国民年金の追納(後払い)とは?社会保険料控除を活用し賢く節税する方法







国民年金は満20歳から強制的に加入し保険料を納付することになっておりますが、満20歳と言えば大学生や専門学生の人も多いことでしょう。

学生の場合、給与所得がありませんので「学生納付特例制度」を活用し保険料の納付を猶予しているケースが大半でしょう。また、学生以外でも国民年金保険料の納付が経済的に厳しい場合に一時的に支払いを猶予してもらっているケースもあります。

このような時に、60歳を過ぎてから任意加入し不足する保険料を納付する方法もありますが、老後に確実に保険料を納付できるかも不明瞭であることから現役時代になるべく納付した方が良いと言えます。

そこで活用できるのが、国民年金保険料を後払いできる制度「追納」になります。この追納は社会保険料の控除対象になりますので上手に活用すれば節税効果も期待できます。

そこで今回は、国民年金の追納について解説を行いたいと思います。

国民年金の追納(後払い)とは?

国民年金保険料の支払いが困難な時に、年金機構の承認を受けた上で保険料の支払いを免除もしくは猶予してもらうことができるのは「国民年金保険料の免除と猶予|基準・申請方法・必要書類・追納を解説」にて解説した通りになります。

さて、この免除や猶予した保険料は後々に追納することができるのです。追納ができる期間は承認された月から10年以内になり、免除や猶予した古い期間から順に納付していくことになります。

例えば、2016年5月〜2017年4月に未払い期間がある場合は2016年5月分からの保険料を納付することになります。

また、免除や猶予を受けた期間が2年以内であれば追納加算はありませんが、3年目以降になると経過期間に応じて追納加算額を納付する必要がありますので追納は早い方がお得になります。

国民年金の追納(後払い)のメリット

わざわざ国民年金保険料を追納するメリットはどこにあるのか?と疑問に感じる人も多いことだと思いますが、追納には大きく2つのメリットがあります。

国民年金保険料を追納するメリット

  1. 受給できる年金額が増加する
  2. 社会保険料控除によって節税ができる

メリット1.受給できる年金額が増加する

国民年金の受給額は年金加入期間によって金額が変動します。

当然ながら満額受給である480ヶ月(20歳〜60歳までの40年間加入で480ヶ月になる)が最大になりますが、免除や猶予を受けた期間も加入期間としては算入されます。

しかしながら、免除や猶予を受けた期間は保険料を納付した期間よりも受給できる金額が減額されてしまうのです。

免除された期間の年金受給額

免除率年金受給額
全額免除免除期間の年金額は1/2になる
3/4免除免除期間の年金額は5/8になる
半額免除免除期間の年金額は6/8になる
1/4免除免除期間の年金額は7/8になる

追納をすることでこの減額を埋めることが可能になりますので結果的に年金受給額を引き上げることが可能になる。という訳です。

ちなみに、現在の国民年金の満額受給額は77万9300円になりますので1ヶ月納付が出来ていないと。1623円も年金が減額されることになります。

年金保険料を10年間納付していなければ年間19万5000円程度も減額されてしまうことからしっかりと納付する必要性はご理解頂けると思います。

メリット2.社会保険料控除によって節税ができる

国民年金の納付は社会保険料の控除対象になりますので、所得税や住民税の節税効果も期待できます。給与から源泉徴収されている場合は翌年に確定申告することで過払い分が還付されます。

また、住民税を自ら支払っている場合は、5月頃に前年所得に応じた納付書が自宅に郵送されてくるでしょう。この際の納付額が社会保険料の控除分減額されている。という訳です。

社会保険控除を受けると実際にいくらお得になるのか金額のイメージも解説したいと思います。

国民年金の追納(後払い)で社会保険料控除される金額

追納することで将来受給できる年金額が増加するだけでも非常にメリットがある。と言えますが追納した分だけ社会保険料控除の対象になり節税効果も期待できるとなるとメリットは非常に大きいものと言えます。

日本年金機構の公式情報を参照すると、年収300万円の人が2015年4月〜2017年3月までの期間を追納した場合、追納額である37万80円は全額が社会保険料控除の対象になります。

そして、所得税と住民税を合わせた節税効果は約8万円にもなるのです。

第1号被保険者は確定申告で控除可能

上記の通り、非常にお得な追納制度になりますが、追納した際は控除を受けるための申請が必要になります。

まず、第1号被保険者は確定申告によって控除が可能になります。追納をしていると、11月〜12月に日本年金機構から「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が届きます。この控除証明書を確定申告時に提出することで控除が受けられます。

また、年末などに納付した場合は、控除証明書が届きません。納付書の控えが追納の証明になりますので大切に保管してください。

第2号被保険者であれば年末調整で控除可能

第2号被保険者である会社員や公務員の人は会社が行う年末調整によって控除が可能です。追納していると11月〜12月に日本年金機構から「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が届きます。

この控除証明書には納付した金額が記載されていますので会社に提出するようにしましょう。また、年末調整以降に追納した場合は確定申告を行うようにしましょう。

社会人2年目から追納した方がお得

無事に学校を卒業し就職した人は免除していた年金保険料を早速支払いたい。と考える人も多いことだと思います。

しかしながら、社会人1年目は1月〜3月分の所得がありませんので2年目よりも大きく所得が低い状態と言えます。

このような時、社会保険料控除は所得が高い方が得られる節税効果も大きいことから社会人1年目は追納せずに、社会人2年目から追納した方が控除額は大きくなる。という点がポイントになります。

国民年金の追納(後払い)は手続きが必要

国民年金を追納する場合は手続きが必要になります。ここでは4つのステップに分けて追納の手続き方法をお伝えしたいと思います。

追納の手順

  1. 最寄りの年金事務所で追納の申し込みを行う
  2. 年金事務所から「国民年金保険料追納申込書」が送付される
  3. 国民年金保険料追納申込書を記入する
  4. 納付書が郵送されてきますのでコンビニなどで納付をする

追納分は口座振替などが利用できませんので郵送されてきた納付書にて必ず支払いが必要になります。また、納付書の控えは確定申告や年末調整で必要になる場合がありますので大切に保管してください。

国民年金の追納(後払い)は分割でも一括でも可能

国民年金を追納する際、免除や猶予を受けた期間によっては金額も非常に高額になる場合もあるでしょう。その際、気になるのが「追納は一括で全て納付する必要があるのか?分割でも大丈夫なのか?」という点です。

答えは、どちらの支払い方法も可能になっており1ヶ月単位で納付することが可能になります。

そのため、経済状況に応じて追納額を決定頂ければと思いますが、3年目以降は追納加算が発生しますのでできるだけ早く納付した方がお得になります。

まとめ

国民年金の追納についてメリット、金額、手続き方法、社会保険料控除について解説を行いました。

追納制度は「将来の年金額を増加させることや社会保険料控除によって節税効果が期待できる」など非常にメリットのある制度と言えます。

注意点としては、「追納のタイミングは早い方が良いが社会人1年目よりは2年目の方がお得である」という点です。

計画的に追納し将来の年金額を増やすようにしましょう。









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