自己都合の退職でも失業保険を少しでも早く長く多く受給するための方法







自己都合で会社を退職した場合、「失業保険が受給できるまでに3ヶ月はかかる」さらには「会社都合で退職した場合よりも受給できる期間が短い」という側面があります。

退職後も一定期間は収入を失わない失業保険は受給できるだけでも有難い。と言えますが、それでも少しでも早く、長く、そして多く受給したいのも本音でしょう。

そこで今回は、自己都合で退職した場合の失業保険の給付に関して、少しでも早く、長く、多く受給できる方法を解説したいと思います。

そもそも自己都合と会社都合の違いとは?

失業保険には「自己都合」と「会社都合」によって受給期間に差が出ることはご存知の方も多いと思います。

実際、どのくらい受給期間に差が生まれるのか?と言えば、「自己都合の最大受給期間が150日間」なのに対して、「会社都合は330日」と2倍以上も給付期間に差が生まれます。

詳しい解説は「失業保険の給付期間はいつからいつまで?自己都合と会社都合の違いを解説」をご参照ください。

さて、本記事をご覧になられている方は、自分自身が自己都合で退職したと認識していることだと思いますが、実は、「会社都合」で退職ができる場合もあります。

そこで、「自己都合で該当する場合」と「自己都合で該当する場合」のそれぞれをお伝えしたいと思います。

退職事由が自己都合になる場合

退職事由が自己都合になる場合は以下のようなケースが該当します。

自己都合で退職となるケース

  • 職場環境が自分に合わず仕事を続けることが出来ないと判断した場合
  • 懲戒解雇など従業員の責任により退職した場合
  • 結婚をきっかけに会社を退職した場合

上記のように、個人の都合や会社に重大な損害を与え解雇された場合は「自己都合」の退職して処理されることになります。

退職事由が会社都合になる場合

一方で「会社都合の退職」となる場合は、以下のようなケースが該当します。

会社都合で退職となるケース

  • 勤め先が「倒産」した場合
  • 勤め先から個人の責任とは関係なく「解雇」された場合
  • 勤め先から「退職勧告」された場合
  • 勤め先で1ヶ月に30名以上の「大量離職」が発生しその中の1人である場合

上記に該当する場合は、「会社都合の退職」として処理されることになります。一方、上記以外でも会社都合の退職として認められるケースも存在しています。

会社都合の退職として認められる可能性がある場合

  • 法定残業時間を超えて就労させられた場合
  • 給料が85%未満に減額された場合(ただし、降格や出来高制の場合は除く)
  • 給料の支払い遅延や未払いだった場合
  • 通勤が困難な場所に異動になった場合(往復4時間以上で3ヶ月以内に退職した場合が該当)
  • 仕事内容が当初の契約と大幅に変更が合った場合
  • 職場でパワハラやセクハラ被害に合っていた場合
  • 会社が3ヶ月以上の長期休業を行う場合
  • 会社の業務が法令違反であった場合

上記に該当する場合は、自らの意思で退職したとしても「会社都合の退職」にすることが出来る場合があります。証拠が必要になりますので、タイムカード、音声、書面などを揃えてハローワークに相談するようにしましょう。

自己都合で退職した場合の失業保険の給付期間

それでは、自己都合で退職した場合に失業保険はいつからいつまで受け取ることが出来るのか?と疑問に感じる人に向けて、給付期間についてお伝えしたいと思います。

まず、失業保険の受給が開始されるまでの日数に関してですが、「待機期間の7日間+3ヶ月」となりますので、失業保険の手続きが完了してから4ヶ月程度で受給が可能になります。

