失業保険を障害者枠で受給すると給付制限なしの受給日数は300日以上







失業保険の受給には一般受給者と障害者で受給条件や給付日数に違いがあります。

最も大きな違いと言えば、雇用保険の加入期間が1年以上10年未満の場合「一般受給者は90日間の支給」なのに対して「障害者の場合は300日以上」(年齢により変動)となります。

要は、一般受給者の3倍近くも受給日数が伸びるのです。このように失業保険の受給に関して一般受給者と障害者では異なるポイントがありますので解説をしたいと思います。

雇用保険上で就職困難者に該当する人

障害者に該当する人は雇用保険上では「就職困難者」に分類されることになります。では、「就職困難者」に該当するのはどのような人なのか確認してみましょう。

就職困難者に該当する人

  • 身体障害者:身体障害者手帳を持っている
  • 知的障害者:療育手帳を持っている人
  • 精神障害者:精神障害者保健福祉手帳を持っている人

上記が障害者に該当する場合ですが、以下の事情によって就職が困難になっている人も就職困難者に該当することになります。

  • 刑法上の規定により保護観察が就いている人
  • 社会的事情(差別など)により就職が著しく阻害される人

精神障害者の場合で、「てんかん、躁鬱、統合失調症」に該当する場合は、医師の診断書だけで手続きが可能になる場合があります。管轄するハローワークによって考えが異なりますので一度問い合わせを行ってみましょう。

障害者が失業保険を受給するための条件

それでは、障害者が失業保険を受給するために必要な条件をお伝えしたいと思います。

障害者が失業保険を受給するための条件

受給条件受給条件
障害者の場合離職前1年間に被保険者期間が通算し6ヶ月以上あること

※被保険者期間とは、雇用保険の加入期間の内、給与支払いの基礎となる日数が11日以上ある場合を1ヶ月として計算します。

一般受給者が自己都合で退職する場合は、「離職前2年間に被保険者期間が通算し12ヶ月以上あること」が受給条件となりますので障害者の場合は条件が緩和されていると言えます。

失業保険を障害者として受給する場合の給付日数は300日以上

次に失業保険の給付日数をお伝えしたいと思います。

雇用保険の加入期間1年未満*1年以上
45歳未満150日間300日間
45歳以上65歳未満150日間360日間

*1年未満で失業保険が受給できる場合は会社都合(倒産や解雇など)で退職した場合になります。

上記の通り、1年以上雇用保険に加入しているだけで最低でも300日、最高で360日も失業保険を受給することが出来ますので、給付期間は一般受給者よりも大幅に長いと言えます。

参考までに、一般受給者が失業保険を受給する場合の給付日数も確認してみましょう。

一般受給者が自己都合で退職した場合の給付日数

加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢90日間120日間150日間

一般受給者が会社都合で退職した場合の給付日数

加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日間90日120日180日
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
45歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日270日240日

障害者だから給付制限が免除される訳ではない

自己都合で退職した場合は、失業保険が受給できるまでに「7日間の待機期間」と「3ヶ月の給付制限」を受けることになります。

ここでのポイントは「障害者の人でも3ヶ月間の給付制限は免除されない」という点です。よくある勘違いとしては、「給付制限の3ヶ月間が免除される」という点ですが、これに該当するのは「特定理由離職者」に該当する人です。

特定理由離職者に該当する人

それでは、特定理由離職者に該当する主なケースをご紹介しておきたいと思います。

特定理由離職者に該当する場合

  • 労働契約期間が満了し次の更新を希望したが更新されなかった場合
  • 体力不足、心身の障害、疾病、けが、視力、聴力、触覚の減退などにより退職をした場合
  • 妊娠、出産、育児により退職し失業保険の延長申請を行った場合
  • 両親の死亡や介護などにより家庭の事情が急変した場合
  • 配偶者や扶養家族と別居生活を続けることが困難になった場合
  • 企業整備や人員整備による早期退職の案内を受けた場合
  • 通勤が困難になった場合(※以下に該当する場合)
  1. 結婚により遠方に引っ越しが必要になった場合
  2. 育児に伴う保育所等の施設を利用する場合や親族へ依頼する場合
  3. 会社が通勤困難な場所へ移転した場合
  4. 自分の意思と反して遠方に引っ越しが必要になった場合
  5. 鉄道などの公共機関の廃線や時間変更により通勤が困難になった場合
  6. 人事命令による転勤などから生じる別居を回避する場合
  7. 夫(または妻)の転勤や出向などにより再就職が必要となり転居を伴う場合

会社都合の退職である「特定受給資格者」は給付制限なし

上記はあくまで「自己都合による退職」をした人に限りますので、会社の倒産や解雇などによる会社都合の退職者は「特定受給資格者」となり3ヶ月の給付制限は受けません。

「特定受給資格者」「特定理由離職者」についての詳しい解説は「特定理由離職者と特定受給資格者の違いとは?該当するケースを紹介」にて行っておりますのでご参照頂ければと思います。

障害者の人が失業保険を受給するまでの流れ

失業保険を受給するまでの流れについては以下の図にまとめておりますのでご参照ください。

また、障害者手帳をお持ちの方は、ハローワークの障害者窓口で手続きが可能になりますので以下の書類を揃えて手続きを行いましょう。

失業保険の手続きに必要な書類

  1. 書類雇用保険被保険者離職票(1)
  2. 雇用保険被保険者離職票(2)
  3. 印鑑(シャチハタ不可)
  4. 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
  5. 普通預金通帳(ネットバンクや外資系金融機関は不可)
  6. マイナンバー確認証明書
  7. 本人確認証明書
  8. 障害者手帳や診断書

失業保険の手続きについては「失業保険の手続きはいつまでに行う?必要書類は何?気になる疑問を解説」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。

まとめ

障害者の人が失業保険を受給する際に一般受給者との違いや条件について解説を行いました。

障害者の人は一般受給者よりも失業保険の給付日数が長いため、自分に合った仕事をじっくりと選ぶことが可能になるでしょう。

職場環境の制約を受けることもあるかもしれませんが、しっかりと制度を活用し社会でご活躍頂くまでの材料になれば幸いです。









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