確定拠出年金と退職金の違いとは?受け取り方と税金について解説







新しく入社した会社では就業規則の説明などはあると思いますが、「ウチは退職金ではなく確定拠出年金だからちゃんと運用してね」などざっくりと制度の説明を受けた方も少なくないのではないでしょうか?

え、退職金ではなく確定拠出年金?何が違うの?ちゃんと運用?

など、確定拠出年金が一体どのような制度なのか疑問に感じる方も多いことから、今回は確定拠出年金と退職金の違いについて解説を行います。

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確定拠出年金と退職金の導入企業の割合

退職金の導入企業は年々下降の一途を辿っており、厚生労働省の「就労条件総合調査結果の概要(平成25年)」を参照すると退職金が支給される企業は75.5%となっております。

この退職金を支給している企業の内、確定拠出年金(企業型)を採用している企業の割合は35.9%となっております。

この比率は年々高まっており、加入者数の推移を厚生労働省の「企業年金制度の現状等について」を参照すると平成13年では8.8万人の加入者だったものが平成25年では462.4万人と加入者数が増加していることが分かります。

確定拠出年金と退職金の違い

それでは確定拠出年金と退職金にはどのような違いがあるのか確認してみましょう。

端的に説明すると退職金は会社が運用し従業員に分配する仕組みになり、確定拠出年金は個人の運用次第。となりますので、一見、不安も大きいと思いますが、退職時した際も転職先で運用することができるなどメリットもあります。

項目退職金確定拠出年金(企業型)
掛金
  • 会社が掛金を負担する
  • 会社のみ、個人のみ、共同での負担の3つの種類がある
勤務先企業の倒産時の扱い
  • 社内積立(内部留保)の場合は保全されない可能性あり
  • 社外積立になるため倒産時も保全される
積立金の運用主体
  • 基本的には会社が運用方針を決定する
  • 運用方針、商品共に個人が決定する
転職時の対応
  • 勤続年数に応じて支給されるが、転職の場合は金額が少なくなる可能性がある
  • 転職先にもそのまま持ち運びができる
将来の受給額
  • 社内規定に準じ配分される
  • 拠出額と運用実績に応じて受給可能
税制優遇
  • 退職所得控除の対象(受給時)
  • 掛け金は全額所得控除
  • 利息・配当・運用益は非課税
  • 受給時は一時金であれば退職所得控除、年金であれば公的年金等控除の対象

確定拠出年金の掛金は全額所得控除の対象

確定拠出年金(企業型)はもともと企業が掛け金を負担する制度でしたが、2012年1月の法改正で加入者も一定の範囲で掛け金を拠出することが可能になりました。(これをマッチング拠出と呼びます。)

そしてこの掛け金は全額所得控除になるのです。

会社の掛け金が2万7500円未満の場合は本人掛け金はその金額の半額までとなり、会社掛け金が2万円7500円以上の場合は本人掛け金が5万5000円と会社掛け金の差分となります。

確定拠出年金の利息・配当・運用益も非課税

確定拠出年金で得られる利息・配当・運用益についても非課税扱いとなります。そのため、通常の資産運用では税金として徴収されてしまう金額も再投資に回すことができますので複利運用が可能になります。

複利運用とは?

複利運用とは、運用で得られる利子を元本に組み入れ再度運用していく手法になります。運用期間が長く1年複利より半年複利など複利期間が短いほど元本に組み入れられる収益が増えるため収益率が高まるのです。

受給時は退職所得控除または公的年金等控除の対象

退職金の受け取りは退職所得控除の対象になりますが、確定拠出年金は一時金の場合「退職所得控除」、年金であれば「公的年金等控除」が対象になります。

以下の表で受け取り時のフローを解説しておりますのでご確認ください。

確定拠出年金と退職金のメリット・デメリット

双方の違いを理解したところでメリットとデメリットも比較してみましょう。

項目退職金確定拠出年金
メリット
  • 自分で運用する必要がないので手間がかからない
  • 長く勤めれば一定の金額が支給される
  • 会社の業績に関係しないので自分の資産を守ることができる
  • 運用益など随時確認ができる
  • 運用ノウハウがあれば一定のリターンが期待できる
デメリット
  • 会社の業績や運用次第では退職金が減額される
  • 会社を転職すると減額支給され転職先では勤続年数がリセットされる
  • 元本割れのリスクがある
  • 60歳まで引き出しができない
  • 転職の際の移行手続きが面倒

どちらが良い悪いを一概にお伝えすることは難しいのですが、退職金の場合は「手間がかからない」というのが最大の特徴になり、確定拠出年金は「自分次第」と言えるでしょう。

自分自身でしっかりと運用できる方であれば確定拠出年金の方がメリットを感じる方も多いと思いますが、そこまで運用など行いたくはないという方であれば退職金の方がおすすめです。

確定拠出年金の運用ポイント

とは言え、確定拠出年金の制度を導入している企業であれば否応でも運用は必要になるでしょう。そこで確定拠出年金の運用ポイントについてお伝えしたいと思います。

ポイント1.元本確保商品と投資信託の割合を決める

まずは、資産配分について決めましょう。

一般的には元本確保商品6割、投資信託4割程度で配分する方が多いようですが、これは年齢によっても変わると思います。50代で定年が迫っている方であれば冒険するのではなく元本確保商品で確実に資産を増やす方が懸命かもしれません。

一方で、まだ若い方であれば投資の勉強も兼ねて投資信託の割合を高くするの1つです。投資とは、リスクとリターンで成り立っておりますので、当然ながら元本確保商品よりも投資信託の方がリスクが大きい分リターンも期待できるという訳です。

ポイント2.投資信託内の配分を決める

投資信託で一定額の運用をすること決めた方は次にどのような配分にするか決める必要があります。

ここでは、投資の大原則である「分散投資」の考えのもと1つに集中投資するのではなく資産を分散して投資を行うようにしましょう。配分の種類は一般的に「国内株式・国内債券・海外株式・海外債券」の4種類でしょう。

このあたりをバランスよく資産配分しましょう。

ポイント3.適当に資産配分は元本割れのリスクしかない

確定拠出年金(企業型)を採用している企業に入社した以上はしっかりと運用するも適当に運用するも個人の自由ではありますが、計画性のない資産運用は元本割れのリスクを引き上げるだけです。

従って、適当に投資するのではなく社会情勢を読みながらしっかりと考えて運用したいところです。

その際、大切なことは運用方針を決めることです。年間で3%の利回りを確保したい。なるべく低リスクで長い目で資産運用したい。など個人の考えに沿って方針を決めることで、選択する商品や学ぶべき内容が異なりますのでまずは方針を策定しましょう。

まとめ

退職金と確定拠出年金の違いや税金と控除に関して解説を行いました。

どちらが良い制度であるかは本人次第でもありますが、これからの時代は会社で働くだけでは十分な資産を形成することは難しい可能性が高いでしょう。

そのため、企業型確定拠出年金などは良い機会だと思い資産運用の一歩を踏み出してみましょう。









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