国民年金が免除になる年収の基準とは?世帯別に目安所得を解説







以前、「年金の加入や納付が義務なのはなぜ?法的根拠から解説」にて年金への加入は日本に在住する方であれば誰もが義務とされる強制力の高い法律であることをお伝えしました。

しかしながら、国民年金の保険料の支払いは平成29年度で毎月1万6,490円、年間20万円近くの納付が必要になります。年収が低い方など日常の生活費すらギリギリの状態でありながら毎年20万円の年金保険料を納付することは家計への負担も非常に重たいと言えるでしょう。

そこで、今回は国民年金が免除になる年収の基準をお伝えさせて頂き、経済的に生活が厳しい方を支援できる内容をお伝えしたいと思います。

国民年金の加入対象者と保険料

まず、国民年金の加入は日本に居住する20歳から60歳までの方、全員が加入対象になります。これは外国人の方も例外なく加入が必要になります。年金の種類には自営業、会社員、扶養家族で3つに分類されます。

種類対象者
第1号被保険者自営業、学生、フリーターなど
第2号被保険者サラリーマンや公務員
第3号被保険者第2号被保険者の扶養家族

第3号被保険者は第2号被保険者が年金保険料の支払いを行なっていることで、年金保険料の納付が免除されますが、第1号被保険者と第2号被保険者は年金保険料の納付が必要になります。

では、第1号被保険者と第2号被保険者がそれぞれいくらの年金保険料を納める必要があるのか確認したいと思います。

種類保険料
第1号被保険者1万6,490円
第2号被保険者標準報酬月額 × 18.3%

第1号被保険者は国民年金のみの加入となりますので、毎年決められる保険料を納付することになりますが、第2号被保険者は毎年の所得に応じて決まる標準報酬月額の18.3%が給与から天引きされることになります。

一般の会社員や公務員である第2号被保険者は、年金が免除される年収を上回ることから、今回は所得の低い第1号被保険者の国民年金が免除される基準についてお伝えしたいと思います。

国民年金が払えない時に免除できる人

国民年金が払えない時に免除される人は大きく「所得の低い方」、「学生の方」、「失業された方」の3つに分類されます。それぞれの基準を以下に記載しておりますのでご確認ください。

国民年金が免除される方

国民年金が免除になる方基準活用する制度
厚生年金に加入していない所得の低い方本人・世帯主・配偶者 各々の所得審査保険料免除制度
学生の方本人の所得審査学生納付特例制度
会社を退職し所得が減少した方世帯主・配偶者 各々の所得審査失業による特例免除

国民年金の免除対象1.厚生年金に加入していない所得が低い方

まず、厚生年金に加入しておらず所得の低い方となりますので、パートやアルバイトの方などが対象になるでしょう。

この場合、その方だけの年収ではなく、世帯主、配偶者や申請書本人の所得の合計が一定の金額を超えている否かによって判断がされます。(本人とは、同居する家族のなので両親などが該当します)

国民年金の免除対象2.学生の方

次に、学生の方ですが、こちらは申請する学生本人の所得のみで判断されます。

従って両親が非常に高額な年収であっても免除の対象になります。学生の年金免除に関しては「学生の年金保険料が猶予される「学生納付特例制度」について徹底解説」をご参照ください。

国民年金の免除対象3.会社を退職し所得が減少した方

こちらはご存じない方も多いかもしれませんが、お勤めの企業を退職された場合や失業した場合で年収が減少した場合も年金の免除が受けられます

通常、年金免除の所得は前年(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)によって判断されますが、失業の場合は「失業による特例免除」を活用することで申請者本人の所得を除外することが可能になります。

従って、配偶者の方が専業主婦であるなど世帯主の所得によって家計を支えている世帯は高い確率で年金の免除が受けられることになります。

国民年金が免除になる年収の基準(世帯別)

では、年収がいくらまで下がると年金が免除になるのか所得基準を確認したいと思います。あくまで目安となりますが、以下の表をご確認ください。()内は年収の目安になります。保険料などを考慮し目安の所得を算出しています。

世帯構成全額免除一部納付(免除) 
1/4納付
(3/4免除)
半額納付
(半額免除)
3/4納付
(1/4免除)
4人世帯
夫婦 子2人
162万円
(257万円)
230万円
(354万円)
282万円
(420万円)
335万円
(486万円)
2人世帯
夫婦のみ
92万円
(157万円)
142万円
(229万円)
195万円
(304万円)
247万円
(376万円)
単身世帯57万円
(122万円)
93万円
(158万円)
141万円
(227万円)
189万円
(296万円)

単身の方であれば年収120万以下となる年金が免除されることになるでしょう。夫婦二人世帯の場合は155万円程度と見積もると良いと言えます。

そして、年収が上がる毎に一部免除の対象になりますので、全額免除にならない場合でも多少は年金保険料が減額されることは非常にメリットと言えるでしょう。

国民年金の免除を受けても半額は年金を受給できる

国民年金を免除すると将来年金が受け取れないのでは?と不安に思う方も多いと思いますが、年金は国庫が1/2を負担していることになりますので、年金免除の申請を行なっても半額は年金を受給することが可能になります

免除・一部免除支給される年金額
全額免除支給される年金額1/2
4/1納付支給される年金額5/8
2/1納付支給される年金額6/8
4/3納付支給される年金額7/8

平成21年3月以前の方は、国庫の負担が1/3でしたので、半額負担ではないことに注意しましょう。

滞納した場合は半額受給ができない

年金を支払いしない。という点では同じですが、申請しているか否かでは国の対応は全く異なります。

まず、申請せずに年金保険料を滞納した場合は、上記の半額受給はできません。そのほかにも障害年金や遺族年金も受給することができないなどデメリットばかりなのです。

申請有無によってどのような違いがあるのかは以下の表にまとめてあります。また、年金を滞納した場合には罰則もあります。

詳しくは「年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」をご参照ください。

 老齢基礎年金障害基礎年金
遺族基礎年金
(受給資格期間への算入)
受給資格期間への算入年金額への反映
納付
全額免除
一部納付
納付猶予
学生納付特例
×
未納×××

国民年金免除の申請方法

経済的に国民年金保険料の支払いが厳しい場合は、滞納するのではなく申請する方がメリットが大きいことはご理解頂けたと思います。それでは、申請方法について確認をしたいと思います。

提出先住民票を登録している市区町村役場
申請書類保険料免除・納付猶予の申請書(A4版) こちらからダウンロード可能
郵送可否可能
問い合わせ先お近くの年金事務所
申請時に必ず必要となる書類年金手帳または基礎年金番号通知書
申請時に場合によって必要となる書類前年(または前々年)所得を証明する書類
所得の申立書
雇用保険受給資格者証の写しまたは雇用保険被保険者離職票等の写し(失業の場合)
事業の廃止や休止の場合総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写し及びその申請時の添付書類の写し
履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書
異動届出書、個人事業の開廃業等届出書または事業廃止届出書の写し
保健所への廃止届出書の控
公的機関が交付する証明書等であって失業の事実が確認できる書類

まとめ

国民年金が免除になる年収の基準について解説を行いました。

年金が免除になる年収基準(目安)

  • 単身の場合:年収122万円
  • 夫婦二人の場合:年収157万円
  • 夫婦二人+子供2人の場合:年収162万円

上記に該当する方は申請を行うことで年金保険料の納付が免除されますので、滞納するではなく必ず申請を行うようにしましょう。

加えて、収入が厳しい方もいずれは老後を迎え老後資金が必要になることから、お金についてしっかりと学び早期に対策をする必要があるでしょう。そのような場合には以下の記事をご参照頂ければと思います。









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