【FPが教えるVol.1】老後資金の貯め方は家計簿管理が基本

家計相談を行っていてよく聞くのが、「老後資金は子供が独立してからやっていきます」という声です。たしかに、20代で子供を持つことが多かった時代ではそれでも良いかもしれませんが、近年は子供が独立するのが60歳近く、という方も多いです。

40代、遅くとも50代になったら老後資金の準備を始めたいものです。とはいえ、教育費がかかる時期に老後資金を貯めていくのは難しいかもしれません。まずは家計簿で家計を管理することから始めてみましょう。

老後資金と家計管理

老後資金を貯めていくならば家計管理は必須です。というのも、老後資金は貯めるだけでは道半ばであり、その後に老後資金を長年かけて取り崩していく生活が待っているのです。貯蓄しつつ、上手な支出も実践していかないと老後生活は成り立たないのです。「貯」と「支出」両面から家計管理能力を高めるために有効なのが家計簿による家計管理です。

家計簿管理は難しい?

家計簿等というと大変そう、毎日きっちり記帳しなければならない……というイメージも強いですが、最近は便利な家計簿アプリも多いです。

家計簿アプリの機能

  • グラフや表などを自動で作成
  •  レシート読み取り機能が高性能に
  • 金融機関との連携で、引き落としやクレジットカードの使用を自動で反映
  • 家族間で家計簿の共有も
  • お金の使いすぎを防止できる予算管理機能

老後資金もアプリで管理|高齢者でも簡単に使える家計簿アプリZaimを解説!

2017.04.28

また、過去の実績から、貯蓄可能額を算出して自動で貯蓄を行うという、おせっかいな「貯蓄機能」を備えているものもあります。海外では連携するクレジットで買い物をしたときに、端数を自動で貯蓄するサービスも人気のようで。

家計簿アプリはまだまだ進化を続けそうです。このように家計簿アプリの技術は、家計簿管理の簡易さだけでなく、それ以上の付加価値を備えています。もちろん、従来のノート型や、パソコンで自ら入力するタイプの家計簿も根強い人気です。多くの選択肢の中から、続けられそうなものを選ぶといいでしょう。

家計簿を活用した貯め方

家計簿の効果は、何にいくら使っているのかを確認できることです。この「把握する」ということが、3つの効果を生みます。

家計簿管理のメリット1:固定費の把握

固定費とは毎月支払うことが決まっている支出のことです。毎月の支出だからこそ、この額を把握し、抑制できれば毎月の積み重ねにより事前に大きな効果が得られます。

家計簿管理のメリット2:無駄遣いのクセが分かる

家計簿をつけると、どんな項目にどのくらいお金を使っているのかが見えてきます。例えば、「コンビニでこんなに無駄なものを買っていた」「衣料費が多いけれど、その割にいつも同じ服しか着ていない」など自分の無駄使いの傾向が分かります。

家計簿管理のメリット3:使途不明金がわかる

通常は、家計簿をつけていても一定の「使途不明金」があります。これは少なければ少ないほどいいお金です。もしこの使途不明金が多い場合は、意識せずに何となく使用している支出が多いということです。ここが家計の5%以上であれば、日々のお金の使い方が曖昧になっている可能性が高いです。お財布を開く回数や持ち歩く金額を減らすなどしてお金使い道を強く意識したいです。それだけで無駄な支出が減ることでしょう。

このような活用法がある家計簿管理ですが、ここでは節約感が少ない「固定費」に注目してみたいと思います。次の章で詳しくご説明します。

4大固定費が抑制できれば、老後資金がみるみる貯まる

「固定費」とは、本来毎月必ず支払うことが決まっているお金のことです。代表的なものは、水道光熱費や携帯料金となります。ですが、ここではもう少し広く「年間を通じて支払うことが決まっているお金」として考えていきます。

その大きなポイントと言われるのが4大固定費です。「住宅費」「保険料」「教育費」「自動車費」この4大固定費ぞれぞれの節約方法をご紹介します。

4大固定費の削減①:住宅費

ローンを組んでいるならば返済計画の見直しをしましょう。金利が高ければ借り換えが一番効果的です。健康上の理由や勤務年数の関係などで借り換えが難しい場合は、繰り上げ返済で総返済額を圧縮するといった方法もあります。住宅ローンの返済が定年後も続く場合は、返済が続けられるかも確認しておきましょう。
また、賃貸ならばより安い家賃の部屋への引っ越しを検討するのも手ですね。

