自己破産をした人も遺産相続はできる?破産前後での対応を解説







借金の返済に首が回らず残された手段は自己破産しかない。という状況の人も遺産相続によってまとまった財産が手に入ると聞けば非常に助かることは言うまでもないでしょう。

では、自己破産をこれからする人、すでに自己破産した人で相続の条件は変わるのか?そもそも、自己破産をした人は遺産を相続できるのか?など自己破産と相続の疑問を解説します。

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自己破産をしても相続欠格に該当しないため相続可能

まず、自己破産をした人は遺産を相続することは出来ないのか?と言う点においては法的に禁止さえている訳ではありませんので、自己破産をしても相続の対象者には含まれます。

民法891条には、相続欠格事由として、相続人になることができないケースをしっかりと定めております。大きくは4つの欠格事由のいずれかに該当する場合になります。

相続の欠格事由

  1. 相続人が自分に有利になるように被相続人や相続人を死に至らしめた場合
  2. 相続人が殺害されたことを知っているにも関わらず告発・告訴しなかった場合
  3. 詐欺や脅迫で被相続人の遺言を撤回、取り消し、変更をさせた場合
  4. 被相続人の遺言を偽造、変造、破棄、隠匿した場合

上記に該当する場合は「相続欠格」となり相続する権利を失うことになりますが、どこにも自己破産をした。という項目はありません。むしろ殺害や遺言の書き換えなど非常に重たい犯罪行為を行なった場合に欠格事由に該当すると言えます。

自己破産は法的に認められた制度になりますので犯罪ではありませんので、そもそも上記のような犯罪行為と並列で比較するものでもないと言えるでしょう。

自己破産の借金理由によって相続排除されると相続できない

ただし、自己破産をした人が相続出来ない場合も存在しております。上記は法的に相続が出来ない人を示す「欠格事由」となりますが、遺言によって破産者を相続の対象から除外する「相続排除」という制度もあります。

遺言は被相続人が作成するものになりますが、その際、特定の人物を相続の対象から除外する「相続排除」という制度があります。ただし、被相続人の感情次第で簡単に相続排除出来ては相続人の権利も不安定なものになってしまいます。

そのため、相続排除が認められる条件が定められておりますのでお伝えさせて頂きます。

相続排除が適用される条件

  1. 被相続人への虐待などの暴行行為を行なっていた場合
  2. 被相続人対して侮辱行為や名誉毀損行為を行なっていた場合
  3. 金の無心や家出など著しい非行行為を行なっていた場合

自己破産によって相続排除される可能性があるのは③の非行行為になり、借金を作ってしまった理由が「非行」に該当すると被相続人と裁判所が認めた場合は相続の権利を失ってしまうことになるでしょう。

自己破産前後で遺産相続の対応が変わる

さて、無事に相続する権利を得た場合に、実際に相続を受けるのが自己破産の前なのか?手続き中なのか?後なのか?によって対応が異なることからそれぞれのパターンを解説したいと思います。

自己破産の申立前に遺産を相続する場合

まずは、自己破産の手続きを行う前に財産を相続した場合ですが、最も理想的なタイミングでの相続と言えます。相続財産が現金や住宅などまとまった財産で相続した場合は、現金化することで借金の返済に活用することができるでしょう。

相続金額次第ですが、完済までいかなくても任意整理や個人再生など借金を減額し返済できるようであれば自己破産をする必要が無くなります。任意整理や個人再生の方が自己破産よりもデメリットが少ないのでおすすめと言えるでしょう。

また、少額の相続しか出来ない場合でも自己破産の弁護士費用に充当することで管財事件を避け、同時廃止として手続きを進めることが可能になりますので、自己破産の費用を安く抑えることができるでしょう。

自己破産開始決定前に遺産を相続する場合

自己破産開始決定前に相続財産を受け取るのは、最もタイミングが悪いと言えます。既に裁判所に手続き申請を行なっていることから、追加で破産者の財産が増えることになります。

これによって多くの場合は、同時廃止ではなく管財事件として扱われることになりますので、管財人報酬の支払いや債権者集会など面倒な手続きと費用が発生してしまいます。

もし、事前に相続の可能性があることが分かっていれば弁護士に相談しておく方が良いでしょう。既に被相続人が亡くなっており、遺言の開示を待っている状態である。などが該当する状況と言えます。

自己破産後に遺産を相続する場合

自己破産後に相続する場合は、何も制限なく遺産を受け取ることが可能になります。

注意事項としては、自己破産の手続きが進行している最中に相続できることが判明した場合です。

裁判所に申告せずにそのまま自己破産をしてしまうと財産の隠蔽を行なったとして、自己破産の免責取り消しや詐欺破産の疑いを持たれてしまい罰金や懲役などの罰則を受けてしまう可能性があります。

自己破産から数年経過した時に被相続人が亡くなり遺産を相続するような場合は、上記には該当しませんので安心して相続するようにしましょう。

まとめ

自己破産と相続の関係について解説を行いました。

基本的には自己破産をしても相続の対象になります。その際、借金の理由によっては「相続排除」によって相続出来ないケースもありますので注意してください。また、自己破産の前・中・後によって対応も異なることから弁護士に相談をすることをおすすめします。

その際、「自己破産は司法書士と弁護士にどちらに依頼すべき?業務の違いを解説」にて実績が豊富な弁護士事務所の費用を比較しておりますので、自分に合った弁護士を選ぶようにしましょう。









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