシミュレーションしたいと思いますが、夫婦の年齢は同い年という設定として算出を行います。

夫婦二人世帯の年金受給額

ケーススタディ年金受給額年金受給期間夫婦二人世帯の老後の収入
夫婦ともに会社に勤めていた場合288,000円300ヶ月86,400,000円
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合230,000円69,000,000円
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合158,000円47,400,000円
夫婦ともに会社に勤めていない場合100,000円30,000,000円

夫婦二人世帯の老後の支出はいくらかかるのか

夫婦二人世帯の収入をケーススタディ別に解説しましたので、次に夫婦二人世帯の老後の生活費がいくら発生するのかシミュレーションを行いたいと思います。老後の支出ポイントは日常の生活費加え、介護費用をいくら盛り込むかが老後資金の必要額を算出するにあたり重要になります。

夫婦二人世帯の老後の生活費をシミュレーション

まずは、夫婦二人世帯の老後の生活費がいくらかかるのかシミュレーションしたいと思います。シミュレーションにあたって老後の一般的な生活費は家計調査を参考に算出したいと思います。

夫婦二人世帯の老後の生活費

項目夫婦世帯の生活費(詳細)※端数四捨五入
食費75,000円
住居16,000円
高熱・水道22,000円
家具・家事用品11,000円
被服及び履物10,000円
保健医療15,000円
交通・通信36,000円
教育費1,500円
教養娯楽28,000円
その他の消費支出63,000円
支出合計277,500円

夫婦二人世帯の老後の生活費は平均で27.7万円程度必要であることがわかります。住居費が1.6万円になっていますので住宅ローンはすでに完済している世帯が多いことも分かります。住宅ローンを完済できていない世帯は上記の金額に住宅ローンの支払額を加えて算出をしてみましょう。

夫婦二人世帯の介護費用はいくらかかる

次に、老後資金を枯渇させる原因になる介護費用について考えたいと思います。介護の場合は、在宅介護か介護施設に入居するのかで大きく支出が異なることに加え、一方が介護施設に入居し、もう一方が自宅に住む場合では生活費が二重に発生するなど家庭によって支出額が異なりますので注意が必要です。

介護費用の相場

介護費用の算出にあたって、介護費用の目安はいくら?介護施設と在宅介護の相場を比較でご紹介をした費用をベースに今回の介護費用を以下のように設定したいと思います。注意点は介護施設の費用は入居する施設によって金額が大きく異なる点です。以下の想定金額よりも安くなる場合も高くなる場合もありますのでその点ご留意ください。

 入居金月額費用年間費用※入居一時金除く
在宅介護の費用0円69,000円828,000円
介護施設の費用3,500,000円400,000円4,800,000円

夫婦二人世帯の介護費用をシミュレーション

夫婦二人世帯の介護費の算出に当たって2つのケーススタディを用意しシミュレーションをしたいと思います。

  1. 夫婦どちらか一方が介護の必要がある場合:85歳から87歳まで在宅介護、88歳から90歳まで介護施設と仮定
  2. 夫婦共に介護の必要がある場合:85歳から90歳までの5年間を介護施設に入居したと仮定
介護費用をシミュレーション

 ケーススタディ在宅介護介護施設(入居金+月額費)介護費用
(1)一方が介護の必要がある場合2,484,000円13,100,000円15,584,000円
(2)夫婦共に介護の必要がある場合0円27,500,000円27,500,000円
  • (1)の計算式:(69,000円×36ヶ月)+(400,000円×24ヶ月)+3,500,000円=15,584,000円
  • (2)の計算式:(400,000円×60ヶ月)+3,500,000円=27,500,000円

夫婦二人世帯の老後の支出をシミュレーション

夫婦二人世帯の老後の生活費及び介護費用の目安が分かりましたので、60歳、65歳、70歳それぞれの年齢から老後の生活を始めた場合、夫婦二人世帯だといくらの支出が発生するのかシミュレーションしたいと思います。その際に、90歳を寿命とし、85歳から87歳までは在宅介護のサービスを受け、88歳から90歳までは介護施設に入居する前提で算出を行います。

夫婦二人の老後の支出額:一方が介護の必要がある場合

老後の生活を始める年齢老後の生活費介護費用(在宅+施設)老後の支出
60歳83,250,000円15,584,000円98,834,000円
65歳66,600,000円15,584,000円82,184,000円
70歳49,950,000円 15,584,000円65,534,000円

夫婦二人の老後の支出額:夫婦共に介護の必要がある場合

老後の生活を始める年齢老後の生活費介護費用老後の支出
60歳83,250,000円27,500,000円110,750,000円
65歳66,600,000円27,500,000円94,100,000円
70歳49,950,000円27,500,000円77,450,000円

夫婦二人世帯の老後資金の必要額をシミューレション

夫婦二人世帯の収入と支出を算出したところで、本題でもある夫婦二人世帯の老後資金の必要額をシミュレーションしたいと思います。老後資金がいくら不足するのか計画を立てることで、毎月の貯金や資産の運用方法が明確になりますのでしっかりと確認をするようにしましょう。

※65歳以降も就労する場合の給与所得は毎月10万円と仮定します。

夫婦二人世帯の老後資金の必要額①:在宅介護3年、介護施設2年の場合

まずは夫婦二人世帯であり、一方に介護の必要性が出てしまい、在宅介護と介護施設を組み合わせた場合の老後資金の必要額をシミューレションしたいと思います。老後資金の必要額の箇所が「」表記になっている部分が貯蓄として必要な資金となります。