4大固定費の削減②:保険料

保険は年々使い勝手や保障内容が進化しているので、定期的な保険の見直しが必要です。例えば子供が合いる場合、若いうちは死亡保障が重要ですが、子育てがひと段落すれば医療や介護保障重視の保険にシフトするのが一般的です。必ずしも保険料が安くなるかは分かりませんが、たとえ金額的に変わらなくとも、必要な保障を効率よく手に入れることは大切です。節約の手段ではなく、家計簿管理の一環として保険の見直しをとらえるといいですね。

4大固定費の削減③:教育費

教育費は家計の聖域とされ、「削る」という認識のない人が多いです。また、かけようと思えばいくらでもかけられてしまう費用であることも問題です。しかしいくら子供のためといっても、収入に見合った支出額にしないと、他の出費に影響が出てしまうかもしれません。家計に占める教育費の負担が多大でないかチェックしましょう。

最終的には子供自身にしわ寄せがいく事例もあります。例えば、子供の教育費にお金をかけすぎて、就職支援や結婚資金援助ができないというケースです。親の生活がカツカツであれば子供も心配になるでしょう。そういった事態は避けたいです。日本学生支援機構では返済義務がない給付型奨学金制度が創設されました。また、大学独自の奨学金も拡充傾向です。教育費の削減が難しい場合は、奨学金を上手に取り入れていきたいです。

4大固定費の削減④:自動車費

自動車は車代のほかに、以下のような費用がかかります。

自動車のランニングコストは家計を逼迫させる

  • 自動車税
  • 自動車保険料
  • 車検費用
  • 駐車場代
  • ガソリン代

このように、自動車は維持費のかかる乗り物です。使用頻度が低いならば、レンタカーやカーシェアの利用も検討したいです。

自動車が手放せないならば、自動車保険の見直しを行う、新車ではなく中古を購入して価格を抑える、自動車購入のための積立貯金を行う(マイカーローンを避ける)などの方法があります。また、駐車場を利用している場合は、より価格の安い駐車場を探すのもいいでしょう。

固定費が抑制できれば家計が苦しい時期でも無理なく老後資金を貯めることができます。固定費は車検費用や住宅ローンのボーナス払いなど、不定期なものも含まれます。そのため把握しているつもりで見落としている費用もあるかもしれません。継続的に家計簿をつけて固定費を洗い出しましょう。

小さな固定費も見直しましょう

広義の固定費として、スポーツクラブの会員費、新聞や雑誌の定期購読、ネットやアプリの月額使用料……などがあります。利用頻度が低いものは解約して、都度払いにしたほうがお得かもしれません。

例えば、月額制の映画見放題プランを解約して、見たい時だけレンタルショップを利用したほうが結果的に安く済むかもしれません。加えて、老後はお金の出し入れも頻繁になることもあるでしょうからネットバンクを契約することで手数料を安くすることもできます。オススメは楽天銀行でしょうか。

一時的に解約や見直しには手間と労力はかかりますが、一回行ってしまえば済むことですので小さな額でもコツコツ積み重ねていきましょう。

まとめ

家計簿管理を活用した老後資金の貯め方をご紹介しました。支出管理ができていれば、老後に収入が減ったときも家計がコントロールできるでしょう。
「家計簿」というとそれだけで「できない!」という方もいます。しかし、最近は家計簿アプリが発達しています。レシートを写真でとるだけ、銀行口座と連動して自動で家計簿に反映させてくれる充実の機能が。ぜひともチャレンジしていきましょう。

50代から学ぶ「定年後設計スクール」



定年後はお金・生活・住まい・年金・医療費・相続・介護・補助金など知らないと”損”ばかりしてしまうことがたくさんあります。

そんな時におすすめしたいのが、50代から学ぶ「定年後設計スクール体験学習会」です。

3ヶ月で学べるプランで構成されており、受講することで老後の不安を大きく解消することができるでしょう。

特に以下のような方にはおすすめです。

  • 定年後もなんとかなると思いつつも不安がある人
  • 親の介護にかかるお金も心配な人
  • 生涯、経済的にも心理的にも豊かな生活をしたい人
  • 穏やかな定年後の生活を築きたい人
  • 一生涯関わるお金のすべてを学びたい人
  • 年金・保険・税金・資産運用などの、正しい知識を知りたい人

まずは、無料の体験学習会でご自身にとって有益な学びがあるのか判断するだけでも問題ないでしょう。

一人で不安を抱えている前に、まずは行動をすることで1つでも不安を解消するきっかけになります。

ABOUTこの記事をかいた人

横山 晴美

AFP/住宅ローンアドバイザー。 企業に属さない独立FP。2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホームの購入相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案する。安心して住宅を購入できるだけでなく、家計の課題も解決できるとの声を頂いている。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。