老後難民に陥らないために知っておくべきお金の知識







フィデリティ投資株式会社の「フィデリティ退職・ 投資教育研究所レポート 」を確認すると50代男性で退職後の生活準備額が0円という方が30.7%、50代女性の場合は25.6%もいることが分かりました。50代と言えば老後の生活まで10年程度の猶予しか残されておらず、実際多くの方が老後難民として生活に困窮している高齢者がいます。そこで今回は老後難民の原因を理解し生活が困窮しないように対策をお伝えしたいと思います。

老後難民とは

老後難民とは、経済的に老後の生活に困窮しており生活が成り立たない方を指しています。老後難民の中には事前に貯金をしっかり用意していたにも関わらず病気や介護など老後の思わぬ支出によって生活が困窮し老後難民になってしまう方も多くいるのが実態です。

老後難民の実例

老後難民の生活実態について老後貧乏の生活実態|5つの原因と3つの対策で破産を回避から実例をご紹介したいと思います。老後難民や老後貧乏はちょっとした問題から陥ってしまうことから、自分は大丈夫と安心するのではなく事前の準備をしっかりと行うことが非常に重要と言えます。

35年もの間、夫婦で喫茶店営業を続けてきましたが、老後の生活を楽しみたいとの思いから68歳の時に閉店を考え始めました。店舗のローンも完済しており、貯金は1500万円あったのでそこそこの生活はできると思い70歳で喫茶店の閉店を決意。

その後、3年程度は悠々自適な老後の生活を送っていましたが、妻の体調が悪くなり、高齢でもありましたので有料老人ホームに入居することにしました。その際に現在の住宅は1000万円で売却し、老人ホームの入居一時金500万円と毎月の支払い30万円の足しとしました。

赤字ではありましたが、先も限られていると思い契約をしましたが、実際に入居をしてみると決して心地よい生活とは言えませんでした。色々な人がいるもので私たちは馴染むことができず、結局1年で退去しました。

ただその際に入居一時金の返金がほとんどなく無駄にお金を使ってしまったことになります。加えて、住宅もなく新たにマンションを契約するためにさらに60万円の支出。せっかく貯めた預金があっという間に減ってしまい、とにかくに食費を削るような状態になりました。

引用:老後貧乏の生活実態|5つの原因と3つの対策で破産を回避

老後難民の解説動画

老後難民の動画についてフィデリティ退職・投資教育研究所所長の野沢哲史氏が老後難民や老後資金の必要額をクイズ形式で紹介するなど視聴者に分かりやすく解説した動画があります。最後まで視聴するには有料の登録が必要になりますので興味がある方は登録しましょう。一方で、老後資金の全て|老後の不安を解消するために身に付けたいお金の知識にて老後資金の必要額を解説していますのでそちらをご確認頂ければ老後資金の知識は身につけることができます。また、老後難民については、本記事にて解説を行います。

野沢哲史氏の著書

「定年に備えるお金の教科書」と題して定年後のお金の問題に焦点をあてた一冊です。長生きリスク、医療、介護など老後資金を大きく削る支出に対して年代別に老後資金の準備方法を解説した一冊です。

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老後難民の原因は支出が収入を上回ることが原因

老後難民の原因の主たる理由には、収入や貯蓄よりも支出が大きくなってしまうことが直接的な原因です。実際に老後の生活費はいくらかかるのか家計調査を参考に独身世帯と夫婦二人世帯の老後の生活費と収入を確認してみましょう。

【世帯別】老後の生活費と収入

 世帯構成老後の生活費/月老後の年金収入/月不足額/月
独身世帯154,500円148,000円△6,500円
夫婦二人世帯277,500円230,000円△47,500円

家計調査を参考に老後の生活費を計算すると、住居費が独身世帯で1.3万円、夫婦世帯で1.6万円と非常に低い金額で平均値が算出されています。一方で賃貸住宅で暮らしている方はこの計算が当てはまらないことになりますし、介護費用はより高額になります。そのため、以下の記事を参考に自分に合った老後資金の必要額を算出しましょう。

老後資金は夫婦二人世帯でいくら?必要額をシミュレーション

2017.06.23

老後資金は独身世帯でいくら必要?収入と生活費からシミュレーション

2017.06.20

老後資金の計画を狂わせる原因と老後難民予備軍

上記の老後の赤字額だけを見ると私は老後難民にならないな。と安心してしまう方もいると思います。しかしこの甘さが老後難民を生み出す原因になってしまうのです。それは、上記のシミュレーションが、あくまで高齢者世帯の平均であってあなた個人ではないということです。ここで、老後の生活で資金計画を大きく狂わせてしまう原因についてお伝えしたいと思います。該当する方や該当しそうな方は老後難民予備軍と言えますので注意が必要です。

老後の資金計画を狂わせる原因

  • 想定したよりも年金支給額が少ない
  • 65歳よりも早く退職をしてしまった
  • 重たい病気にかかり介護状態が早期に訪れてしまった

想定したよりも年金支給額が少ない

年金は50歳から年金ネットで支給予定額を確認することができますが、その際に当初想定していた金額よりも少ないケースがあります。国民年金は保険料を全期間支払いができていれば大筋5万程度支給されます。一方厚生年金は現役時代の所得や納付状況によって変わってしまいますので所得が低かった方などは想定よりも支給額が少ないという自体も起こり得ます。

