国民年金と厚生年金の切り替えは忘れてはいけない!就職や退職時に注意







日本に在住する20歳から60歳の人は、加入する年金が異なりはするもののいずれかの年金に必ず加入する必要があります。具体的には、「自営業者の人や無職の人は国民年金に加入」し、「会社員や公務員の人は厚生年金に加入」することになります。

では、就職や退職などによって、「国民年金から厚生年金に切り替える場合」や「厚生年金から国民年金に切り替える場合」はどうのような手続きが必要なのか?多くの方が疑問に感じることでしょう。

そこで今回は、就職や退職時に年金の切り替えで困らないように手続き方法を解説したいと思います。

2つの年金と3つの分類

まず、日本の年金制度からおさらいをしたいと思います。

冒頭でもお伝えしたように、自営業者や無職の人は「国民年金」に加入し、会社員や公務員の人は「厚生年金」に加入します。2017年9月末までは、公務員の人は「共済年金」に加入しておりましたが、2017年10月に「厚生年金に統一」されております。

従って、日本国民は、任意加入の年金(国民年金基金や厚生年金基金など)を除けば、「国民年金」または「厚生年金」のどちらかに必ず加入していることになります。

そして、20歳〜60歳の年金加入者は3つの分類に分かれており、国民年金に加入する人を「第1号被保険者」、厚生年金に加入する人を「第2号被保険者」、厚生年金加入者に扶養される人を「第3号被保険者」と呼びます。

就職や転職したら年金の切り替えが必要になる

さて、ご自身が現在どの年金に加入しているか把握することが出来たでしょうか?ここからは、就職や退職などによって加入する年金が変わる場合の切り替え手続きについて解説を進めたいと思います。

ちなみに、「退職し自営業になった場合で、厚生年金に加入したまま国民年金には加入していない状態」や「自営業者が会社員になった場合で国民年金に加入したまま厚生年金には加入していない状態」などは発生しません。

自分自身がどのような働き方をしているか?という点と加入する年金は必ず一致していなければならないことから、年金の切り替え手続きは必ず行う必要があります。

国民年金から厚生年金に切り替えする方法

自営業の人や学生の人などが会社員になった場合は、厚生年金に加入することになります。

従って、国民年金から厚生年金への切り替え手続きが必要になります。年金の3つの分類でお伝えするならば、第1号被保険者から第2号被保険者への切り替え手続きとなります。

厚生年金に新たに加入する場合、その手続きは基本的に勤めている会社が行ってくれます。そのため、切り替えに必要な「年金手帳または基礎年金番号が分かる書類」を会社に提出するだけで手続きは完了します。

もし、年金手帳を紛失してしまった場合は再発行が可能になりますので、詳しくは「年金手帳がない!紛失した時に即日再発行をしてもらうための全手順」をご参照ください。

厚生年金加入者は同時に国民年金にも加入している

ここで少し余談になりますが、厚生年金には国民年金も含まれていることから、厚生年金に加入するということは同時に国民年金にも加入していることになります。

そのため、会社員や公務員の人が年金を受給する時には厚生年金と国民年金の両方を受給することが出来るのです。

その分、保険料を多く支払っているので当然とも言えますが、自営業の人は厚生年金に加入できないことを考えると優遇されていることが分かります。

厚生年金から国民年金に切り替えする方法

会社員や公務員の人が自営業や無職になった場合は、国民年金に加入することになります。

従って、厚生年金から国民年金への切り替えが必要になります。年金の3つの分類でお伝えするならば、第2号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きとなります。

先ほど、国民年金から厚生年金の切り替えは会社が手続きをしてくれる。とお伝えしましたが、厚生年金から国民年金への切り替えは自分自身での対応が必要になります。

手続きの流れは「①:厚生年金の資格喪失手続き」と「②:国民年金の加入手続き」の2つになります。

まず、「①:厚生年金の資格喪失手続き」ですが、こちらは、これまで勤めていた会社が手配するため手続きは不要になります。会社に年金手帳を保管してもらっている場合は返却を求めましょう。

続いて、「②:国民年金の加入手続き」ですが、退職した日から14日以内に居住している地域を管轄する市区町村役場に「年金手帳または基礎年金番号通知書」、「退職証明書または離職票」、「本人確認書類」を持参し手続きを行うことになります。

