傷病手当金とは?知らずに損をしないために知っておくべき知識を解説







病気や怪我で仕事が出来なくなってしまった時、「給料が支給されない」となったらどうでしょうか?経済的に大きな問題を抱えてしまう人が大半であると言えますが、そのような時に生活を支えてくれるのが「傷病手当金」になります。

「傷病手当金」は一定の条件を満たすことで毎月お金が貰える制度であることから知っているか否かでは大きな違いと言えます。

そこで今回は「傷病手当金」の受給金額、条件、期間など知っておくべき知識について解説を行います。

傷病手当金とは

会社員の方であれば健康保険に加入していることだと思います。健康保険と言えば、病気や怪我をして病院に行った時の治療費を3割負担にしてくれるもの。と考える方が大半だと思いますが実はそれだけではりません。

健康保険に加入しているメリットのもう1つに、仕事が出来ず給料が支給されない場合に、一定期間は生活を支援するお金として「傷病手当金」が支給されるのです。

給料が支給されないとは大袈裟だ。有給があるではないか?」と思う方も多いかもしれませんが、有給休暇と言っても付与される日数は最大で40日間となります。従って、有給を使い切ってしまえば無給もしくは欠勤や休職扱いになり給料が支給されなくなってしまいます。

具体的なケースとしては、「入院が必要な重大な病気を患ってしまった場合」や「怪我で仕事が出来ない場合」などが該当するでしょう。

傷病手当金の受給金額

傷病手当金の受給金額は「標準報酬月額」の日額換算した金額の2/3が支給されることになります。

従って、標準報酬月額が30万円の人は30日で割ると日額が1万円となります。この1万円の2/3が傷病手当金となりますので、1日あたりの支給額は6667円となります。

この傷病手当金日額に給付日数を掛けることで傷病手当金の支給総額を計算することも可能になります。

傷病手当金の計算例(標準報酬月額が30万円の場合)

  • 標準報酬月額30万円 ÷ 30日=1万円(標準報酬月額の日額)
  • 1万円 × 2/3=6,667円(傷病手当金の1日あたりの支給額)
  • 6,667円 × 給付日数=傷病手当金の総額

傷病手当金の支給期間

では、傷病手当金はいつまで支給を受けることが出来るのか?支給期間をお伝えしたいと思います。

傷病手当金は支給開始から支給終了まで1年6ヶ月間となります。ここで注意して欲しいのが、支給期間が1年6ヶ月という意味ではなく対象となる期間が1年6ヶ月間という意味合いになります。

従って、「傷病手当金の受給を開始してから一度復職し再び傷病手当金を受給する場合」でも、最初に失業保険を受給した日から1年6ヶ月間の支給となります。

傷病手当金の受給条件

傷病手当金の受給条件についてお伝えしたいと思います。

傷病手当金の受給条件1.業務外での病気や怪我であること

傷病手当金は健康保険からの給付となるため「業務外」での病気や怪我でないと支給を受けることができません。この理由に業務が原因で起きた病気や怪我の場合は、健康保険からの給付ではなく労災保険から給付がされるためです。

そのため、「旅行中の事故による怪我」や「不摂生による病気」などが傷病手当金の支給対象となります。

傷病手当金の受給条件2.労務不能な状態であること

傷病手当金は、病気や怪我が原因で仕事が出来ない時の生活を支援することが目的であるため「就労不能」な状態でなければ支給対象になりません。

この際、足を複雑骨折していたとしても車椅子や松葉杖を使えば就労できる事務職の場合は「就労可能」となりますが、運転手など足を使わなければ仕事が出来ないような場合は「就労不能」となる場合が一般的です。

要は、怪我や病気の具合によって一律に「就労有無」が決められるのではなく、業務内容によって個別判断がされると覚えておきましょう。

傷病手当金の受給条件3.待機期間の3日間を過ぎていること

傷病手当金には3日間の待機期間があり実際に就労不能な状態なのか判断されることになります。従って、傷病手当金が支給されるのは申請から4日目となります。

引用:協会けんぽ

傷病手当金の待機期間中は有給を活用することが可能になりますので、多くの人は待機期間の3日間を有給取得し4日目から傷病手当金を受給しています。

傷病手当金の受給条件4.給料の支払いがないこと

先ほどお伝えしたように傷病手当金は、就労不能な状態である時の生活支援が目的であるため給料を受け取っていないことが条件となります。

この際、経営者の温情などによって給料の一部や全額が支給される場合は傷病手当金の支給が認められないか減額支給されることになります。

傷病手当金を受給する際に知っておくべきこと

ここでは、傷病手当金を受給する際に知っておくべき知識についてお伝えしたいと思います。

傷病手当金の支給が停止される場合

傷病手当金の受給中に勤務している会社から休職期間満了などにより解雇となった場合、健康保険の加入期間によっては傷病手当金の支給が停止されてしまうことがあります。

健康保険の加入期間支給有無
健康保険の加入期間1年未満傷病手当金の支給が停止される
健康保険の加入期間1年以上傷病手当金は継続的に支給される

上記の通り、健康保険の加入期間が1年未満の場合、退職と同時に傷病手当金の支給が停止されてしまいますので会社と相談し雇用期間を延長してもらえるように相談をするようにしましょう。

健康保険の加入期間は継続可能だが1日でも空いてはダメ

健康保険の加入期間は会社が変わっても継続することが可能になります。しかしながら、健康保険の加入期間を継続するためには未加入期間を作ってはいけないため1日もブランクを空けないように転職活動を行う必要があります。

傷病手当金の申請書を会社が書いてくれない場合

傷病手当金の申請書は4枚構成となっております。

1枚目と2枚目は申請者本人が基本情報を記載し、3枚目は雇用主である会社が欠勤や賃金不支給の事実を証明し、4枚目は医師が労務不能な状態を証明する。という構成になっています。

その際、3枚目の会社記入の書類を作成してもらえない場合があります。

書類作成をしてもらえない理由には「①傷病手当金の存在を知らない場合」や「②職務怠慢や嫌がらせ」が主な理由となります。①の場合は、傷病手当金の存在を知らないだけなのでしっかりと説明をすればすぐに作成してもらえるでしょう。

一方で、②の場合は、全国健康保険協会の都道府県支部や厚生労働省の地方支分部局である厚生局に相談し行政指導を行ってもらうのが得策と言えます。

雇用主の責任として書類作成を拒否することは出来ませんので然るべき対処を行いましょう。

傷病手当金の申請書

※傷病手当金の申請書は全国健康保険協会に加入していることを前提に解説をしております。従って会社独自の健康保険組合に加入している場合は個別に組合に確認するようにしましょう。

まとめ

傷病手当金の支給金額、条件、期間など知っておくべき知識について解説を行いました。

傷病手当金は、病気や怪我によって就労できない状態である人の生活を支える貴重な収入源になることは間違いないでしょう。

とは言え、このような制度を知らない人も非常に多いことからしっかりと知識を身につけ損をしないようにしましょう。









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