個人再生を行うと借金を大きく減額することが可能になります。例えば、3000万円以上5000万円未満の借金であれば1/10まで借金を減額できることから借金に悩まれる人には重宝する手続きと言えます。
ただし、上手い話だけではなくデメリットも非常に多くあります。その中の1つに「個人再生を行う場合、車は手放す必要がある」という話です。
今回は、個人再生を行うと本当に車を手放す必要があるのか?また、車を手放したくない場合の対処方法をお伝えしたいと思います。
個人再生の基礎知識
個人再生を行うと車を手放す必要があるのか?を解説するにあたって、簡単に個人再生における借金の減額率やメリット・デメリットについてお伝えしたいと思います。
個人再生の最低弁済基準額(資産によって返済額はプラスされる)
- 債務額が100万円未満の場合:債務全額
- 債務額が100万円以上500万円未満の場合:100万円
- 債務額が500万円以上1500万円未満の場合:債務額の1/5
- 債務額が1500万円以上3000万円未満の場合:300万円
- 債務額が3000万円以上5000万円未満の場合:債務額の1/10
個人再生のメリット
- 任意整理よりも借金を大きく減額することができる
- 自宅などの財産を手放す必要がない
- 専門家が介在すると督促が停止される
個人再生のデメリット
- 事故情報に5年間〜10年間記録されてしまう
- 安定した収入がないと手続きできない
- 住所と氏名が国が発行する官報に掲載されてしまう
- 債権者から半数以上の同意を得られない場合は手続きができない
上記の通り、個人再生を行うことで大幅に借金を減額することが可能になります。加えて、自己破産とは異なり財産を手放す必要がないというメリットもあるのです。ただし、事故情報が5年〜10年も登録されてしまうことや官報に掲載されてしまうデメリットもあります。
個人再生について詳しく知りたいという方は「個人再生とは?メリット・デメリット・費用・手続きの流れを徹底解説」にて手続きの詳細を解説しておりますのでご参照ください。
個人再生で車を残せるかはローンの有無が重要
さて、個人再生の基礎知識を理解したところで、車は個人再生をしても所有することができるのか解説したいと思います。まず、車を手放すか否かの重要なポイントは「ローンがあるか?ないか?」ということです。
自動車ローンがない場合
メリットでも解説をしましたが「自宅などの財産を手放す必要がない」とメリットお伝えした通り、ローンが無ければその車はあなたの財産になります。従って、個人再生を行なっても車を手放す必要がないのです。
自動車ローンがある場合
自動車ローンがある場合は、ローンの担保に車を設定しているか否かが車を手放すかの有無に関わってきます。
車を担保にしている場合はローンの回収が困難になった債権者は車を引き上げてしまうのに対して、車を担保にしていない場合は、その車は資産と同様の扱いになりますので手放す必要がないのです。
信託会社の自動車ローンは車を担保にしているケースが多く、銀行などは車を担保にしていない場合がありますので、どこからどのような条件でローンを組んだのかは個人再生で車を手放すかの決め手になります。
個人再生でも車を手放なさずに済む方法は名義変更のみ
さて、自動車ローンの担保があなたの所有する車に設定されている場合でも、どうしても手放すことが出来ない。というケースがあるでしょう。
第一に、自動車ローンを完済してしまえばあなたの資産になりますので車を手放す必要がありません。そのため、親族に車のローンを支払ってもらうという方法があります。ただし、個人再生することが親族にバレてしまうため得策とは言えません。
そこで、もう1つの方法は「名義変更」です。自動車ローンの名義を第三者に変更することでその車を手放す必要が無くなります。
とは言え、名義変更された側は借金を負うことになりますし、その方の返済が滞れば迷惑をかけることにも繋がります。そのため、返済の目処が立つのかよく検討しなければトラブルの原因になりますので注意しましょう。
先ほど、個人再生の基礎知識でお伝えした最低弁済基準額は、最低限返済すべき借金額となり、資産の状況に応じて返済額は加算されます。
目安としては自己破産した場合に、その資産を売却して得られる金額以上の返済が必要になる。という基準がありますので、あまりに高額な車を所有している場合は返済額が高くなってしまいます。
そのため、車を本当に所有すべきなのかよく検討が必要でしょう。とは言え、その判断を個人で行うのも非常に難しいことから専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。
個人再生後は車をローンで購入するまで5年かかる
已む無く、個人再生において車を手放してしまった方が、再度、車をローンで購入する場合は、個人信用情報機関の事故情報が削除されるまで待つしかありません。
個人再生の場合は5年〜10年は事故情報が登録されることになりますので、早くても5年間は車をローンで購入することは出来なくなります。
それより早く車を購入したいならば現金一括払いでの購入が必要になります。個人情報信用機関の詳しい解説は「任意整理後にブラックリストには何年載る?登録内容と期間を徹底解説」をご参照ください。
まとめ
個人再生で車を手放したくない。と考えている方は、まずは自動車ローンの完済を考えましょう。ただ、それが難しい場合は唯一の方法が名義変更となりますので、借金を肩代わりしてくれる方とよく検討し決めるようにしてください。
また、自動車ローンを既に完済している方は車を手放す必要がありませんが、資産があまりにも高額になると借金の返済額も大きくなりますので注意しましょう。
そのため、個人再生は弁護士に依頼し書類の作成、裁判所の対応、 所有する財産の相談などを行うことをおすすめします。個人再生のおすすめ弁護士は弁護士法人東京ロータス法律事務所です。
弁護士法人東京ロータス法律事務所は、全国に無料で出張を行い相談に応じてくれる点や平日も土日も夜間まで営業しているなど債務者を全力でサポートする体制が整っていると言えます。
そのため、現在借金問題で悩まれている人は”今すぐ”弁護士法人東京ロータス法律事務所に相談するべきと言えるでしょう。
債務整理で借金がいくら減額されるのか気になる方は
「借金減額シミュレーター」でいくら借金が減額されのか計算可能です。
本記事は借金完済の一歩編集部様の協力を得て作成を行なっております。借金完済の一歩様の記事は以下よりご確認いただけます。