厚生年金に満額はない|給与と加入期間で受給金額が大きく異なるワケ







社会人(会社員や公務員)になると厚生年金に加入することになります。

加入期間は、早い人だと15歳から加入することができ、最大で70歳まで加入することが可能になります。また、納付する保険料は加入期間中の給与によって変動しますので所得に応じて納める年金保険料額が異なります。

では、厚生年金には国民年金同様に「満額」を受給することはできるのか?

国民年金には「平成29年度|国民年金(老齢基礎年金)の満額支給は年額77万9300円」にて解説したように満額受給があるのに対して厚生年金に満額受給があるのか仕組みを解説したいと思います。

厚生年金の受給額を決める仕組み

厚生年金の満額がいくらなのかを知るためには、まず、厚生年金の受給額がどのように決められているのかを知る必要があります。

厚生年金の受給額は以下の計算式によって算出されます。

厚生年金受給額の計算式

報酬比例年金額+ 経過的加算+ 加給年金額=厚生年金受給額

それぞれどのような意味なのかは以下をご確認ください。

厚生年金の受給額を決める要素制度内容
報酬比例年金額報酬比例年金額とは、給与や賞与に連動した平均年収と加入期間を掛け合わせたものとなり、厚生年金の受給額を決める基準となります。
経過的加算経過的加算とは、20歳未満や60歳以上の期間に厚生年金に加入した部分を加算する仕組みとなります。
加給年金額加給年金額とは、年金のボーナスみたいなもので、加入期間が20年以上かつ被保険者が65歳時点で配偶者が65歳未満の場合や18歳未満の子供がいる場合に支給される年金となります。

厚生年金の受給額を決める大部分は「報酬比例年金額」となりますが、現役時代の給与と加入期間によって受給額が変わることになります。

そのため、年収が高い人ほど将来受け取れる年金額が増加し、年収が低い人は少なくなるということです。各項目の具体的な算出方法は「【給与金額別】厚生年金受給額の計算方法と早見表で支給額をチェック」をご参照ください。

厚生年金を満額受給できる人は極めて少ない

上記の通り、年収や加入期間は人によって受給額が異なることから満額受給という考えは「ない」と言えますが、理屈上は以下の条件に該当する場合、厚生年金を満額受給することができるとも言えます。

厚生年金の満額受給の条件

  • 15歳〜70歳まで厚生年金に加入している
  • 全期間を通じて標準報酬月額62万円以上である(31等級であること)
  • 1回あたりの賞与が150万円以上であり年3回支給されている

上記の条件に該当する方は事実上、厚生年金の満額支給が受けられる方。と言えますが、実際このような方はいないと言っても良いのではないでしょうか。

また、厚生年金の満額受給の条件を満たした場合でも、標準報酬月額の上限が62万円となりますので実際に納める保険料には限界があります。

そのため、年間で受給できる厚生年金は満額でも300万円程度(月額25万円)となります。国民年金分が加算されて380万円程度(月額31万)となります。

標準報酬月額の等級を詳しく知りたい方はチェック

厚生年金の平均受給額

厚生年金の満額受給が非現実的であることがお分り頂けたと思いますが、実際いくらの厚生年金を受給しているのか平均を確認したいと思います。

厚生年金の平均支給額は「2017年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円」を参照すると、14万7,872円/月となります。

先ほど厚生年金の満額受給が月額25万円程度でしたので10万円ほどの差が開くことになります。

また、給与と加入期間によって厚生年金の受給額が異なる。ということは男女差も出てきますので、男女の厚生年金受給額の平均も確認したいと思います。

厚生年金の男女別平均受給額

女性の社会進出が当たり前になった。とは言ってもまだまだパートやアルバイトで夫の扶養家族になる女性も多いことや非正規雇用で所得が低いケースもあるなど事情は様々です。

実際、「厚生年金の平均受給月額は「男性16.6万円」「女性10.2万円」」という記事で解説した通り、男女別平均支給額の差は月間で6万円程度にも及びます

将来どのようなリスクがあるのか分からない昨今は、夫の収入に関係なく女性も正社員として定年まで仕事をした方が様々なリスクを軽減させるきっかけになるでしょう。

そのためにも、短時間勤務制度など子育て世帯が就労しやすい環境を国や企業が作ってくれることに期待したいものです。

まとめ

厚生年金の満額受給について解説を行いました。

厚生年金を満額受給するには、15歳から70歳までの期間において給与及び賞与が一定額以上である必要があることから多くの方は該当することはないでしょう。

そのため、厚生年金の平均受給額を想定しながら、50歳を超えたら年金ネットで将来受け取れる年金額を算出する方が良いと言えます。









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