任意整理する際に、銀行から借入をしている人は気をつけなければならない点があります。
それは、銀行口座の凍結です。口座が凍結されてしまうと入金は可能ですが出金が出来ないことや、口座残高が借金の返済に自動で相殺されてしまうなどの問題が発生します。
そこで、今回は、任意整理した際に銀行口座が凍結されるケースとされないケースに加え、口座が凍結されてから解除されるまでの期間を解説したいと思います。
債務整理で借金がいくら減額されるのか気になる方は
「借金減額シミュレーター」でいくら借金が減額されのか計算可能です。
目次
任意整理すると銀行口座は凍結される
銀行からカードローンなどの返済が厳しく任意整理を考えている場合は、弁護士に相談することになるでしょう。この際、弁護士が介在したことを債権者に伝える「受任通知」を銀行が受け取った段階で口座は凍結されてしまいます。
一度、銀行口座が凍結されると入金は可能ですが、出金は出来ないので口座引き落としで支払っていたものの支払いが出来なくなります。例えば、携帯料金や公共料金などが該当することでしょう。
加えて、凍結された口座の残高は、全て借金の相殺に活用されてしまいます。
そのため、銀行からの借入も任意整理に含める場合は、事前に口座残高を0円にしておくことが重要です。と言っても、このようなアドバイスは弁護士が基本的には行なってくれますので、事前に弁護士に相談をするようにしましょう。
任意整理の実績が豊富なおすすめ弁護士は「2019年版|任意整理はどこがいい?と悩む方におすすめな弁護士」にて徹底比較しておりますのでご参照ください。
任意整理で銀行口座が凍結されるケース
任意整理は整理する借入先を選択することが可能になります。そのため、銀行からの借入を除外して任意整理をすれば良いだろう。と考える人も多いことでしょう。
この考え自体は間違っておりませんが、どのような場合に、口座が凍結されてしまうのかは事前に知っておいた方が後々のトラブルを減らすことが出来るといえます。
そこで、銀行口座が凍結されてしまうのか3つのケースをご紹介します。
借入している銀行口座の支店とは別の支店に口座を保有している場合
給与の振込や生活費の支払いなどで活用している口座と銀行カードローンの口座が、同じ銀行でありながらも別支店を活用している場合でも任意整理によって口座は凍結されてしまいます。
銀行口座の凍結は名義単位で行われますので、別支店でも関係ない。ということを覚えておきましょう。
任意整理の対象にカードローン以外の借金を含める場合
銀行からの借入は、カードローンだけでなく住宅ローンや自動車ローンなどで借入している方も多いことでしょう。その際、銀行のカードローン以外を任意整理の対象にした場合も、同じく口座は凍結されてしまいます。
正確な情報はご自身が契約している銀行ごとに異なる場合もありますので約款を確認することをおすすめします。
銀行と系列の消費者金融から借入しており消費者金融のみ任意整理する場合
銀行のカードローンだけでなく系列の消費者金融からも借入をしている場合に、銀行の借金は任意整理に含めず、消費者金融のみを任意整理する場合でも銀行口座は凍結されてしまいます。
この理由は、銀行のカードローンの保証会社を系列の消費者金融が担当している場合があるのです。このような場合は、保証会社である消費者金融を任意整理することになりますので、合わせて銀行のカードローンも期限利益を喪失する可能性があります。
従って、上記のような場合も銀行口座は凍結されてしまいます。
銀行 | カードローン | 保証会社 |
三菱東京UFJ | バンクイック | アコム |
三井住友銀行 | 三井住友銀行カードローン | プロミス |
みずほ銀行 | みずほ銀行カードローン | オリエントコーポレーション |
りそな銀行 | りそなプレミアムカードローン | オリックス・クレジット |
任意整理で銀行口座が凍結されないケース
それでは、任意整理をしても銀行口座が凍結されない場合は、どのようなケースなのかも合わせて確認してみましょう。銀行から借入をしている人であれば十分に理解をしたいところです。
銀行口座を保有している以外の銀行を任意整理する場合
給与の入金や生活費の出金などで活用している銀行口座とは異なる銀行で借入をしており任意整理する場合、生活費で活用している銀行口座も凍結されるのか?
