お住いの地域に消防団という組織があることくらいは聞いたことがある。という方も実際にどのような活動を行なっているのかなかなかご存知ないのではないでしょうか?
一見、ボランティアの要素が強く見える消防団ですが、実は退団する際は退職金が支給されるのです。
そこで今回は、消防団の退職金がいくらもらえるのか?支給金額、支給日に加え退職金がもらえないケースについて解説します。
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消防団とは?
消防団とは市町村に設置される消防機関で火災が発生した時に駆けつけ消火作業を行うだけでなく、避難訓練や救済活動など地域の安心安全を守る役割を担っています、
総務省消防庁のサイトを確認すると全国の消防団数は2200団、消防団員数は86万人(内女性は2.4万人)と以外に多くの方が地域の安全のために活動しているようです。
そして、消防団はボランティアという括りではなく「非常勤特別職の地方公務員」扱いになりますので退団時は退職金が支給されます。では一体いくらの退職金が支給されるのか詳細を確認してみましょう。
消防団の退職金はいくら?
まずは、消防団の退職金とは、退職報奨金と呼ぶのが正式名称になります。その規定は市町村が決めておりますが、支給には5年以上の勤務が必要となり、階級によって支給される金額異なってきます。
とは言え、一般会社員や公務員のように高額な退職金は支給されず、功労金という形で金一封程度が目安となります。
まずは、勤続年数と階級別の消防団員の退職金の目安を確認してみましょう。
勤務年数 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 15年未満 | 15年以上 20年未満 | 20年以上 25年未満 | 25年以上 30年未満 | 30年以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
階級 | ||||||
団長 | 23.9万円 | 34.4万円 | 45.9万円 | 59.4万円 | 77.9万円 | 97.9万円 |
副団長 | 22.9万円 | 32.9万円 | 42.9万円 | 53.4万円 | 70.9万円 | 90.9万円 |
分団長 | 21.9万円 | 31.8万円 | 41.3万円 | 51.3万円 | 65.9万円 | 84.9万円 |
副分団長 | 21.4万円 | 30.3万円 | 38.8万円 | 47.8万円 | 62.4万円 | 80.9万円 |
部長及び班長 | 20.4万円 | 28.3万円 | 35.8万円 | 43.8万円 | 56.4万円 | 73.4万円 |
団員 | 20.0万円 | 26.4万円 | 33.4万円 | 40.9万円 | 51.9万円 | 68.9万円 |
30年以上団長として務めた方に支給される退職金が97.9万円なので安いのでは?と思う方も多いかもしれません。それでも、地域を守りたいという想いから活動してくれる消防団の皆さんには感謝しなければならないでしょう。
退職金の計算方法
市町村の規定で退職金の支給額が決まると言っても、どのように計算されているのか気になるところです。消防団の退職金の計算方法は「支給基礎階級」と「勤続年数」によって決まりますので順に解説を行います。
支給基礎階級の決定方法
支給基礎階級とは、退職日に退職者が属していた階級を指しておりますが、1年間その階級に属していることが基準になります。そのため、1年未満の場合はひとつ下の階級によって支給基礎階級が決定する仕組みになります。
また、1年以上同じ階級に属していた場合は、その一つ上の階級にすることが定められております。
その際、1年の考え方については階級が連続した期間である場合は暦通りとなり、連続しない場合でも各期間の合計が365日以上であれば1年としてカウントすることが可能になります。
独自階級を設ける市町村もある
上記のように基準通り運用されている場合の支給基礎階級を「基準階級」と呼びますが、市町村で独自の階級を設けている場合もあり、それを「独自階級」と呼びます。
この独自階級は職務内容などを判断した上で基準階級に位置付ける必要があり以下のような基準で運用がなされております。
区分 | 判断 | 判断資料 |
独自階級の年報報酬が基準階級の年報報酬より高い | 年報報酬に相応な階級にする |
|
独自階級の年報報酬が基準階級の年報報酬より低い | 年報報酬だけでなく、退団した団員の権限、職務、勤続年数、経験など総合的に勘案し階級を判断する | 上記に加え以下の資料を用意すること
|
上記の対象となっているのはあくまで「階級」であり「職名」ではありません。よく階級と職名を混同させてしまう場合がありますので注意しましょう。
勤務年数の決定方法
勤務年数は、退職した方が消防団員として活動した期間の合計になります。一度退職し退職金の支給を受けた場合で再度消防団員として活動する場合は、すでに支払いをした部分の期間は換算されなくなります。
また、退職後に復帰した場合で1年未満に再度退職した場合も期間の合算をすることができませんので注意しましょう。
この際の1年の考え方は12ヶ月のことを指しているため、支給基礎階級決定時にお伝えした暦や365日とは同じではないことにも注意してください。
退職金がもらないケース
上記の通り、一定期間をしっかりと消防団員として活動することで退職金を受け取ることが可能になりますが、退職金がもらないケースについてもお伝えしたいと思います。
一般会社と大きな差はありませんが、禁固刑以上に処せられた場合、懲戒免職などによる退職、停職処分による退職、勤務態度が悪い場合などに該当してしまうと退職金がもらえなくなります。
当然と言えば当然ですので、活動する以上はしっかりと活動に励むことが必要と言えるでしょう。
消防団員の退職金支給日
消防団員の退職金支給日は、市町村によって変動はあるものの基本的には退職した時点で支給がされます。なぜ「基本的には」という言葉を使うのか?という点では労働基準法に定められた法律ではなく自治体の規定によって支給が有無が決定されることから市町村によって変動があるためです。
そのため、正確な日付を知りたい場合は所属する市町村に確認することが一番確かな情報となるでしょう。
まとめ
消防団員の退職金に関して支給金額、支給日、もらえないケースについて解説を行いました。
高額な退職金が支給される訳ではありませんが、地域貢献しながら一定額の収入が得られるというのも悪い話ではないでしょう。もし、興味がある方は市町村役場などで募集をしておりますので一度相談をしてみることをおすすめします。
18歳以上の健康な男女であれば誰も応募は可能になります。