年金収入だけでも確定申告をした方がお得になるケースを解説







会社員や公務員である人は年末調整があるため、確定申告をした経験は数回しかない。という人も多いことでしょう。自営業の人は、毎年のように確定申告をしているでしょうから、定番行事とも言えるかもしれません。

さて、老後を迎え年金だけで生活している場合は、これまでのように確定申告は必要なのか?疑問に感じている人も多いことだと思います。結論、年金収入のみの人は確定申告が不要になります。

ホッと一息することだと思いますが、一部の人は年金収入のみの場合でも確定申告をした方がお得になるケースがありますので解説を行いたいと思います。

年金には所得税が徴収されている

まず、60歳以上から受給できる「老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)」は税法上では「雑所得」扱いになりますので課税の対象となります。

つまり、年金には税金が掛かる。ということになりますが、徴収方法が年金給付から所得税分が天引き(源泉徴収)されているため、税金を納付していることに気がつかない人も多いのが実態と言えるでしょう。

とは言え、税金を納めている以上は、確定申告で還付が受けられる可能性がある。と言えます。そこで本記事では、年金収入のみの人が確定申告をした場合に得するケースをお伝えしたいと思います。

年金と税金の関係については「年金にも税金が掛かる?65歳で変わる控除の金額と税金の計算方法」にて詳しく解説をしておりますのでご参照ください。

年金収入は確定申告が不要であることが原則

年金の収入だけでも確定申告は必ずした方が良い?」という誤解を防ぐ為にも、先に、確定申告した方が良い人と必要がない人の違いをお伝えしたいと思います。

年金収入だけの人が確定申告をする基準

  • 公的年金等の収入金額が400万円以下
  • 公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下

公的年金の収入が400万円を超えることは現実的には起こりえないと言えますので、年金収入だけの人は基本的に確定申告は不要。と言えるでしょう。

この制度は2012年にできた「年金所得者の確定申告不要制度」と呼ばれる制度に該当しますので覚えておくようにしましょう。

確定申告不要制度の基準

出典:政府広報オンライン

年金収入だけでも確定申告で控除が受けられる場合

年金収入だけで生活している人は基本的に確定申告は不要であると言えますが、以下に該当する場合は確定申告することで税金の還付が受けられる可能性があります。

年金収入だけでも確定申告した方が良いケース

  • 家族構成に変更があった場合
  • 高額な医療費を支払った場合
  • 国民年金保険料を代わりに支払った場合
  • 災害や盗難にあった場合
  • 住宅の購入やリフォームなど住宅ローンを組んだ場合

上記の共通項としては、それぞれに「控除」がある。という点になります。控除は収入から差し引くことで所得を少なくすることができるため結果的に所得税を安くすることができるのです。

その際、下がった所得に対して払い過ぎた税金が確定申告によって還付されることになる訳です。それでは、詳細についてお伝えしたいと思います。

家族構成に変更があった場合

扶養家族の人数に変更があった場合は「扶養控除」、夫婦の死別や離婚があった場合は「寡婦控除」や「寡夫控除」などが受けられることになります。

寡婦・寡夫控除はあまり知られていないと思いますが、控除できる金額が27万円からと非常に大きいので該当する場合は必ず申告をした方が良いでしょう。

高額な医療費を支払った場合

医療費控除は確定申告しないと控除の対象とはなりません。そして、医療費控除が受けられるのは、一般的に自己負担額が10万円以上となった場合になります。

しかしながら、所得が200万円以下の場合は所得の5%以上でも医療費控除の対象となりますので該当する人は確定申告することで医療費控除を受けることが可能になります。

国民年金保険料を代わりに支払った場合

年金から徴収されている保険料は「国民健康保険料」「介護保険料」「後期高齢者医療保険料」の3つになりますが、家族分の国民年金保険料などを納めている場合は「社会保険料控除」の対象にもなります。

年金保険料は家族も連帯して納付する義務を追っているため、年金受給者が子供や孫の年金を支払うことも可能なのです。その際は、納付した人が所得控除の対象となりますので節税効果が期待できる。という訳です。

年金の所得控除については「国民年金は年末調整で控除可能!厚生年金加入者も対象になるって本当?」も合わせてご参照ください。

災害や盗難にあった場合

災害、盗難、横領などの被害を受けた場合は「雑損控除」を受けることができます。もし、損失が大きく控除が年内に使い切れない場合は翌年以降に持ち越すことが可能になります。*詐欺被害は対象外

雑損控除も確定申告しないと控除が受けることが出来ません。また、「罹災証明」や「盗難届」などの書類も合わせて準備しておくようにしましょう。

住宅の購入やリフォームなど住宅ローンを組んだ場合

住宅の購入やリフォームのために住宅ローンを組んだ場合は「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」を受けることが可能になります。

また、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事など特定のリフォーム工事で住宅ローンを組む場合は「特定増改築等住宅借入金等特別控除」が受けられることになります。

控除額は、年末の住宅ローン残高の1%分(特定増改築等の場合は2%分)、控除期間は10年間(特定増改築等の場合は5年間)になりますので非常に大きな控除を受けられるでしょう。

こちらも毎年確定申告が必要になりますので忘れずに申告するようにしましょう。

まとめ

年金収入だけでも確定申告した方が良いケースについて解説を行いました。結論、年金収入だけで生活している人は基本的には確定申告は不要と言えますが、以下に該当する場合は確定申告を行うようにしましょう。

年金収入だけでも確定申告した方が良いケース

  • 家族構成に変更があった場合
  • 高額な医療費を支払った場合
  • 国民年金保険料を代わりに支払った場合
  • 災害や盗難にあった場合
  • 住宅の購入やリフォームなど住宅ローンを組んだ場合

確定申告は税務署にて行いますが、現在はパソコンからでも申告が可能になります。また、事務所に行く場合は、「源泉徴収票」「領収書」「口座振替の状況がわかる通帳」「印鑑」などを持参しましょう。

その他の準備物は、自分自身がどの控除を受けることが出来るのかによって変わりますので、一度最寄りの税務署に相談することをおすすめします。

確定申告の期間は、2月16日から3月15日になりますが、3月は税務署も混み合いますので確定申告に不安がある人は出来るだけ早く税務署に相談することをおすすめします。









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