と疑問に感じる方も多いと思いますが、あくまで凍結される口座は任意整理をした銀行のみとなります。そのため、生活費用の銀行口座は凍結されません。
ただし、任意整理をすると事故情報が個人信用情報機関に登録されることになりますので、全ての金融機関は任意整理をした事実は把握していると思ってください。
銀行からの借入を任意整理に含めない場合
任意整理は、どの債務を減額させるのか選択することが出来る点がメリットとして挙げられます。そのため、自動車ローンや住宅ローンを任意整理の対象外にすることで、資産を守ることもできるのです。
上記の点を理解した上で、銀行からの借入を任意整理の対象外にすれば口座が凍結されることはありません。
銀行自体からの借入はないがグループ会社から借入をしている場合
例えば、三井住友銀行のグループ会社にプロミスがありますが、この際、三井住友銀行からは借入をしておらず、プロミスからの借入のみを任意整理する場合は口座が凍結されることはありません。
グループ会社であっても銀行と消費者金融は別会社になりますので、強制的に口座を凍結し借金の相殺に利用することは出来ないと言えます。
銀行口座が凍結されてから解除されるまでの期間
「もう口座は凍結されてしまったよ。いつ凍結は解除されるの?」と頭を抱えている人に向けて、銀行口座凍結が解除されるまでの期間をお伝えしたいと思います。
銀行口座の凍結解除期間は、保証会社が代位弁済(債務者に変わって保証会社が借金を弁済すること)した時となります。
銀行のカードローンは基本的に保証会社がおりますので、この代位弁済まで待つことになりますが、おおよその期間は1ヶ月から3ヶ月となります。これは、保証会社によっても異なりますのでしばらく待つしかありません。
この期間、給与の引き出しが出来ないことや生活費を支払うことも出来ないので、凍結をしてしまったら新たに別銀行で口座を作り直した方が早いとも言えます。
凍結後に振り込みされた給与は全て相殺されてしまうのか?
こちらはケースバイケースと言えますが、基本的には凍結によって相殺された後に振り込みされた入金は相殺の対象外になると言われています。その理由に、銀行側としては、受任通知が送付されたからと言っても債務者が任意整理をするのか自己破産するのかは分かりません。
もし、自己破産をする場合は、破産法第71条2項によって、受任通知以降に振り込みされたお金を借金の相殺に利用してはならない。と法律で決められているのです。
そのため、自己破産をしてしまう可能性があることから、安易に入金されたお金を手を付けることが出来ないのです。
銀行口座の凍結に備えて準備しておくべき3つのこと
上記の通り、銀行口座が凍結されると日常生活に多大な影響を与えてしまいますので、銀行口座が凍結されるまでに事前に準備しておきたい3つのことをお伝えしたいと思います。
- 凍結予定の口座残高を0円にしておく
- 給与の入金や生活費の支払いを別の口座に全て移管させておく
- クレジットカードの借金も任意整理する場合は、その引き落とし口座の残高も0円にしておく
上記の3つの準備を行なっておくようにしましょう。この準備は、弁護士と契約し受任通知が銀行に届くまでとなりますので、弁護士との相談後に実施するようにしましょう。
まとめ
任意整理の対象に銀行からの借金を含めた場合は、銀行口座は凍結されてしまいます。一度、口座が凍結されてしまうと入金はできるものの、引き出しが出来なくなるので事前に3つの対策を行うようにしましょう。
また、口座凍結が解除されるまでの期間は、保証会社が代位弁済する1ヶ月〜3ヶ月程度をみておきましょう。
任意整理は上記のように、知らないと日常生活が送ることができなくなるような問題がありますので、事前に弁護士に相談するようにしましょう。
その際、任意整理に強い弁護士を選ぶ必要がありますが、ポイントである「実績」・「弁護士数」・「明瞭会計」・「相談無料」・「営業時間」を網羅的に比較した結果、弁護士法人東京ロータス法律事務所がおすすめと言えます。
弁護士法人東京ロータス法律事務所は、全国に無料で出張を行い相談に応じてくれる点や平日も土日も夜間まで営業しているなど債務者を全力でサポートする体制が整っていると言えます。
そのため、現在借金問題で悩まれている人は”今すぐ”弁護士法人東京ロータス法律事務所に相談するべきと言えるでしょう。
本記事は借金完済の一歩編集部様の協力を得て作成を行なっております。借金完済の一歩様の記事は以下よりご確認いただけます。