失業保険の給付中にアルバイトをしても大丈夫?知っておくべき注意点を解説







失業し求職活動をしている人の生活を支える「失業保険」は、収入が0円になることを防ぐ強い味方と言えるでしょう。ただし、退職の理由によっては、失業保険が給付されるまでに3ヶ月もの期間が必要になります。

その際、「短期間でもアルバイトをして生活を維持する必要があるが、失業保険の給付が出来なくなるのでは?」と不安に感じている人も多いことだと思います。

1点ご安心頂ければと思いますが、失業保険の給付中でもしっかりとルールを守ればアルバイトをすることは問題ありません。そこで今回は、失業保険の給付前、給付中に分けてアルバイトをする場合の注意点について解説をしたいと思います。

失業保険の給付前にアルバイトをする場合

お勤めの会社を退職後、失業保険の手続きをする前にアルバイトしていることは全く問題なく失業保険の手続きを行うことが可能になります。

注意点としては、失業保険の給付が受けられる期間は、雇用保険に加入していた企業を退職した翌日から1年間となりますので、手続き期限を過ぎてしまわないように注意しましょう。

ただし、現在は2年間の時効が設けられていることから万が一手続き期限が過ぎた場合でも、時効を超えていなければ失業保険の手続きは可能になります。

詳しくは失業保険の手続き方法を解説した「失業保険の手続きはいつまでに行う?必要書類は何?気になる疑問を解説」をご参照ください。

失業保険の手続き中にアルバイトをする場合

失業保険の手続き中にアルバイトする場合は、「7日間の待機期間」はアルバイトをしてはいけません。この待機期間は、ハワーワークが実際に失業しているか確認する期間となりますので、アルバイトをして少しでも収入があると待機期間が延長されてしまいます。

待機期間が終了し、失業保険が給付されるまでの待機期間に関してはアルバイトをしても問題ありません。

そのため、自己都合による退職の場合は失業保険が給付されるまで3ヶ月かかりますのでアルバイトをしながら生活を維持することが良いと言えます。

失業保険の給付中にアルバイトをする場合

失業保険の給付中にアルバイトをすることも問題にはなりません。

ただし、失業保険の手続き中や給付中で注意しなければならないのが、アルバイトでも「就職」とみなされると給付が停止されてしまう。という点です。

これから詳しく解説を行いたいと思います。

失業保険の給付中にアルバイトをする場合の注意点

それでは、失業保険の給付手続き中や給付中にアルバイトをする場合の注意点をお伝えします。ここでルールを守らないと「支給額の減額」や「支給停止」となりますので十分に注意して頂ければと思います。

注意点1.アルバイトの勤務時間によっては就職とみなされる

1つ目の注意点は、アルバイトでも勤務時間が一定量を超えると「就職」とみなされてしまう。という点です。就職扱いになると当然ながら失業保険の給付は「停止」されてしまいます。

就職とみなされて失業保険が停止されてしまう場合

就職とみなされる条件に雇用保険の加入が挙げられます。本来、雇用保険は「1週間の所定労働時間が20時間以上」「31日以上の継続雇用が見込まれる」場合は強制的に加入しなければなりません。

そのため、アルバイトでも上記の勤務時間を超えてしまうと「就職」扱いになり失業保険の給付が停止してしまいます。

また、アルバイトの雇用契約書には、勤務日数に関して「シフトによる」などと記載されるケースもありますが、週20時間を超えないようにアルバイト先に依頼するようにしましょう。

注意点2.失業保険が先送りされる

注意点の2つ目は、アルバイトを1日4時間以上行うと労働した日数分失業保険の給付開始日が遅れることになります。これは「失業保険の減額」ではなく「給付が遅れる」ということなので特段心配はありません。

ただし、1日4時間以上のアルバイトを継続してしまうと失業保険の給付期限である1年間を過ぎてしまう可能性があります。この場合、失業保険の給付を受けることが出来なくなりますので十分に注意してください。

