特定理由離職者と特定受給資格者の違いとは?該当するケースを紹介







会社をどのように退職するかによって失業保険の受給資格は異なります。

勤め先が倒産するなど会社都合で退職した場合は「特定受給資格」となります。一方で、自己都合で退職した場合は「一般受給資格者」と「特定理由離職者1・2」に分かれています。

「一般受給資格者」については、文字通り自己都合で退職した人で優遇を措置を受けられない人を指しております。

では、「特定理由離職者1・2」とはどのような人が該当するのか?「特定受給資格者」とはどのような違いがあるのか?それぞれ解説を行いたいと思います。

特定理由離職者と特定受給資格者の違い

まずは、「特定受給資格者」と「特定理由離職者」で失業保険の給付に関してどのような違いがあるのか一覧表を確認してみましょう。

対象者3ヶ月給付制限給付日数優遇
特定受給資格者なしあり
特定理由離職者1なしあり
特定理由離職者2なしなし
一般受給資格者ありなし

上記の通り、「特定受給資格者」と「特定理由離職者1・2」については3ヶ月間の給付制限がありません。一方で自己都合で退職した場合の「一般受給資格者」に関しては3ヶ月間の給付制限を受けることになります。

また、給付日数の優遇にも違いがあります。

「特定受給資格者」と「特定理由離職者1」については給付日数の優遇措置がありますが、「特定理由離職者2」と「一般受給資格者」については給付日数の優遇措置を受けることができません。

給付日数の優遇

  • 自己都合退職であり「特定理由離職者2」や「一般受給資格者」に該当する場合
加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢90日間120日間150日間
  • 「特定受給資格者」や「特定理由離職者1」に該当する場合
加入期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日間90日120日180日
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
45歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日270日240日

特定受給資格者に該当する場合

会社都合で退職した場合に該当する「特定受給資格者」とは、どのようなケースに当てはまるのか?具体例についてお伝えしたいと思います。

会社が倒産するなどによって退職した場合

会社が倒産して退職する場合などは「特定受給資格者」に該当することになります。

会社が倒産などにより特定受給資格者となる場合

  • 会社が破産、民事再生、会社更生などの破産手続きの申し立てを行った場合や手形取引が停止した場合
  • 雇用保険に加入する従業員1/3以上が退職した場合
  • 雇用保険に加入する従業員が1ヶ月で30人以上退職した場合または予定があることを届け出した場合
  • 事業所が廃止した場合
  • 事務所移転により通勤が困難となった場合

解雇により退職した場合

会社から解雇を命じられた場合も「特定受給資格者」に該当することになりますが、解雇とはどのような場合なのかもお伝えしたいと思います。

会社から解雇されたことにより特定受給資格者となる場合

  • 重大な自己責任を除く理由で会社を解雇された場合
  • 労働契約と実際の実務内容が著しく乖離することにより退職する場合
  • 給料の1/3を超える額が給料日までに支払いされないことが2ヶ月以上継続した場合
  • 給料が85%未満に減額された場合
  • 退職する6ヶ月前の残業時間が「①:3ヶ月連続で45時間以上」、「②:1ヶ月で100時間以上」、「③:2ヶ月平均で80時間以上」ある場合
  • 妊娠、出産、養育中や介護を行う従業員に対して権利を不当に制限する場合や不利益を強いた場合
  • 従業員の職種転換に際して会社が必要な配慮を行わなかった場合
  • 有期契約で3年以上雇用されていたが契約が更新されなかった場合
  • 有期契約で「契約更新あり」にも関わらず契約更新されなかった
  • 上司や同僚から嫌がらせや冷遇を受けた場合やセクハラやパワハラに対して会社が何ら対処を行わなかった場合
  • 事業主から直接または間接的に退職するように勧奨された場合(早期定年退職は除く)
  • 事業主が3ヶ月以上の休業状態になった場合
  • 事業主が法律に反する行為を行っていた場合

特定理由離職者に該当する場合

それでは、特定理由退職者1・2に該当する場合がどのようなケースなのかそれぞれお伝えをしたいと思います。

特定理由離職者1に該当する場合

特定理由離職者1に該当する場合は以下の通りです。

特定理由離職者1に該当する場合

  • 労働契約期間が満了し次の更新を希望したが更新されなかった場合

※ただし以下の2点に該当する場合は特定受給資格者となる

  1. 有期契約で3年以上雇用されている場合で契約更新されずに退職した
  2. 有期契約で「契約更新あり」にも関わらず契約更新されなかった

特定理由離職者2に該当する場合

特定理由離職者2に該当する場合は以下の通りです。

特定理由離職者2に該当する場合

  • 体力不足、心身の障害、疾病、けが、視力、聴力、触覚の減退などにより退職をした場合
  • 妊娠、出産、育児により退職し失業保険の延長申請を行った場合
  • 両親の死亡や介護などにより家庭の事情が急変した場合
  • 配偶者や扶養家族と別居生活を続けることが困難になった場合
  • 企業整備や人員整備による早期退職の案内を受けた場合
  • 通勤が困難になった場合(※以下に該当する場合)
  1. 結婚により遠方に引っ越しが必要になった場合
  2. 育児に伴う保育所等の施設を利用する場合や親族へ依頼する場合
  3. 会社が通勤困難な場所へ移転した場合
  4. 自分の意思と反して遠方に引っ越しが必要になった場合
  5. 鉄道などの公共機関の廃線や時間変更により通勤が困難になった場合
  6. 人事命令による転勤などから生じる別居を回避する場合
  7. 夫(または妻)の転勤や出向などにより再就職が必要となり転居を伴う場合

まとめ|退職事由の確認方法

特定理由離職者と特定受給資格者の違いについて解説を行いました。

会社都合で退職した場合は「特定受給資格者」として様々な優遇措置を受けられますし、自己都合でも「特定理由離職者」に該当することで会社都合で変わらない優遇措置が期待できます。

その際、自分自身がどのような退職事由に該当しているかは「離職票2」の離職コードを確認してみましょう。以下の離職コードが記載されておりますので、そちらでどの退職事由に該当するか確認が可能です。

対象者離職コード
特定受給資格者1A、1B、2A、2B、3A、3B
特定理由離職者12C
特定理由離職者23C、3D
自己都合退職4D、5E








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