国民年金加入者が亡くなった時は子供がいないと遺族年金が受給できない







自営業者が加入する国民年金は、将来、老齢基礎年金として満額77万9300円を年間で受給することが可能(平成30年現在)になります。

この老齢基礎年金を受給するために、20歳〜60歳までの40年間を毎月1万6340円(平成30年現在)支払い続けることになります。やはり年金保険料は高い印象ですが、年金の支給が開始されれば亡くなるまで受給できる点はメリットでしょう。

しかしながら、もし、年金を受給する前に亡くなってしまった場合は、支払った保険料はどうなるのか?今回は、遺族年金・寡婦年金・死亡一時金について解説を行います。

国民年金加入者が受給できるのは遺族基礎年金のみ

国民年金加入者が亡くなった場合に受給できる年金は「遺族基礎年金」または「寡婦年金・死亡一時金」となります。

会社員や公務員の人で厚生年金加入者であれば「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の受給資格を有しますが、国民年金にしか加入していない自営業者の人は「遺族厚生年金」を受給することが出来ません。

会社員や公務員は優遇されている」と言われますが、確かに、国民年金加入者には無い権利を有している点は大きな差と言えるでしょう。

では、国民年金加入者でも受給ができる遺族基礎年金とは、どのような制度なのか詳細を確認してみましょう。また、遺族年金の詳しい解説を知りたい人は「遺族年金の仕組み|受給金額はいくら?いつまでもらえるの?」も合わせてご確認ください。

遺族基礎年金の受給金額と受給条件

遺族基礎年金の受給額は、年間77万9300円に子供2人までは22万4300円が加算され、3人目以降は1人あたり7万4800円を加算し支給が行われます。

従って、子供が3人いる場合は「77万9300円+22万4300円 × 2人+7万4800円=130万2700円」が年間で受給できるのです。

しかも、「遺族年金が非課税の根拠|扶養家族は所得税や住民税の節約にも繋がる」にて解説した通り、遺族年金は全額非課税扱いになります。では、遺族基礎年金はどのような人が受給できるのか条件を詳しく確認してみましょう。

遺族基礎年金の受給条件

  • 被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある
  • 保険料納付期間が加入期間の2/3以上ある
  • 被保険者の死亡時点から前々月までの1年間の間で保険料の滞納がない
  • 18歳未満の子どもがいる妻または夫
  • 18歳未満の子供※(1級・2級障害者なら20歳未満)

遺族基礎年金は18歳未満の子供がいないと受給できない

上記の通り、遺族基礎年金を受給するためには、そもそも18歳未満の子供がいないと受給することが出来ないのです。また、当然ながら国民年金保険料を滞納していた場合も受給が出来ません。

会社員や公務員の遺族が受給できる遺族厚生年金の場合は、子供がいなくても夫が本来受け取る予定だった厚生年金の3/4が支給されることから大きな差があると言えます。

納付している保険料が高いので当然と考えることも出来ますが、そもそも、自営業の人は、厚生年金に加入できないので平等とは言えないでしょう。

遺族基礎年金の受給資格がない場合の救済措置

ただ、国民年金保険料を長年支払ってきて、年金受給前に亡くなってしまった場合、納付し続けた保険料が全て無駄になってしまってはさすがに報われないと言えます。

そこで、遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給できない人に向けた救済措置をご紹介したいと思います。

寡婦年金とは

寡婦年金は、遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給資格を有しない人が受給できる制度になり、支払った保険料が掛け捨てにならないようにするためのものです。

しかしながら、寡婦年金も万全ではなく、受給できるのは「妻のみ」になりますので残念ながら主夫の人は受給できません。加えて、「妻」も受給できる期間が60歳〜65歳までの間になりますので時限的と言えます。

寡婦年金の条件詳細
給付条件
  • 第1号被保険者として保険料を納めた期間が10年以上であること
  • 婚姻関係が10年以上あり夫によって生計が維持されていること

*死亡した夫が、障害基礎年金の受給権者や老齢基礎年金を受けたことがある場合は対象外
*妻が老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けている場合は対象外

給付対象
給付額夫が本来受け取る予定だった老齢基礎年金の3/4
支給期間妻の年齢が60歳から65歳までの間

死亡一時金とは

死亡一時金とは、寡婦年金同様に遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給資格を有しない人が受給できる制度になります。寡婦年金との違いは、60歳〜65歳まで継続的に支給されるものではなく、一時金として支給されるものになります。

受給するために、3年以上国民年金保険料を納付している必要がありますが、性別や年齢の制限がない点がポイントになります。それでは、いくらの死亡一時金がもらえるのか受給条件を確認してみましょう。

死亡一時金の条件詳細
給付条件
  • 遺族が遺族基礎年金を受給できない場合
  • 第1号被保険者が36月以上の間保険料を納めていること
  • 被保険者によって生計が維持されていた方
  • 寡婦年金を受け取らない方
給付対象妻→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹の順で優先順位が高い順で支給される
給付額
  • 36ヶ月以上180ヶ月未満:12万0000円
  • 180ヶ月以上240ヶ月未満:14万5000円
  • 240ヶ月以上300ヶ月未満:17万0000円
  • 300ヶ月以上360ヶ月未満:22万0000円
  • 360ヶ月以上420ヶ月未満:27万0000円
  • 420ヶ月以上:32万0000円

*付加保険料を36ヶ月以上納めていたときは、8,500円が加算されます。

支給期間1回のみ

国民年金と遺族基礎年金を併給できない

遺族基礎年金の受給資格を有している人で年金受給の開始年齢になった場合、遺族基礎年金と国民年金(老齢基礎年金)を併給することができるのか?という点も疑問に感じることだと思います。

結論、国民年金(老齢基礎年金)と遺族基礎年金は併給することができません。これは、1人1年金の原則にあり、複数の年金を併給することは出来ない決まりがあるためです。

ただし、中には複数の年金を併給することが出来ますものもありますので一覧をお伝えしたいと思います。

併給できる年金
  • 老齢基礎年金+老齢厚生年金
  • 障害基礎年金+障害厚生年金
  • 遺族基礎年金+遺族厚生年金
  • 老齢基礎年金+遺族厚生年金
  • 障害基礎年金+遺族厚生年金
  • 障害基礎年金+老齢厚生年金
併給できない年金
  • 障害基礎年金+遺族基礎年金
  • 障害年金+遺族年金
  • 障害基礎年金+老齢基礎年金
  • 障害基礎年金+特別支給の老齢厚生年金
  • 遺族基礎年金+老齢基礎年金
  • 遺族基礎年金+特別支給の老齢厚生年金

まとめ

国民年金加入者が亡くなった場合に受給できる年金制度について解説を行いました。

遺族基礎年金は18歳未満の子供がいないと受給することが出来ませんので、寡婦年金または死亡一時金を受給することになります。

やはり厚生年金に比べて保障が薄い。と言えることから自分自身で老後資金を準備することも重要でしょう。

とは言え、多忙な状況もあるでしょうから「ロボアドバイザーとは?1から理解し使いこなすための全知識」で解説したように、ロボアドバイザーを活用し自動で資産運用を行うなども検討することをおすすめします。









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