退職時は年金の切り替え以外でも手続きが非常に多いので忘れないようにしましょう。

厚生年金加入者の扶養に切り替えする方法

結婚などによって、厚生年金加入者の扶養に入る場合も手続きが必要になります。

年金の3つの分類でお伝えするならば、第2号被保険者の扶養となるために第3号被保険者への切り替え手続きを行う。ということになります。

第3号被保険者になると年金保険料を納めなくても国民年金に加入している扱いになります。そのため、国民年金の受給資格が得られるまで第3号被保険者でいた場合は、将来、国民年金が受け取れることになるのです。

第3号被保険者の加入条件は年収130万円未満

第3号被保険者は第2号被保険者の扶養になりますので収入が130万円未満である必要があります。

その他、勤め先の従業員数が501名以上である場合は、収入が130万円未満でも第3号被保険者になれない。などの条件がありますので詳しくは「第3号被保険者とは?条件・年金受給額・手続き・資格喪失など疑問を解説」をご参照ください。

さて、第3号被保険者の切り替え手続きは、扶養者(第2号被保険者)の勤務先を通じて手続きを行います。

手続きに必要な書類は「配偶者の年金手帳または基礎年金番号通知書」、「年間所得が130万円以下であることを証明する書類」、「住民票(会社による)」を提出することになります。

もし、扶養者(第2号被保険者)が会社を退職し第1号被保険者となる場合は、被扶養者(第3号被保険者)も第1号被保険者への切り替え手続きが必要になります。

また、年間所得が130万円を超えるような場合は、扶養から外れてしまいますので、同様に第1号被保険者または第2号被保険者への切り替え手続きが必要になります。

扶養から外れる場合は、扶養者の勤務先に「被扶養配偶者非該当届」を提出するようにしましょう。

年金の切り替え手続きを失念した場合

もし、年金の切り替え手続きを失念していることに気が付いた場合は、速やかに居住している地域を管轄する市区町村役場に出向き手続きを行いましょう。

また、手続きすることを失念したまま放置していると日本年金機構から「国民年金加入の届書」が送付されてきます。

国民年金加入の届書は、年金記録が確認できない場合に送られてくる物になりますが、郵送されてくるまでには時間が掛かります。そして、国民年金加入の届書を受け取ったら速やかに未納になっている年金保険料を一括で納める必要があるのです。

この時に、年金保険料が支払えず、国民年金加入の届書を放置してしまうと、未納扱いになりますので将来受け取れる年金額が減少してしまいます。加えて、年金保険料を滞納していると強制徴収の対象になる可能性もありますので注意してください。

年金と滞納と強制徴収については「2018年最新情報|年金(国民年金)未納は危険|延滞金・強制徴収などデメリットを解説」をご参照ください。

1日だけでも年金の切り替え手続きは必要になる

年金の加入記録は基礎年金番号で管理されていますので、厚生年金から国民年金に切り替わった場合など一元管理されています。

従って、たった1日でも年金の切り替えが発生するならば手続きも必要になります。

例えば、8月31日に会社を退職し9月2日に再就職した場合は、1日だけ国民年金の期間が発生します。この場合、9月1日に国民年金への切り替え手続きが必要になるのです。

先ほどもお伝えしたように、「年金保険料を支払いたくない」という理由から滞納し続けることは出来ない。と言えますのでしっかりと切り替え手続きを行いましょう。

また、経済的に年金保険料を納めることが難しい場合は、免除や猶予申請を行うようにしましょう。詳しくは「国民年金保険料の免除と猶予|基準・申請方法・必要書類・追納を解説」をご参照ください。

まとめ

国民年金と厚生年金の切り替え方法について解説を行いました。

国民年金から厚生年金に切り替えをする場合は、勤め先の会社に必要書類を提出するのみになりますので問題は起こりにくいと言えます。一方、厚生年金から国民年金に切り替えする場合は、自分自身での手続きが必要になりますので忘れないようにしましょう。

年金未納者が増加する中で、強制徴収の対象も拡大しておりますので、経済的に納付が難しい場合はしっかりと免除や猶予の申請を行いましょう。









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