65歳よりも早く退職をしてしまった

先ほどの老後の生活費は65歳から算出しましたが、仮に60歳で定年退職した場合は、無収入期間の5年間の生活費も考慮する必要が出てきますので老後資金の必要額は大幅に増加します。

60歳で定年退職した場合の老後資金の必要額

世帯構成老後の生活費/月老後の生活費/5年不足額
独身世帯154,500円9,270,000円△11,220,000円
夫婦二人世帯277,500円16,650,000円△30,900,000円

途端に老後資金の必要額が跳ね上がることが分かると思います。これに実際は介護費なども加算されることから老後資金の必要額一般的に3000万円や5000万円必要と言われる所以です。

重たい病気にかかり介護状態が早期に訪れてしまった

健康的に生活できる期間を健康寿命と呼びますが、厚生労働省の健康寿命と平均寿命の差を確認すると男性で9.13年、女性で12.68年あることが分かります。この内、介護付有料老人ホームで過ごす期間は有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅に関する実態調査によると平均で3年から5年であると報告があります。そこで、介護費用の目安はいくら?介護施設と在宅介護の相場を比較から入居一時金は300万円、入居費用は月額30万円で5年間入居した場合の介護費用をシミュレーションしたいと思います。

介護費用のシミュレーション

入居一時金施設入居費用介護費用
3,000,00018,000,00021,000,000

5年間介護施設に入居するだけでも2000万円近くの費用が必要になります。入居一時金や入居費は介護保険の対象外になることからパートナーの介護や親の介護で費用を負担する場合は、途端に老後難民になる可能性が高まってしまいます。

老後難民にならないための対策

老後難民は誰でも陥る可能性があることをご理解頂けたところで老後難民の対策をお伝えしたいと思います。

老後難民にならないための対策

  • 健康寿命を伸ばすために運動や趣味を持つ
  • 仕事を完全に辞める期間を長引かせる
  • 資産運用を行い老後資金を確保する
  • 老後の生活費を見直す

健康寿命を伸ばすために運動や趣味を持つ

健康であることが何よりの節約になることは誰もがご存知の通りでしょう。ただ、実際に健康であるために努力をしているのか?と考えると少数派ではないでしょうか。運動不足や不摂生など普段の生活が堕落している方も少なくないと思います。ただ、老後の生活くらいのんびり過ごしたという方もいるでしょう。そこでおすすめしたいのがアクティブに生活できる趣味を持つことです。老後の楽しみ方を見つけよう!老後におすすめな趣味26選にて老後におすすめしたい趣味をまとめてありますので参照頂き、楽しみながら健康になりましょう。

仕事を完全に辞める期間を長引かせる

先ほど60歳で早期の退職をした場合、老後資金の必要額が大幅に上がってしまうとお伝えしましたが、逆に考えると当然ながら老後資金の必要額を減らすことができます。老後資金の必要額をシミュレーションした際は90歳で計算していますが、今は90歳以上長く生きることも珍しくありません。そこで70歳程度までアルバイトでも仕事を続けることが非常に重要になります。老後の仕事を探すのに便利なシニア向け求人サイト7選にて老後におすすめの「仕事探しサイト」をまとめてありますので仕事を見つけたい方はチェックしてください。

資産運用を行い老後資金を確保する

年金や仕事以外でも収入を増やすことで老後難民の対策に繋がります。やはりおすすめは資産運用ですが、50代までの方であればiDeCoが非常におすすめです。それ以外にも老後資金の準備額に応じた貯め方を老後の貯蓄はいくら必要なのか?貯金に応じた老後資金の貯め方を解説!にてお伝えしておりますので自分に合った老後資金の貯め方を見つけましょう。

老後の生活費を見直す

最後に余剰なお金を使っていないか生活費の見直しも重要になります。まずは無駄使いを減らすことから始めましょう。【FPが教えるVol.1】老後資金の貯め方は家計簿管理が基本にて家計簿管理から老後の生活を見直す方法をお伝えしています。また、住宅ローンが残っている方は住宅ローンの見直しも有効です。老後近くで住宅ローンの見直しを行う場合はそもそも審査が通るのか?という問題がありますので、住宅ローン一括審査申込などを活用すると便利でしょう。

リバースモーゲージで住宅ローンの借り換えも”アリ”

住宅ローンの借り換え審査が通らない場合は、リバースモーゲージを活用し住宅ローンの借り換えを行うこともおすすめです。定年後はリバースモーゲージに借り換え|住宅ローンの返済を金利支払いに変更させることで支出を削減にて詳しく解説してますが、住宅ローンの支払い金額よりもリバースモーゲージの金利の方が毎月の支出を少なくさせることができることがポイントです。リバースモーゲージの詳しい解説はリバースモーゲージとは|1から理解し使いこなすための全知識をご参照ください。

まとめ

老後難民について原因と対策をお伝えしました。自分は大丈夫など他人事になっている方ほど老後難民のリスクは上がってしまいます。お金が全てではありませんが、少なからず家族(子供世帯)などには迷惑をかけないようにしたいのものです。そのためにも今できる対策をしっかりと行い老後難民を回避するようしましょう。









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老後資金の教科書

老後資金の教科書は老後の生活をより豊かにするために、金融や老後に関する法改正などを中心に解説記事を掲載しています。 リバースモーゲージ、介護保険問題、年金カット法案、高額医療費の自己負担の増加など難しい制度を分かりやすくご紹介します。