今回は国民年金手帳というものが会社を退職したきっかけに郵送されると思っていたが届かない。と質問を頂戴しましたので質問者様への回答を含めて「国民年金手帳とは一体どのこと指しているのか?」解説を行いたいと思います。
質問内容は以下の通りです。
私は、新卒で入社した会社を退職し自営業として生きていく道を選択しています。そのため、厚生年金の加入から国民年金の加入に変わることは知っています。
今回相談したい内容としては、国民年金の加入手続きをするべく役所に出向こうと思っているのですが、国民年金手帳というものが会社から送られて来ないため手続きが出来ない状態です。
会社に確認したところ、それは「年金手帳のことなのでこちらでは預かっておらず手元にあるはずですよ?」と言われてしまいました。私の手元には国民年金手帳と呼ばれるものはなく、もちろん厚生年金手帳というものもありません。
従って、会社で保管しているはずだと思っているのですが、会社が虚偽の連絡をしている。ということなのでしょうか?国民年金手帳は一体どのようなものなのでしょうか?
国民年金手帳は青色もしくはオレンジ色の年金手帳
まずは、回答からお伝えしたいと思いますが、20歳の時に送られた青色またはオレンジ色の年金手帳こそが国民年金手帳となります。
要は、国民年金手帳も厚生年金年金手帳も双方の違いは無く「年金手帳」と呼ばれる青色またはオレンジ色の手帳こそが国民年金の加入手続きに必要なものとなります。
「年金手帳の色の違いとは?青・オレンジ・茶色へと変わった理由を解説」にて解説をしましたが、以前は国民年金と厚生年金が別々の時代があったり基礎年金番号が記載されていないオレンジ色の年金手帳があったりしました。
平成9年1月以降は全て青色の年金手帳に統一されていますので、ご質問者様が平成9年1月以降に20歳を迎えていれば青色の年金手帳がお手元にあれば大丈夫です。

国民年金を正しく納めているかの確認方法
さて、国民年金手帳が手元になく手続きが出来ていない状態であったことから国民年金保険料をしっかりと納められているか少々不安に感じました。
そこで、国民年金保険料を正しく納めているかの確認方法もお伝えしたいと思います。
国民年金は厚生年金とは異なり被保険者自らが納付を行う必要があります。会社員時代であれば給与天引きされていましたので少々面倒なことでしょうが、毎月納付している履歴が確認出来れば心配する必要はありません。
とは言え、過去の納付状況で抜け漏れがないかも不安でしょう。
そのような場合は、毎年誕生日の前月に日本年金機構から送られてくる「年金定期便」を確認しましょう。年金定期便にはこれまで納付した年金の記録が記載されておりますので年金納付状況を確認することが可能になります。
年金定期便の確認見方は「年金定期便の見方を解説|いくらもえるか全てが分かる便利なはがき」をご参照頂ければ確認が可能になります。
国民年金手帳を紛失したら再発行が可能
ご質問者様は、「国民年金手帳も厚生年金手帳も手元にない」とおっしゃています。この場合、年金手帳そのものを紛失している可能性も高いと考えられます。
万が一紛失している時は、年金手帳の再発行をすることが可能になりますので可及的速やかに手続きを行うようにしましょう。
再発行方法としては、年金事務所に出向く方法や郵送で対応する方法がありますが、「とにかく今必要!」とお急ぎの方は当日発行も可能です。
当日発行が出来るのは「年金事務所のみ」となりますので、詳しくは「年金手帳がない!紛失した時に即日再発行をしてもらうための全手順」をご参照ください。
国民年金手帳は就職や転職時などに利用
これから自営業を営む質問者様にとって、「国民年金の加入手続きが完了してしまえば年金手帳の出番は老後の年金受給年齢を迎えるまでない」と考えがちです。
しかしながら、年金受給時以外でも年金手帳が必要になる場合があります。
- 年金受給の申請時
- 公的年金の各種手続き時
- 身分証明証
- 就職・転職時の厚生年金加入時
- 障害年金や遺族年金の申請時
上記のように、自営業から会社員に戻るような場合も必要となりますし、質問者様が障害等級1級または2級になった場合や遺族年金を申請する場合も必要になります。
障害年金や遺族年金の詳しい解説は以下の関連記事をご参照頂ければと思いますが、老後まで必要がない。という訳ではありませんのでしっかりと保管を行いましょう。
まとめ
国民年金手帳って何?と疑問を感じた方に向けて解説を行いました。
すなわちそれこそが「年金手帳である」と覚えておきましょう。また、国民年金保険料をしっかりと納付しているか不安な場合は「年金定期便」を確認することで納付状況を確かめることが可能です。
国民年金保険料がいくらか気になる方は「国民年金保険料の金額はいくら?どのように決まるのか計算式を解説」をご参照頂ければと思います。