自己破産手続き中は引っ越しが制限される?よくある疑問を解説







自己破産をした事実は誰にも知られたくないと考える方も多いでしょうから、住所を変えて再建する人も少なくありません。その際、自己破産をすると引っ越しが出来なくなる。など多数の噂が存在しています。

実際は、自己破産の9割の人が問題なく引っ越しすることが可能です。

そこで今回は、自己破産手続き期間中に引っ越しができるのか?また、自己破産と引っ越しに関するよくある疑問について解説を行いたいと思います。

自己破産手続き中でも同時廃止なら引っ越し可能

自己破産には「同時廃止」と「破産管財」の2つの種類がありますが、自己破産をする9割の人は財産を残すことなく自己破産をする「同時廃止」によって自己破産をしています。

そして、この「同時廃止」に関しては、住所変更の規定などはありませんので、いつでも引っ越しすることが可能になります。従って、自己破産をすると引っ越しが出来なくなる。という噂は、大半の人が該当しないと言えます。

一方、自己破産手続き期間中に引っ越しの制限があるのは、「破産管財」によるものです。

自己破産の破産管財でも許可が降りれば引っ越し可能

自己破産の「破産管財」は財産を有した状態で自己破産を行う場合に適用されるのですが、同時廃止に比べると手間と費用が発生します。詳しくは「自己破産手続きの流れとは?7つの手順と必要書類を徹底解説」をご参照ください。

そして、「破産管財」は、自己破産手続き期間中の引っ越しが許可制となっているのです。あくまで、許可制になりますので、こちらも引っ越しが出来ない。という訳ではありません。

破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。
前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。

上記の通り、破産法37条によって、許可を得れば引っ越しが可能であることが明記されておりますので、そもそも自己破産手続き期間中に引っ越しが出来ないという情報自体が誤りと言えるでしょう。

自己破産手続き期間中に引っ越しする場合の申請方法

それでは、破産管財の手続き期間中に引っ越しする場合の申請方法について確認してみましょう。

実は手続き自体も非常に簡単であり、裁判所に用意されている「住所変更の届け出」と「住民票」を提出するのみとなっております。

従って、上記の書類を用意できれば引っ越しが可能になりますので、何も不安に感じる必要はないと言えます。

自己破産後であればいつでも誰でも引っ越し可能

自己破産における「同時廃止」「破産管財」どちらも引っ越しが可能であることをご理解頂けたと思いますが、自己破産の手続きが無事に終了した後は引っ越しできるのでしょうか?

当然ながら、自己破産後もまったく問題なく引っ越しが可能になります。

自己破産手続き期間中は、破産者として引っ越しに許可がいるなど一定の制限は発生しますが、自己破産の手続きが完了すればあなたの権利は復権しますので、破産法による制限を受けることは無くなります。

自己破産と引っ越しに関する疑問を解説

自己破産における破産管財の場合は許可が必要であるものの、同時廃止や自己破産後であれば引っ越しに関しては一切の制限を受けることはありません。

さて、上記を前提にした上で、自己破産と引っ越しに関するよくある疑問を解説したいと思います。

疑問1.引っ越し後の入居審査に落ちる?

賃貸物件の入居審査は基本的には収入と職業によって判断されることになります。従って、一般的な定職に就き安定した収入が確保できる方であれば問題なく入居審査に通過すると言えます。

注意点は、信販会社が運営する賃貸物件の保証会社の場合は、個人信用情報機関にアクセスすることが出来るので、あなたが自己破産をした事実を知ることが可能になります。このような場合に、自己破産をした事実がバレてしまうと審査に落ちてしまうケースがありますので、信販会社の保証会社は避けるようにしましょう。

また、家賃の滞納があった場合は、「全国賃貸保証業協会(LICC)」と呼ばれる不動産の情報ネットワークに滞納履歴が共有されてしまいますので、審査に落ちてしまう場合があります。

そのため、確実に賃貸物件の審査を通過する方法は、個人信用情報機関を閲覧出来ない信販会社系列の保証会社と全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟していない保証会社に申し込みを行うのが良いと言えます。

詳しくは「自己破産後も賃貸物件は借りられる?住んでいる物件は更新か退去か解説」にて解説をしておりますのでご参照ください。

疑問2.自己破産後に賃貸物件の保証人になれる?

子供の進学や就職によって引っ越しをする際に、新しい住居の保証人に親がなる。というケースも珍しくはないでしょう。

このような時に、親が自己破産をしていると保証人になれないのではないか?と不安に感じる方も多いと思いますが、自己破産をしても保証人になることは可能です。

疑問3.自己破産後も引っ越しをすればクレジットカードは作れる?

自己破産をするとクレジットカードは5年〜10年の間は新規契約することが出来なくなります。このような場合に、クレジットカード会社に自己破産をした事実がバレなければ審査に通るのではないか?と考え引っ越しを計画する人も少なくありません。

残念ながら、引っ越しをしたとしてもクレジットカードの審査を通過することはないと言えます。

と言うのも、本人確認書類の提出が義務付けされるクレジットカードの発行では、引っ越しをした履歴を追うことが出来ますし、住所以外の方法で本人を特定することが可能になります。従って、引っ越しをした程度でクレジットカードが作れとは思わない方が良いでしょう。

詳しくは「債務整理後にクレジットカードは作れる?審査の甘いカード会社はどこ?」をご参照ください。

まとめ

自己破産をしても同時廃止であれば問題なく引っ越しは可能になります。破産管財でも許可が降りれば引っ越しは可能になりますので、基本的には住所が変わること自体に不安を感じる必要はないと言えます。

当然ながら、自己破産後であればいつでも誰でも引っ越しは可能になります。

とは言え、自己破産には上記のような誤解が多数存在している実態があります。そのため、正しい知識を身につけるためにも弁護士や司法書士などの専門家しっかりと相談することをおすすめします。

弁護士と司法書士では対応できる業務も異なりますので「自己破産は司法書士と弁護士にどちらに依頼すべき?業務の違いを解説」をご参照いただき、自分にあった専門家を選べるようにしましょう。

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