このような問題が起きないようにするには、アルバイトの勤務時間を1日4時間以内に制限することが望ましいでしょう。

注意点3.失業保険が減額される

注意点3つ目は、1日4時間以内にアルバイトを制限した場合などでも失業保険が減額される場合です。そこで、失業保険が減額されるケースについて確認をしてみましょう。

失業保険が減額される場合

  • ア.基本手当日額+収入(1日分の収入ー控除額)
  • イ.前職の賃金日額 × 0.8
  1. アがイより少ないまたは同額である場合:全額支給され減額はない
  2. アがイより多い場合:イを超えた部分を失業保険から減額
  3. 1日の収入がイより多い場合:支給停止

失業保険給付中にアルバイトがバレる場合

上記でお伝えしたように、失業保険の給付期間中にアルバイトをすることで失業保険が減額または停止されてしまう可能性があります。そこで、ついつい考えてしまうのが「ハローワークにバレなければアルバイトしても大丈夫だろう」ということです。

残念ながら、失業保険の給付中にアルバイトをした場合は必ずバレてしまいますので、収入を得た場合は必ず申告をするようにしましょう。

では、失業保険の給付中にアルバイトをしたことがなぜバレてしまうのかを解説したいと思います。

アルバイト先が雇用保険に加入させた場合

失業保険の給付中にアルバイトをしていることがバレる原因の1つに「雇用保険の加入」があります。

バレないようにこっそりと仕事をしているつもりでも、雇用主は従業員を雇用保険に加入させる義務がありますので、雇用保険の手続きを進めてしまうことでしょう。

この雇用保険の管理者はハローワークになりますので、当然ながらアルバイトをしている事実はバレてしまいます。

マイナンバーカードを照合された場合

失業保険の給付中にアルバイトをしていることがバレる原因の2つ目に「マイナンバーカード」があります。

失業保険の手続き時にはマイナンバーカードの提出が必要になりますので、登録データを照合された場合はアルバイトをしている事実がバレてしまうと言えます。

それ以外でも、ハローワーク職員の訪問や密告などによってバレるケースもありますので絶対にルール違反をしないようにしましょう。

失業保険の不正受給に該当する場合と罰則

アルバイトをしていることをハローワークに隠している。などは失業保険の不正受給に該当し厳しい罰則が科せられることになります。そこで、どのような場合に不正受給とみなされるのか?罰則とはどのような罰なのかもお伝えしたいと思います。

失業保険の不正受給に該当する場合

  • 求職活動の実態が無いのにも関わらず虚偽の報告をした場合
  • 就職・就労に関して「失業認定申告書」に記載をしなかった場合(アルバイトも含みます)
  • 自営業を始めたにも関わらず「失業認定申告書」に記載をしなかった場合
  • 内職や手伝いなど少時間の労働を「失業認定申告書」に記載をしなかった場合
  • 会社役員などになったが「失業認定申告書」に記載をしなかった場合
  • 定年後、働く意欲がないにも関わらず失業保険を受給した場合

上記に該当する場合は、失業保険の不正受給として処分が科せられます。罰則には大きく「支給停止」、「返還命令」、「納付命令」に分かれております。

失業保険を不正受給した場合の罰則

  • 支給停止:不正が発覚当日を含め、その日以降の失業保険が一切受け取ることが出来ない
  • 返還命令:不正受給をした金額の全額を返還する必要がある
  • 納付命令:不正受給をした金額の2倍を納付しなければならない

そして、「返還命令」と「納付命令」が合わさると3倍もの金額を納付しなければなります。一般的に「3倍返し」と呼ばれておりますが、非常に厳しい罰則と言えます。

ちなみに、この罰則をしっかりと納付しないと延滞金の発生や強制執行の対象となり財産が差し押さえされてしまいますので十分に注意してください。

まとめ

失業保険の給付中にアルバイトをする場合は、待機期間の7日間だけは避けるようにしましょう。

その上で、失業保険の「減額」や「支給停止」を受けないためには、雇用保険へ加入しなくて済む「週20時間以内の労働」に制限しておく方が良いでしょう。

不正受給は厳しい罰則が科せられますのでアルバイトする場合はしっかりとルールを守り給付を受けるようにしましょう。









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