次に、いつまで失業保険を受け取ることが出来るのか?という点については、雇用保険の加入年数によって変動することから以下の表をご参照ください。

加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢90日間120日間150日間

上記の通り、雇用保険の加入期間が10年未満の場合は90日間、20年未満は120日間、20年以上は150日間が受給期間となります。

基本的には、離職した翌日から1年以内に失業保険の受給を終える必要がありますので、離職後はなるべく早く手続きを行うようにしましょう。

自己都合で退職した場合の失業保険の給付金額

失業保険の給付額については、賃金日額(離職前6ヶ月間の1日あたりの給与)の5割〜8割が基本手当日額(失業保険の1日あたりの給付額)になります。

従って、基本手当日額に受給日数を掛けることで失業保険の受給総額を算出することが可能になります。

賃金日額は「離職前6ヶ月の給与 ÷ 180日」によって算出が可能になりますが、この給与には賞与は含まれませんが、交通費や残業代は含まれると覚えておきましょう。

詳しくは「失業保険給付額の計算手順と2018年最新の早見表で簡単チェック」にて解説しておりますのでご参照ください。

自己都合退職時に失業保険を早く長く多く受給する方法

ここまで、自己都合で退職した場合の失業保険の受給期間、受給金額をお伝えさせて頂きましたが、少しでも「早く、長く、そして多く」失業保険を受け取るための方法をお伝えしたいと思います。

特定理由離職者に該当すれば失業保険を早く受給できる

自己都合退職の場合でも失業保険を早く受け取る方法の1つに「特定理由離職者」に該当する場合です。「特定理由離職者」に該当すると、会社都合で退職した場合と同様に、待機期間7日後すぐに失業保険の受給が開始されます。

特定理由退職者に該当する場合

  • 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷など身体的な影響で退職した場合
  • 妊娠、出産、育児により退職し雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた場合
  • 両親の死亡や介護によって退職した場合
  • 結婚に伴い住所が代わり通勤が出来なくなった場合
  • 勤め先が通勤困難な場所に移動した場合

上記は一例ですが、自己都合の退職であっても「特定理由退職者」に該当することで失業保険の給付を早く受け取ることが可能になります。

公共職業訓練を活用すれば失業保険が早く長く受給できる

次に、ハローワークが提供している公共職業訓練を受けることで、失業保険を早く長く受給することが可能になります。

先ほどお伝えしたように自己都合で退職した場合は、失業保険の給付が受けられるまでに4ヶ月程度の時間が必要になりますが、公共職業訓練を受けると、受講開始から失業保険を受け取ることが可能になります。

加えて、公共職業訓練を受けている期間は給付期間が延長されます。

具体例としては、120日間の失業保険が給付される人が60日経過後に180日間の職業を訓練を受けると、残りの60日間に加えて180日間の失業保険が受け取れます。

結果的に、「60日間+180日間=240日間」も失業保険の給付が受けられることになります。

離職6ヶ月前に残業時間を増やすことで失業保険は多く受給できる

3つ目の方法として、「離職前6ヶ月間の平均給与」を引き上げることで賃金日額を増額させる方法が挙げられます。簡単に給与を上げるのは難しいと言えますが、賃金日額の給与は「残業代が含まれる」という点がポイントです。

要は、離職前6ヶ月間は通常よりも残業時間を増やし給与をより多く受け取ることで、離職後の失業保険の金額を引き上げることが可能になります。

無理のない範囲でお取り組み頂ければと思いますが、残業代がしっかりと出る会社であれば有効な手段となるでしょう。

自己都合で退職した場合の失業保険の受給手続き

最後に、自己都合で退職した場合の失業保険の受給手続きについてお伝えしたいと思います。失業保険の手続きは、受給資格さえ満たしていれば誰でも受給することが可能ですし、手続きも難しくはありません。

主な手順は、「必要書類の準備」→「ハローワークへ行き手続きをする」→「説明会を受ける」→「就職活動を行う」→「認定日にハローワークへ行く」→「失業保険が振り込みされる」という手順になります。

流れについては以下の表にもまとめてありますが、「失業保険の手続きはいつまでに行う?必要書類は何?気になる疑問を解説」にて詳しく解説をしておりますのでご参照頂ければと思います。

まとめ

自己都合で退職した場合に失業保険を少しでも早く、長く、多く受給するための方法について解説を行いました。

病気など心身の健康を害した場合や介護などによって退職した場合は「特定理由退職者」に該当し、失業保険を早く受け取ることが可能です。また、公共職業訓練を受けることで、失業保険を早く受け取ることも給付期間を延長することも可能になります。

さらには、自己都合の退職だと思っていた場合も会社都合の退職が認められる場合もありますので、自分自身の退職事由がどちらに該当するのか今一度確認するようにしましょう。









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