60歳から老後の生活を始めた場合の老後資金の必要額

ケーススタディ老後の収入老後の支出老後資金の必要額
夫婦ともに会社に勤めていた場合86,400,00098,834,000-12,434,000
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合69,000,00098,834,000-29,834,000
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合47,400,00098,834,000-51,434,000
夫婦ともに会社に勤めていない場合30,000,00098,834,000-68,834,000

65歳から老後の生活を始めた場合の老後資金の必要額

ケーススタディ老後の収入老後の支出老後資金の必要額
夫婦ともに会社に勤めていた場合86,400,00082,184,0004,216,000
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合69,000,00082,184,000-13,184,000
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合47,400,00082,184,000-34,784,000
夫婦ともに会社に勤めていない場合30,000,00082,184,000-52,184,000

70歳から老後の生活を始めた場合の老後資金の必要額

ケーススタディ老後の収入老後の支出老後資金の必要額
夫婦ともに会社に勤めていた場合92,400,00065,534,00026,866,000
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合75,000,00065,534,0009,466,000
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合53,400,00065,534,000-12,134,000
夫婦ともに会社に勤めていない場合36,000,00065,534,000-29,534,000
夫婦二人世帯の老後資金の必要額②:介護施設5年の場合

次に、夫婦二人ともに介護が必要となり、85歳から90歳までを介護施設で過ごした場合の老後資金の必要額をシミューレションしたいと思います。

60歳から老後の生活を始めた場合の老後資金の必要額

ケーススタディ老後の収入老後の支出老後資金の必要額
夫婦ともに会社に勤めていた場合86,400,000110,750,000-24,350,000
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合69,000,000110,750,000-41,750,000
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合47,400,000110,750,000-63,350,000
夫婦ともに会社に勤めていない場合30,000,000110,750,000-80,750,000

65歳から老後の生活を始めた場合の老後資金の必要額

ケーススタディ老後の収入老後の支出老後資金の必要額
夫婦ともに会社に勤めていた場合86,400,00094,100,000-7,700,000
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合69,000,00094,100,000-25,100,000
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合47,400,00094,100,000-46,700,000
夫婦ともに会社に勤めていない場合30,000,00094,100,000-64,100,000

70歳から老後の生活を始めた場合の老後資金の必要額

ケーススタディ老後の収入老後の支出老後資金の必要額
夫婦ともに会社に勤めていた場合92,400,00077,450,00014,950,000
男性は会社に勤め、女性は会社勤めではない場合75,000,00077,450,000-2,450,000
男性は会社勤めではなく、女性は会社勤めの場合53,400,00077,450,000-24,050,000
夫婦ともに会社に勤めていない場合36,000,00077,450,000-41,450,000

老後資金は1000万円程度のゆとりがあると理想

ここまで夫婦二人世帯の老後資金の必要額をシミューレションしましたが、上記の金額に加えて1000万円程度のゆとり資金が貯金できると理想です。理由としては85歳よりも早く介護が必要になるケースや90歳以上長生きすることもありえます。この場合に老後資金が枯渇しないように3年程度のゆとり資金があると安心できるでしょう。

ゆとりをもって老後の生活を送りたい場合の老後資金は6000万円

今回は家計調査を参考に27.7万円の老後の生活費にて老後資金の必要額を算出しましたが、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後の生活を送るために必要な費用は月間34.9万円とのデータが出ています。以下の記事にて詳しいシミューレションを行なっておりますので、ゆとりある老後の生活を送りたいと考えている方は参照してください。

老後の貯金|ゆとりある老後を送るために必要な貯蓄額はいくら?

2017.06.12

パートナーが亡くなった場合の老後資金の必要額いくら?

夫婦ともに90歳で亡くなることを仮定しシミューレションを行いましたが、どちらか一方が先に亡くなることの方が多いでしょう。その場合は、独身世帯の老後資金の計画を参考に再度シミューレションを行うようにしましょう。

独身世帯の老後資金の必要額

独身世帯の老後資金の必要額はこちらの記事まとめてありますので、パートナーが亡くなった方や独身世帯の方は参考にしてください。

老後資金は独身世帯でいくら必要?収入と生活費からシミュレーション

2017.06.20

夫婦二人世帯の老後資金の必要額まとめ

夫婦二人世帯の老後資金の必要額をケーススタディ別にシミューレションしました。あくまでシミューレションとなりますので家庭環境によってズレが生じることはあると思います。また、最後に老後資金の必要額を簡単に計算できるシミュレーターを作成しましたので、必要額の目安を把握したい人は活用していただければと思います。

老後資金の必要額を
簡単シミュレーション

65歳以降に必要となる老後資金の必要額を簡単に計算することが可能になります

あなたと配偶者の現在の年齢を入力してください

収入の金額と収入を得られる期間を入力してください

月額 万円
月額 万円
月額 万円
月額 万円

貯蓄額を入力してください

総額 万円

支出の金額を入力してください

月額 万円
総額 万円
総額 万円

※介護費用966万+葬儀費用400万円を夫婦二人分を自動加算しています

あなたの老後資金の必要額は

万円です。

老後資金の必要額の算出結果は目安となりますので、家庭環境によって変動することにご留意ください

老後資金に不足が生じる場合は、不足額を明確にし貯金や資産運用に加え、住宅を担保にするリバースモーゲージなど老後資金を増やす取り組みを行うようしましょう。









全国320の法律事務所を徹底比較

ABOUTこの記事をかいた人

老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。